井口 雄翔さんの2024年度第3回レポート

Glicoは、プロのレーシングドライバーを目指してTAKUMA KIDS KART CHALLENGE(タクマ キッズカートチャレンジ)に参加する子どもたちのために、もっと支援できることがないかと考えました。プロのレーシングドライバーになるには、相当な厳しい道のりと狭き門をくぐり抜けなければなりません。Glicoは、佐藤 琢磨選手と検討を重ね、子どもたちの夢への第一歩をサポートするプログラムを2020年より始動しました。
2024年度は小野原 悠さん、濱邉 誠己さん、黄 海仁(ファン ヘイン)さんに加え、2023年TAKUMA KIDS KART CHALLENGE アカデミーで優勝した井口 雄翔さんの活動をサポートしています。
4選手それぞれが将来の夢に向かって挑戦する様子を、各選手からレポートをいただきましたのでご紹介いたします。
【井口雄翔さんの2024年度第3回レポート(10月~12月)】
・・・・・以下、レポート内容・・・・・
1. 今年を振り返って
2024年の目標は、本格的に始めたレーシングカートの操作技術向上と、カートの構造を知り、自分でエンジンや、ギア・チェーン他部品の交換が出来るようになり、その上で、チームの監督にセッティングを変えた時の車両の違いや、自分の感覚を伝えて、車両のセッティングに、活かせるようになる事でした。その上でレースでも、表彰台を狙える位置に行く事でした。
(頑張った事)
① 今年チームで練習を続けて監督から教えて頂いている、ステアリングに頼らずに、アクセルとブレーキを使い、Gを感じて利用する事で車両の向きを速く変えることが少しずつですが出来るようになって、結果タイムアップに繋がりました。今年の主戦場のAPG(オートパラダイス御殿場)のタイムも、練習中ですが、何時もレースで上位を走る選手の後ろに付いても、離されなくなり、タイム的にも0.2秒~0.1秒差位までは、出せるようになりました。
② エンジンの載せ替えや、部品の交換・車両清掃や手入れはある程度自分で出来るようになりました。それにより、以前よりは監督に、車両の状況や、セッティングやエンジンを載せ替えた時に、どのように違いを自分が感じ、どのセッティングがいいかという事を伝えられるようになりました。しかし、それが正しかったかどうかは結果が常にいい方向に出るわけではないので、もっと掘り下げて、走る選手として、もっとセッティングを追求出来るようになりたいです。
③ APGのSL YAMAHA SSクラスのレースにシリーズ参戦させて頂いたおかげで、レースの中で、他の選手をオーバーテイクする事や、スタートで集中して、スタートダッシュで順位を上げることが出来るようになりました。
(出来なかった事)
① 練習では、レースで一緒に走る上位の選手と離されずに、ベストのタイムは近づきましたが、レース本番では、タイムトライアルで、普段の練習のベストタイムより、0.3秒から0.5秒位遅いタイムしか出せず、予選は常に後方からのスタートで、表彰台を狙うどころか、上位入賞も出来ませんでした。
② セッティングを変える事で、監督が狙っている事と、自分の感覚にずれがあります。作業として、エンジンの載せ替え・パーツ部品の交換は出来るようなっただけで、もっと、深くパーツを変えた時の違いを理解した上で、監督に伝え自分の走りに活かせるようになりたいです。
2024年の目標の達成度は、上記を考えると50%から、よくて60%位だと思います。
2. 今後に向けて取り組みたいこと
① 監督と相談をして、セッティングを行い、それに対する車両の違いや、自分の走っている感覚を、監督に伝え、監督が狙っている車両の感じと、自分の感覚のギャップを埋めるようにしたいです、そのためには、言われたままにパーツを変えるのではなく、自分で変える事の意味が分からない時には、監督に積極的に質問したり調べたりして、セッティングを変えたことの意味をまず理解して走るようにします。
② 参戦するレースのタイムトライアルにまず全力で集中したいです。特にセッティングもそうですが、タイヤの空気圧にもっと拘りたいです。練習中から、空気圧とタイム・気温・路面温度等のデータを取って、その時の自分にとって、どの空気圧がいいのか決めたうえで、監督に相談出来るようになりたいです。
③ レース中に、上手い抜かれ方・抜き方をもっと徹底出来るようにしたいです。そうする事で、前の車両や、グループに離されることなくレースが出来ると思います。2024年にレースに参戦して後方グループでバトルをやってしまい、結果順位が上がらないという事を思い知りました。今後は、抜く時よりも抜かれる時にロスなく上手く抜かれて、そこから、また前を狙うレースが出来るように集中します。
④ レーシングカートを通じて、集中力を保つことがどれだけ大事かよくわかりました。
また、その集中力もずっと保っているのも難しく、そこのスイッチのON/OFFも一つのレースで上位を狙う上で大事だという事もわかりました。カートの操作技術の向上や、セッティング等の理解を含めていくのは今後も、取り組むのは当然ですが、この集中力をどう上げて、保てるかという事も練習中から意識するようにします。
3.TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2024のアカデミー大会にスカラシップ生として参加してみて
