健康経営
「人々の良質なくらしのため、高品質な素材を創意工夫することにより、
『おいしさと健康』を価値として提供し続ける」ことを目指しています。
創意工夫によって能力を発揮し、高い生産性を保つことが重要です。
そしてこの源泉は、社員自身が心身ともにすこやかな毎日を送るように努めることに
あります。
社員一人ひとりが健康保持・増進に取り組みます。
江崎グリコ株式会社
代表取締役社長 江崎 悦朗
Glicoグループでは、経営トップの健康経営宣言に基づき、全員一丸で健康経営を推進するために、各職場に健康推進リーダーを配置し、彼らを中心に主体的に健康づくりに取り組んでいます。また、会社と健康保険組合、ユニオン、産業保健スタッフが緊密に連携することで、健康経営施策の企画、検討、実行、効果検証といったPDCAを推進しています。
【社内取組み】
健康の基本となる3つの側面(運動・栄養・休息)に着目して主体的に健康づくりしていくこと、その際には、まず自身の状態を理解し、必要な知識を身につけ、健康行動を実践してみる、それを継続し習慣化する、再び自身の状態を把握するというPDCAサイクルを繰り返していくという方針を定めました。 この方針に基づき、日々の歩数や食事内容、睡眠の質・時間を記録できるヘルスケアアプリを導入し、社員はアプリを活用して運動・栄養・休息のPDCAに取り組んでいます。また、必要な知識を身につけてもらう目的で、歩き方セミナーや睡眠の質を高めるセミナー、糖質を適正化するロカボセミナー、レジリエンスを高めるマインドフルネス研修等を実施しています。
実践・習慣化に関しては、主体的な健康づくりを促進するためにインセンティブポイントを付与し、年間の累計ポイント上位者を表彰する制度を設けています。また、チーム対抗のウォーキングイベントやオンラインヨガ教室の定期開催等を実施しています。各職場に配置している健康推進リーダーは、これらの取り組みを職場で周知し、社員に健康づくりの知識やノウハウを伝えることで、職場の健康づくりを先導しています。推進リーダーにはより高いヘルスリテラシーが必要となることから、日本健康マスターの資格取得を会社で支援しています。(2021年10月時点:日本健康マスター検定取得者 ベーシック/192名、エキスパート/136名)
運動・栄養・休息を軸にした健康づくりは生活習慣病の予防にとって重要ですが、社員の公私ともに充実した生活を実現するためには、疾病の早期発見・治療も欠かせません。早期に治療することで、社員にとっては心身の負担だけでなく経済的な負担の軽減も期待でき、組織にとってもプレゼンティーイズム・アブセンティーイズムの低減につながることから、確実に健診を受診し、アフターフォローを徹底できる産業保健スタッフ体制の拡充・整備に取り組んでいます。また、社員には検診の重要性を理解してもらうべく、専門家を招いて各種疾患に関するセミナー(乳がん、子宮がん、大腸がん等)を実施しています。 ※データヘルス計画に基づき、生活習慣病と悪性新生物を優先課題として取り組んでいます。
また、喫煙習慣は「循環器疾患」「呼吸器疾患」「がん」「歯周病」等さまざまな疾患のリスクを高めることが分かっており、喫煙習慣のない家族や他の社員、取引先等関係者の皆様に二次喫煙(受動喫煙)や三次喫煙のリスクが懸念されることから、2019年1月より就業時間中の喫煙を禁止にしました。並行して、喫煙のリスク、禁煙のメリットを理解してもらう禁煙セミナーを開催し、禁煙外来にチャレンジし成功した方への費用補助を開始しています。 医療費のような定量データに現れない組織の健康状態やプレゼンティーイズムを把握し、それらの改善PDCAを実行するために、ストレスチェックを兼ねたアンケート調査を年2回実施しています。また、社員の体調や仕事の満足度、人間関係の変調を早期に捉えるために毎月数問の簡単な設問からなるパルスサーベイを実施しています。上司がタイムリーなケアとフォローを行うことで、相互信頼を高め、働きがいやエンゲージメントの向上・改善を図りたいと考えています。 その他、長時間座ってデスクワークすることの健康障害リスクが注目されていることから、全社員が1時間に1回は立ち上がって1分間ストレッチしましょうというEVERY1活動も展開しています。
<コロナ禍における取り組み>
江崎グリコのスタッフ職については以前から上限時間を設けてテレワーク制度を導入※していましたが、新型コロナウイルス感染予防を徹底し、社員の健康・安全を守るため、Glicoグループ全体で必要最低限の出社に制限し、在宅勤務としています。そのため、セミナーやヨガ教室等は現在オンラインのWEB会議方式で開催しています。加えて、在宅勤務継続による運動不足解消のため、家でできる簡単なストレッチや運動に関する動画も配信しています。また、在宅勤務が長期化しストレスも高まりつつあることから、社員同士のコミュニケーションを活性化させるために、WEB懇親会の費用補助も臨時で実施しています。
【対外取組み】
