ここでは、食品に含まれる栄養素のはたらきやどのような食品に多く含まれているのかなど、各栄養素についてくわしくご紹介します。

restaurant_menuナイアシン

ナイアシンとは

 ナイアシンは水に溶ける水溶性ビタミンのひとつで、ビタミンB群の仲間です。ナイアシンはニコチン酸とニコチンアミドの総称ですが、体内でトリプトファンという必須アミノ酸からも合成することができ、私たちはこれらをナイアシンとして利用しています。

どんな働きがありますか

 ナイアシンは、糖質、脂質、たんぱく質から、細胞でエネルギーを産生する際に働く酵素を補助する不可欠な働きをします。これは皮ふや粘膜の健康維持を助ける働きもすることになります。ナイアシンは不足がすすむとペラグラという欠乏症になることが知られています。

どんな食品に多く含まれていますか

カツオ 広く食品に含まれますが、特にレバー、魚、肉などに多く含まれています。これらの食品にはたんぱく質も豊富なため、トリプトファンも同時に摂取できることになります。

「栄養成分ナビ」のナイアシン量について

 「栄養成分ナビ」の元データである「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」には、「ナイアシン」(食品中のナイアシン量)と、「ナイアシン当量」(食品中のナイアシン量に食品中のたんぱく質から体内合成するナイアシン量を加えた量)の両方が掲載されています。「栄養成分ナビ」のナイアシンの「合計」欄は食品中のナイアシン量(mg)のみの合計です。

 「栄養素等表示基準値」および「日本人の食事摂取基準(2020年版)」のナイアシン量は、食品中のナイアシン量に体内でつくる量を加え、体に必要な量として「ナイアシン当量(mgNE)」で示されています。「栄養成分ナビ」のナイアシン量の「栄養素等表示基準値などに対する割合(%)」は、「ナイアシン当量」で表示しています。

 ちなみに、ナイアシン当量(mgNE)は次の式で計算できます。

ナイアシン当量(mgNE)=ニコチン酸(mg)+ニコチンアミド(mg)+トリプトファン量(mg)の1/60

 「栄養成分ナビ」の「栄養素等表示基準値などに対する割合(%)」は、食品中のナイアシン量に、食品中のたんぱく質から体内合成するナイアシン量を加えてナイアシン当量を算出し、これを「栄養素等表示基準値」で割った値を%表示しています。

どれくらいとったらよいですか

 ナイアシンは不足すると、食欲がなくなり、消化不良、皮ふの発疹がおこります。さらに不足すると、うろこ状に荒れる皮膚炎や、認知症、下痢などをおこすペラグラという欠乏症になります。ペラグラは、かつて中南米などにおいてトリプトファン含有量の少ないとうもろこしを主食とし、他の食品をあまり食べない地域で見られましたが、日本で通常の食生活をする場合はここまで不足する心配はほとんどありません。

 一方、通常の食事から過剰になることはほとんどありませんが、薬やサプリメントでは誤って大量摂取すると、消化不良やひどい下痢などの消化器系の障害や、肝臓の障害などの過剰症がおこることがありますので、適切なご利用方法をこころがけてください。