濱邉誠己さんの2022年度前半期レポート

【濱邉 誠己さんの経歴と世界選手権への意気込み】

僕は、2歳の頃に初めてドリフト競技を見た時に車が普通とは違い斜めになって進んで行く姿と迫力に圧倒されドリフトが大好きになりました。

まだ幼かったので僕の記憶ははっきりしませんが、両親からの話では、自宅のパソコンでD1の動画を自分で検索して見ていたり、足けり車に乗って加速させてからハンドルを切ると同時に両足で後ろのタイヤを挟んでロックさせ、逆ハンドルを切ってドリフトをして自宅のフローリングを傷だらけにする様な子どもだったそうです。

そんな僕を見ていた両親がキッズカートの体験会に参加させてくれて、僕は最初から上手く乗ることが出来たので、4歳になった時に近くのキッズカートスクールに通わせてくれました。
僕は、やはりドリフトに憧れていたのでキッズカートでもドリフトの真似事ばかりしてカートのフレームを曲げてしまったりしていました。

当時D1やスーパーGTで活躍していた織戸選手の大ファンだった僕は、小学生になった頃に織戸選手とお会いする機会がありドリフトの練習をやっていることを伝えると織戸選手は「ドリフトはいつでもできる。今はカートを一生懸命頑張って」と言ってくれました。
それから僕は、真剣にカートの練習に取り組みました。
そのおかげもあり、レーシングカートも速く走ることが出来、同時にやっていたレンタルカートでもホームコースの木更津のサーキットでジュニアで1番速く走れる様になりました。
あのときの織戸選手の言葉に感謝です。

2017年の佐藤琢磨選手がインディ500で日本人初の快挙を成しとげた年、僕が小学4年生の時に友達からの勧めもありTAKUMA　KIDS　CART　CHALLENGE2017に挑戦することになりました。

鈴鹿で行われたファイナル大会では、普段乗り慣れているレンタルカートだったので自信もあり優勝することが出来ました。

翌週に行われたアカデミーは、何時も練習しているレーシングカートより少し速いマシンで緊張しましたが、佐藤琢磨選手の指導もあり、急制動やスラロームでマシンの限界や挙動をつかむことが出来、アカデミーでも優勝すること出来てとても嬉しかったです。

このTAKUMA　KIDS　CART　CHALLENGE2017に挑戦することにより佐藤琢磨選手の大ファンになり僕も世界で活躍するレーシングドライバーになりたいと強く思いました。

TAKUMA　KIDS　CART　CHALLENGEで自信をつけた僕は、本格的にレーシングカートのレースに挑戦することにしました。
出場したレースで入賞や優勝することは出来たのですが、レーシングカートでレースに出場し続けるには物すごく費用がかかることを知り、両親に沢山の負担をかけたくなかったので僕は、レーシングカートを諦めて金銭的負担が少なくて済むレンタルカートのレースをすることにしました。

レンタルカートのレースは、フランスのカートメーカーのSODIがSODIワールドシリーズ(SWS)として世界各国でシリーズ戦を開催し各国のシリーズランキングトップの選手を年に1回集め世界一を決める大会を行っています。

僕は、2017年にSWSジュニアの日本シリーズのトップになったので日本代表として翌年の2018年にイタリアで開催された世界戦に参加しました。
初の海外でこんな大きな大会にとても緊張しました。
僕が参加したクラスは、ジュニアの中の軽量なクラスでした。
参加台数は20台。タイムトライアルで4番手タイムまで行くことはできたのですが、決勝のレースでは、みんなの本気度、迫力に飲まれてしまい、弾き飛ばされ結果11位でレースを終え「これが世界か～」と思い知らされました。
悔しいレースでしたが世界各国の代表と戦えたこと海外の友達も出来て僕にとってとても良い経験が出来ました。

2018年も日本代表になることが出来て翌年2019年に昨年と同じイタリアのサーキットで開催された世界戦に参加しました。
2回目の世界戦、しかも昨年と同じサーキットということもあり少し自信もあったので、みんなの迫力に飲み込まれない様に強気で自分の走りに集中しました。
結果フリー走行でトップタイムをマークすることが出来ました。
しかしレースはそれほど甘いものではなく、トップタイムを出したことでみんなにマークされることとなりました。
タイムトライアルで僕のスリップをもらおうと僕の後ろに列が出来てしまい全セッションのタイムトライアルでトップタイムを出すことが出来ませんでした。
最終の決勝のグリッドは、5番手に沈みましたが諦めず果敢に強気で攻めレース後半では3番手でのトップ争いに加わることが出来たのですが、1位にはわずかに届かず3位となりました。
3位表彰台を獲得出来たことにみんなは喜んでくれましたが、僕にとっては凄く悔しいレースとなりました。