ファイナル大会では、自分が参加していた時の気持ちを思い出して、参加者の後輩が少しでも普段の力を発揮できるように、アドバイスして、緊張しないようにするにはどうすればいいか考えて接するようにしました。自分もそうでしたが、スカラシップ生へ憧れて、目指していました。自分も、後輩たちにとって、身近な目標となれるようになりたいと思いました。
アカデミー大会では、今年新車のカートを用意して頂いて、そのシェイクダウンもお手伝いさせて頂き、新車だったので緊張しましたが、車両も壊すことなく順調に終わりよかったです。アカデミー生に声掛けするのも緊張しましたが、先輩のスカラシップ生のように、もう少し具体的にアドバイスが出来るようになりたいです。そのために自分がもっとスキルアップしなければと思いました。
ファイナル大会・アカデミー大会を通して感じた事は、設営や準備・カートの準備を含めてどれだけの大人の人が準備をしているのを、目の当たりにして驚きました。自分が参加していた時もきっと同じように準備をして頂いたのだと思うと、感動しました。これからも、タクマキッズが盛り上がっていけるように僕も努力します。
4. 主な活動内容について
<活動内容①>
■レース大会名・クラス名/カテゴリー名
2024SL APGシリーズ第5戦・YAMAHA SS-class
■場 所
オートパラダイス御殿場
■日 程
2024年10月6日(日曜日)
雨後曇り
タイムトライアル時雨
予選曇り路面ウエット
プレファイナル 曇り路面状況ドライ
ファイナル 曇り路面状況ドライ
■結 果
チーム スーパーチップス
タイムトライアル 16位/17台中
予選 13位/17台中
プレファイナル 13位/17台中
決勝 15位/17台中
■レースを振り返って
・良かった点
予選・プレファイナルとスタートで成功して順位を上げることが出来ました。
決勝もスタートで順位を上げてレース中盤で何時も上位の選手の後ろに付くことが出来て、8位まで順位を上げることが出来ましたが、一瞬の気のゆるみから、3コーナーで失敗して、一気に後ろの選手に抜かれてしまい、順位を結果スタート時から2つ下げて終了しました。
・反省点
タイムトライアル、予選ヒート時点は路面がウエットで、明らかにウエット路面の練習不足でした。ウエット路面でも練習はしていたのですが、自分の中で苦手意識があり、それの克服は練習と成功体験しかありません。
スタート時点では、かなり集中力も高く前に出る事が出来るのですが、レース中盤の集中力の保ち方と、タイヤの空気圧もレースの何処で1番いい状態にするかももっと研究していかなければ、18周のレースは戦えないと思いました。
ファイナルスタート前、監督と
〈活動内容②〉
■レース大会名・クラス名/カテゴリー名
2024SL APGシリーズ第6戦(最終戦)・YAMAHA SS-class
■場 所
オートパラダイス御殿場
■日 程
2024年12月1日(日曜日)
天候 晴
タイムトライアルからファイナルまで晴 路面状況もドライ
■結 果
タイムトライアル18位/18台中 ベストタイム43秒646
ポールポジションタイム43秒071
予選ヒート 17位/18台中
プレファイナル DNF(プレファイナル中クラッシュにより完走できず)
決勝ヒート 10位/18台中
■レースを振り返って
・良かった点
プレファイナルでDNFになってしまい、ファイナル最下位のスタートで、いい意味での開き直りもあり、スタートでかなり集中できて4ポジション位上げる事が出来ました。その後中盤で、抜かれても焦ることなく自分が抜かれまいと粘ることなく、効率よく抜かれて前のグループに離されることなく、チャンスを見てオーバーテイクする事が出来ました。前の車両のペナルティもあり、順位を8ポジション上げる事が出来ました。
決勝レースは諦めずに集中して、前の車両が警告を受けた事も分かったので冷静にレース行う事がいかに大事か、身を持って分かりました。
・反省点
タイムトライアルの失敗です。これは今年1年通じて良くなかったため、最終戦はかなり集中して、行ったのですが、結果としてタイヤの空気圧と路面温度を考えずに、タイヤの空気圧を決めてしまいました。結果、冷えた路面でタイヤに熱を入れる事も上手くいかず、最下位になってしまいました。監督からも、タイヤの空気圧とタイムの関係を考える事はセッティングの基本中の基本と教えて頂いているのに、全くこの1年上手くいかなかったので、来年はもっと考えるように普段から自分でデータを取るなどするようにします。
プレファイナルでは、最終コーナーで、自分が入られているのにアウト側で粘ってしまい、最終コーナーを曲がり切れず壁にクラッシュしてしまいました。
自分でも少し熱くなってしまい、抜かれたくないから、コーナーで粘り結果リタイアという悔しい思いをしました。監督からも再三言われている、「入られたら上手く抜かれる」という事を、徹底しなくてはいけないと思っています。逆にそれを徹底出来たから、決勝では、大きく順位を上げた事に繋がったと思います。
プレファイナルスタート前父親と共に
ファイナルレース中
ファイナルレース終了後
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