POs-Ca®(食品用原料)

POs-Ca(食品素材)

POs-Ca(ポスカ/リン酸化オリゴ糖カルシウム)は、北海道産のジャガイモデンプンから調製したオリゴ糖で、江崎グリコの永年の研究から生まれたオリジナル新素材です。王子コーンスターチ(株)と共同で量産化に成功した食品素材です。POs-Ca(ポスカ)には以下の特長があります。

1. 優れた水溶性カルシウム
POs-Caは、水に70%以上溶ける性質をもっており、高い水溶性を有するカルシウム素材です。
2. プラーク抑制効果
POs-Caは、歯の表面などにできるプラーク(歯垢)の形成を抑制することが確認されています。
3. 初期むし歯の再石灰化促進効果
POs-Caは、初期むし歯に対して再石灰化促進作用を示すことが確認されています。

本素材(POs-Ca)を利用した江崎グリコの商品
» エコパウチ ポスカ

Link:
» 王子コーンスターチ株式会社 ホームページ

構造および製造方法

ジャガイモ澱粉は、エステル結合したリン酸基を有する、最も代表的なグルコースポリマーです。リン酸化オリゴ糖は、ジャガイモ澱粉の酵素加水分解によって得られるリン酸基をもつオリゴ糖であり、POs-Caはリン酸化オリゴ糖のカルシウム塩として製造されます。POs-Caは、少なくとも1つないし2つのリン酸基をもつマルトオリゴ糖 (maltotriose~maltooctaose)から構成され、そのリン酸基にカルシウムがイオン結合した構造となっています。

特長

高水溶性カルシウム素材

POs-Caは食品原料であり、高い水溶性を有するカルシウム素材です。POs-Caは、高いカルシウム濃度でも水に簡単に溶解させることができます。
POs-Caは、カルシウム含有率も比較的高く(5%)、水溶性も極めて高いことから、食品や飲料、サプリメントなどに、使用しやすい素材となっています。

吸収性の高いカルシウム素材

乳清カルシウム(WMC)とPOs-Caのカルシウム吸収性をラット腸管ループ法により測定しました。カルシウム濃度が120mg/100mLになるように、WMC液およびWMCとPOs-Caの混合液を作成し、カルシウムの吸収性を比較したところ、WMC単独では約40%のカルシウムが吸収されただけでした。
一方、WMCとPOs-Caを一緒に供給することにより、カルシウムの吸収率が上がる事が確認できました。また、POs-Caの比率が高くなるほど吸収率も高まる事が分かりました。

カルシウム素材比較表

  • POs-Caは食品素材の中ではカルシウム含有率が高く、水溶性も極めて高いことから、さまざまな食品や飲料にたいへん使用しやすくなっています。
  • カルシウム素材には食品素材と、食品添加物がありますが、POs-Caは食品原料であり、使用量の制限はありません。

水溶性カルシウムとしての用途

  • カルシウム強化食品に
    POs-Caそのものが吸収性の高いカルシウム源であることに加え、他の不溶性カルシウムと併用することにより、全体のカルシウム吸収性を上げる効果が期待できることから、カルシウムを強化したい食品へのご利用に適しています。
  • カルシウム強化飲料に POs-Caは極めて高い水溶性を示すことから、透明でクリアなカルシウム飲料を製造することができます。ニアウォーターなどのミネラル強化などに適しています。
  • 健康食品、サプリメントに
    日本人は慢性的にカルシウム不足であるといわれています。私たちの健康維持に大切なカルシウムを補給するために、POs-Caを健康食品、サプリメントにご利用下さい。

プラークの抑制効果

1. POs-Caはミュータンスレンサ球菌により代謝されません。
POs-Caはう蝕の主な原因菌であるミュータンスレンサ球菌により代謝されず、酸産生の原因になりません。

2. POs-Caはプラーク(※)の形成を抑制します。
1%ショ糖溶液をエナメル歯面上へ滴下する人工口腔装置を用いた試験において、POs-Caは人工プラーク形成を抑制することを確認しました。

※ プラーク 細菌は歯の表面に吸着し、不溶性のグルカンや細菌同士の集積などにより歯の表面に強く吸着して増殖します。このような歯の表面の微生物(約70%)と菌体間基質(約30%)とから構成された粘着物をプラーク(歯垢)と呼んでいます。細菌の中には、う蝕や歯槽膿漏(歯周病)を起こす原因となるものも含まれています。

POs-Caの人工プラーク形成への影響

初期むし歯(初期う蝕)の再石灰化促進効果

毎日の食事や間食により、歯の表面にはミュータンスレンサ球菌等の細菌によって、プラーク(歯垢)が形成されます。プラーク内では食事の度に有機酸が産生され、pHが低下します。このpHの低下によって、歯のエナメル質からカルシウムやリン酸が溶け出し、初期むし歯が生じます。初期むし歯の状態が進行すると、一般に言うむし歯の状態となり、歯科治療が必要となります。しかし、初期むし歯の段階であれば、再石灰化(※)により健全な歯の状態へ戻すことが可能とされています。POs-Caは、初期むし歯に対して再石灰化を促進することが確認されています。

※ 再石灰化 酸の作用によりカルシウムとリン酸が溶け出した初期むし歯に対して、カルシウムとリン酸を供給し、元の健全な歯の状態に戻すことを再石灰化と言います。

人工う蝕歯をミネラル溶液に浸漬する際に、POs-Caの有無による再石灰化への影響を調べる試験を実施しました。
その結果、POs-Caはエナメル質の初期う蝕に対して再石灰化作用があることがわかりました。

初期う蝕エナメル質断面の走査型電子顕微鏡写真
(島津製作所SSX-550 )

製品規格

製品規格

性状 白色粉末
水分 6.5%以下
pH(1%溶液) 5.5~7.0
灰分 19.0%以下
カルシウム 5.0~5.5%
異味異臭 認めず
ヒ素(As203 として) 1ppm 以下
重金属(Pb として) 10ppm 以下
一般生菌数 100個/g 以下
大腸菌群 陰性

荷姿
20kg入り紙袋

表示例
リン酸化オリゴ糖カルシウム

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