2019年のSWSシリーズ戦もトップで終え日本代表の座は勝ち取ったのですが、翌年2020年にドバイで開催予定だった世界戦はコロナの影響で中止となりました。

2020年の国内のSWSシリーズ戦は、僕も成長期で年下のジュニアの子と20キロ近くのウエイト差が出来、簡単には勝つことができなくなり、再度自分の走りを見直し無駄な操作を無くし立ち上がりを重視するなど工夫して、なんとか日本代表を勝ち取ることは出来たのですが、またしてもコロナの影響で日本からの参加が出来ませんでした。

2021年僕がジュニアでSWSシリーズ戦を戦い世界戦を目指せるのも最後の年となりました。
この年からキャリーウエイト制が導入されたのですが、既に僕は規定のウエイトをオーバーしていたので依然苦しい戦いを強いれられました。
この年は、僕のホームコースのハーバーサーキット木更津でSWSジュニア初となる全国大会が開催されました。
全国大会は参加人数が48名と多くシリーズ戦のランキングポイントを大きく左右するレースとなり僕はこの大会で勝たないとシリーズトップを終えることが出来なくなるため負けられない大事な一戦となりました。
負ける訳にはいかない僕は、ウエイトの差を少しでも無くすために苦しい減量して全国大会にのぞみました。
大会当日は、雨が降ったり止んだりと天候に翻弄されレース1とレース2を落としてしまい、もう駄目かなと思いましたが、決勝3番グリッドを獲得できたので雨の中の決勝を自分の精一杯の走りで頑張ろうと思い決勝にのぞみました。
スタート直後1コーナーで2台をかわしトップに立つと後続を引き離し7秒の大差をつけ優勝することが出来て本当に嬉しかったです。
今までの僕の頑張りが報われた感じがして思わず目頭が熱くなりました。

これでSWSジュニア日本一を手にすることが出来てジュニア最後の日本代表も獲得すること出来ました。
とってもとっても嬉しい勝利でした。

レンタルカートと言うこと軽く見られがちですが、レンタルカートは安全に簡単に楽しむことができて気軽にレースにも参加することができます。さらに、レースをすると奥が深く、世界戦のとてもレベルの高いレースにも参加できる可能性があるとても楽しくてやりがいのあるモータースポーツだと思います。

レンタルカートの素晴らしさを沢山の人に知ってもらいたいので、僕は自ら世界に挑戦し後輩にアドバイスをしたりTAKUMA　KIDS　CART　CHALLENGEのお手伝いをしています。TAKUMA　KIDS　CART　CHALLENGE
モータースポーツを身近に感じてもらいモータースポーツ界全体が盛り上がり日本全体が元気になって欲しいと思います。

2022年はGlicoさんからサポートして頂きSWSの世界戦に挑戦させて頂くことになりました。

今年の世界戦は、フランスのパリで行われます。
コロナの影響もまだありますが参加出来ることをありがたく思います。

今年は、Glicoさんのサポートのおかげで十分に練習をすることもできて、ほとんど不安を抱えること無く世界戦に挑むことが出来ます。
全国大会の時に絞ったウエイトも筋トレとGlicoさんのプロテインの力を借り、8キロも増やすことができ、ジュニアの重量クラスで不安なく戦えます。Glicoさんには本当に感謝しています。ありがとうごさいます。

次回良い報告ができますように日本の代表としてだけではなく、TAKUMA　KIDS　CART　CHALLENGEの代表、TAKUMA　KIDS　CART　CHALLENGEアカデミーの卒業生として精一杯戦ってきますので応援のほど宜しくお願い致します。

【プロフィール】
名前：濵邊　誠己（はまべ　まさき）
年齢：15歳
学年：中学3年生
出身地：千葉県
カートを始めた年齢：4歳

戦歴：
＜SWS＞
2016 日本二位 世界61位
2017 日本一位 世界38位
2018 日本一位 世界61位
世界大会 11位

2019 日本一位 世界29位
世界大会 3位
2020 日本二位 世界37位
2021 日本一位 世界7位
SODI JAPAN CUP 全国大会 優勝

＜Takuma Kids Kart Challenge＞
2017 FINAL 優勝／Academy 優勝