お客様の健康なくらしをサポートするため、睡眠や栄養等の健康に関する専門家を招き、健康の維持増進に役立つセミナー (with Glicoウェルネスキャンパス)を継続的に開催しています
>>with Glico ファンミーティング
第1回:2020年9月27日「ロカボセミナー」 北里大学北里研究所病院糖尿病センター長、食・楽・健康協会代表理事 山田 悟先生
第2回: 2020年10月20日:「歳をとると腸内も歳をとる?!」 慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授および株式会社メタジェン代表取締役社長CEO 福田 真嗣先生
第3回:2020年11月25日:「健康寿命と美容寿命 ~サビないためのインナーケア」 大阪市立大学医学部 名誉教授 井上 正康先生
第4回:2021年3月31日「1日8,000歩・速歩き20分で長寿遺伝子のスイッチオン」 東京都健康長寿医療センター研究所 老化制御研究チーム研究室長 青栁 幸利先生
第5回:2021年5月17日「コロナ禍の睡眠障害リスクとより良い睡眠を得るために」 スタンフォード大学医学部精神科教授 西野 精治先生
第6回:2021年10月8日「もしもに備える防災セミナー ~防災食と、命を守る防災セット~」 管理栄養士・防災士・災害食専門員 今泉 マユ子先生
第7回:2022年3月18日「毎日カンタン習慣で整える睡眠」 スタンフォード大学医学部精神科教授 西野 精治先生
第8回:2022年9月2日「睡眠環境を整える“ポジティブルーティン”のススメ」 スタンフォード大学医学部精神科教授 西野 精治先生
オフィスグリコやSUNAOデリバリーランチサービスを導入いただいている企業様の健康経営サポートとして、健康づくりの基礎的なポイントを知っていただくための健康セミナーも実施しています。
また、自社を超えた健康増進に関する取り組みとして、原材料の調達にあたっては、取引先における安全衛生や健康経営等の取り組みについてセルフ・アセスメントしていただく調査票への回答をお願いし、サプライチェーン全体の健康増進に対する取り組み状況の把握に努めています。今後は取引先の健康課題や要望に基づいて健康増進施策を共同で実施する等、自社を超えて社会の健康に寄与できる取り組みを検討・展開していく予定です。
>>>>パートナーシップ構築宣言
2018年7月より本格的に推進してきた健康経営の取り組みが評価され、江崎グリコ株式会社、グリコマニュファクチャリングジャパン株式会社が健康経営優良法人2022ホワイト500に認定されました。
2015年の在宅勤務制度の導入を皮切りに早い段階からテレワークの活用を進め、2018年にはイノベーションの創出、生産性の向上、ワークライフバランスの充足を目的にテレワーク制度を導入しました。その後もPC機器や通信環境の拡充、ペーパーレス化、ICTの利活用といったさまざまな就業環境を整備してきたこともあり、コロナ禍では高いテレワーク実施率を実現(約75%)していること、育児介護従事者や障がい者の就業支援、BCP対策などの経営面での効果ならびに社会的貢献という観点でも価値ある取り組みとして評価されました。
※健康投資管理会計ガイドラインに基づき当社の経営課題・健康指標を整理しました
私たちは事業を通じて社会に貢献し続けることでパーパス・ビジョンの実現を目指しています。 そのためには社員一人一人の成長を通じた会社の持続的発展が欠かせません。健康経営を推進するにあたっては、KGI(Key Goal Indicator)を生産性の向上とし、KPI(Key Performance Indicator)にはプレゼンティーイズムとアブセンティーイズムの低減、エンゲージメントの向上を設定しました。これらの指標に直接的に影響する、より客観的な定量データとして有所見率の減少や休職日数の低減、良い生活習慣を維持する社員の増加、組織の心理的安全性や信頼スコアの向上などもアウトカム指標として組み込み、そのプロセスとなるセミナーやワークショップ、イベント等の参加率や満足度・理解度をアウトプット指標に位置付けました。 この戦略マップに基づいて、従業員には改めて健康経営に取り組む目的やPDCAする指標、各種施策の意図を説明・対話し、理解浸透を図るとともに、経営層とは課題認識や取り組みの進捗状況について定期的に共有・意見交換を行っています。
健康経営戦略マップに基づき、健康経営を中長期的な視点で体系的に推進し、KGIやKPIを中心とした各種指標のPDCAを回していきます。
※主観指標の評価方法について
・プレゼンティーイズム: SPQ(Single-Item Presenteeism Question 東大1項目版)
・アブセンティーズム:健康に関するサーベイの回答結果
・ワークエンゲージメント:ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度をベースに外部業者が開発したサーベイのスコア