小野原 悠さんの2023年度第3回レポート

他の選手とカートで競う小野原悠さん

Glicoは、プロのレーシングドライバーを目指してTAKUMA KIDS KART CHALLENGE(タクマ キッズカートチャレンジ)に参加する子どもたちのために、もっと支援できることがないかと考えました。プロのレーシングドライバーになるには、相当な厳しい道のりと狭き門をくぐり抜けなければなりません。Glicoは、佐藤 琢磨選手と検討を重ね、子どもたちの夢への第一歩をサポートするプログラムを2020年より始動しました。
2023年度は小野原 悠さん、濱邉 誠己さんに加え、2022年TAKUMA KIDS KART CHALLENGE アカデミーで優勝した黄 海仁(ファン ヘイン)さんの活動をサポートしています。
3選手それぞれが将来の夢に向かって挑戦する様子を、各選手からレポートをいただきましたのでご紹介いたします。

【小野原 悠さんの2023年度第3回レポート】
・・・・・以下、レポート内容・・・・・

HRS-K第8回スクール 10月28、29日

初日は初めて履くD1タイヤというので走りました。履いたタイヤは、グリップが少なく曲がりづらいタイヤで、自分でマシンを曲げていくことができず、走りを変えても速く走らせることができませんでした。曲げれないのは、自分がハンドルを切りすぎていてアンダーになっていると思ったので、最後のセッションで、ハンドルを切りすぎない走らせ方を試して、自分的に良いと思う走らせ方を見つけることができました。
2日目も初日と同じタイヤで走行しました。初日から走らせ方を変えてハンドルを切りすぎないように意識して走るようにして、1周だけのタイムトライアルで、ミスなくまとめきることができ、トップタイムを出すことができました。レースではブレーキで行き過ぎたりとミスが多く安定した走りをすることが全くできず、順位をキープしていくことができませんでした。レース中のミスを減らし、タイヤに早く対応して走らせ方を変えていけるようにして行こうと思いました。

HRS-K第9回スクール 11月11、12日

初日は、前回のスクールで履いたタイヤで走りました。
初日は走らせ方やセッティングを変えて、試していて最後のセッションに、突っ込みすぎて走っているのをブレーキを少し当ててるくらいの意識で突っ込まずに、立ち上がりを意識するように走るようにすると、それまでの走りよりは良いと思う走らせ方を見つけることができました。ですが、まだまだ立ち上がりで遅れてしまったり、レースで突っ込みすぎてしまうミスが多くなってしまいました。
2日目のスクールでは、フロントタイヤだけを午前の途中でグリップの高いタイヤに変えて走りました。変えてからの1本目、2本目からV時のラインで走るのが速いと考え、早くから走らせ方を変えていくことができました。そして、レースでは、相手に飛び込む感覚が少しずつわかるようになってきました。ですがまだ簡単にクロスを取られてしまったりして結果的に抜けていないときもあるのでクロスをできるだけ取られないようにしていこうと思いました。

他の選手とカートで競う小野原悠さん2

Honda Thanks Day 12月2日

茂木のカートコースでセルジオペレス選手が講師を行う特別カリキュラムに参加しました。カリキュラム当日にペレス選手が来れないことがわかりとても残念でしたが、角田裕毅選手と岩佐歩夢選手が来てくれることになり世界で戦っているドライバーと走れることになって、とても楽しみにしていました。茂木のコースは一回も走ったことがなく当日に練習走行があり、そのとき初めて走りました。茂木はS字の速度の乗せ方や曲がりながらのブレーキなどが難しいと感じました。練習走行中に何度か飛び出してしまったりしてマシンが泥だらけになってしまいました。

・Honda Thanks Day特別カリキュラムでの練習走行:3位
練習走行では感覚もつかめてある程度良いイメージを持つことができていましたが最後の方で飛び出してしまって走りが乱れてしまいました。

・Honda Thanks Day特別カリキュラムでのタイムトライアル 6位
タイムトライアルでは飛び出してからどう走ったらいいかを少し迷いが出てしまい、うまく走ることができずに終わってしまいました。

・Honda Thanks Dayレース 6位
レースは5番手スタートでしたがスタートしてすぐに岩佐選手と角田選手に抜かれてしまって、世界で戦う人は躊躇なくいきなり来るんだと感じました。それから前との距離を詰めてバトルを仕掛けれるところまで近づきましたが、並んだ時に少し接触をしてしまって抜くことができず、そのあとも追いつくことができず6番手で終えました。トップドライバーと走って、いきなりカートに乗って走っても速いタイムを出して来るところや、迷うことなくインに入っていくところはやっぱり違うなと思いました。

HRS-K第10回スクール 12月9、10日

初日は、順走と逆走を走行しました。順走から逆走に変わるときにいきなりタイムトライアルでしたが、すぐに対応することができ、5番手のタイムを出すことができました。ですがレースでは、相手に抜かれたときにクロスをうまく取ることができず、次のコーナーでインに入って抜き返すことができないでいました。インに入られたら、すぐに次のコーナーで抜き返すことを切り替えられるようにしていかないといけないと思いました。
2日目は、リアはD1でフロントだけD5に変わりましたがかなり素早く対応することができました。2日目も逆走と、順走の両方を走りました。タイムトライアルではミスせず、まとめきることを増やしていくことができましたが、レースで抜きに行くときに相手の横でしっかり止めることができず、クロスを取られて順位を上げるどころか下げてしまう時もありました。

HRS-K第11回スクール 12月23、24日

スクール11回目が今年最後のスクールでした。初日は卒業レースでも使うD5タイヤで走行しました。
初日は自分の中でかなり飛び込んでから相手の横で止めてクロスを取られることを減らしていくことができていました。ですが、前にいて抜かれてしまった後にここでインに入ってしまったら前と離れてしまうかもという考えになってしまい待ってしまうレース展開が多くなってしまいました。

カートと一緒に写真にうつる小野原悠さん

<卒業レース結果振り返り>
・タイムトライアル 4位
タイムトライアルは相手の後ろにつかず単独で走りその結果自分のペースで走ることができてタイムを出すことができ、4番手タイムでした。

・予選ヒート 12位
予選ヒートではトップ集団でバトルをしている時に自分が周りを見れずに失速したところをイン側に入られてしまって、そのまま一気に何台も抜かれてしまい順位を大きく落とすレースをしてしまい12番手で終えました。

・決勝ヒート 8位
決勝ヒートでは、スタートを上手く決めることができ2つ順位を上げることができました。そこからずっと集団でバトルをしていましたが、残り6周くらいになったときになんとか前を抜き、集団から抜け出すことができて、単独になることができました。しかし抜くのに時間がかかってしまって、そこから前と広がった差を詰めようと必死でしたが抜くところまで近づくことはできず8位で終えました。ただ、決勝のレースではファステストラップを取ることができました。

1年間を振り返ってまとめ

今年1年をレーシングで戦って、今の自分には合うもの合わないものがあって、タイヤが変わったりした時に柔軟に対応する能力が無いことが特にわかりました。また、レース中に周りを見れていなかったり、相手に飛び込む時にブレーキで止めきれないところがまだまだ改善していかないといけないところだと思います。ですがレーシングを始めた2022年より走りの面や体の面でも成長している実感があるので2024年は2023年よりさらにがんばってこの2年間を活かした年にしていこうと思います。