小野原悠さんの2022年度前半期レポート

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Glicoは、レーシングドライバー・佐藤琢磨選手が中心となり、東日本大震災の復興を応援すべく2011年にスタートした復興地応援プロジェクト“With you Japan”とともに、 “TAKUMA KIDS KART CHALLENGE(以下、TKKC)”を2014年より毎年サポートしています。
その参加者の中には、プロのレーシングドライバーを夢見る子どもたちも多く、Glicoとしてさらなる成長支援ができないかと考えました。プロのレーシングドライバーを目指すには、相当な厳しい道のりと狭き門をくぐり抜けなければならず、佐藤琢磨選手と検討を重ねた結果、プロのレーシングドライバーを目指す上での第一歩をサポートするプログラムを始動。3年目となる2022年は、瀧口純輝(たきぐち じゅんき)さん・小野原 悠(おのはら ゆう)さん・濱邊 誠己(はまべ まさき)さんの活動をサポートしています。瀧口さんは今年で3年目のサポートで、鈴鹿選手権に挑戦。小野原さんは本年からのサポートでHRSでドライビングスキルを向上。濱邉さんはパリで行われる世界選手権に挑戦。3選手それぞれが将来の夢に向かって挑戦する様子を、各選手からレポートをいただきましたのでご紹介いたします。

【小野原 悠さんのこれまでの経歴と前半期レポート】
僕が初めてカートに乗ったのは2019年、小学4年生のときでした。鈴鹿サーキットのゴーカートに乗りとても楽しいと思いました。それからお父さんにたくさん乗れるところを探してもらいISK 大阪舞洲店に連れて行ってもらいました。そこで走ったのがとても楽しくて、それから毎週のようにISK舞洲店で走行をしました。それからTAKUMA KIDS CART CHALLENGE2019があるのを知りファイナル大会に出場するためにタイムトライアルと練習をたくさんし、タイムトライアルをなんとか突破できました。

カートを運転している小野原さん

ファイナル大会当日、予選で結果が振るわず、決勝にいくことができませんでした。予選グループのレースでは2位の子を抜こうとしたときに相手に当たりそうになりブレーキを強く踏んでしまい、スピンをして最下位で終わってしまいました。とても悔しくて、それから全力で練習に励みました。
2019年の終わりごろにはドライビングシミュレーター(LAPS)の練習もはじめました。3ヶ月ほどかけてヒールアンドトゥができるようになりました。

カートシミュレーションを実施する小野原さん

2020年からISK舞洲でSODIのカートでのジュニアレースが行われるようになり、レースに出場してバトルや駆け引きの腕を磨いていきました。とても1レース1レース意味のあるレースだったと思います。そして接戦でしたが、なんとかそのジュニアレースの初代チャンピオンになれました。とても嬉しくそれまでまったくレース経験が無かったのでとてもいい経験になりました。
 しかしTAKUMA KIDS CART CHALLENGE2020はタイムトライアル期間中に手首を骨折してしまいファイナルに出れるか心配でしたが、無事に完治し出場も決まり今度こそ勝つぞという思いでしたが新型コロナウイルスの影響でファイナルが中止になってしまってとても残念でした。
 それから2021年から宝塚カートフィールドで2stエンジンのカートに乗り始めました。また、堺カ-トランドでも練習を始めました。これまでの4st エンジンのカートと違ってとても速く加速がすごかったのでびっくりしました。2stエンジンのカートはとても体力を消費するので体力を段々つけていきました。2021年は6年生で今回がTAKUMA KIDS CART CHALLENGEに出れる最後だったので必死に練習をしました。2021年もISK舞洲のジュニアレースに出て、さらに宝塚カートフィールドの2stエンジンでのレースにも出ました。TAKUMA KIDS CART CHALLENGEのアカデミーでは2stエンジンのカートをつかうので、2stエンジンでのバトルや競り合いはとても速度がはやい状態なのでとてもいい経験になったと思います。そのほかにも各地のレースに出てバトルを経験していきました。TAKUMA KIDS CART CHALLENGE に出場する子がたくさん出場するということで前哨戦と思い挑んだ日本で初めて開催されたSODIのジャパンカップジュニア全国大会にも出場ました。決勝は雨のコンディションで結果は3位という成績でしたが、勝てたかもしれないレースで悔しい思いもしました。

ヘルメット被って写真をとる小野原さん

そして、TAKUMA KIDS CART CHALLENGE 2021ファイナルは、94名の参加者がいて、5分間の練習走行と、5分間のタイムトライアルがありました。そのタイムの結果で予選のレースの組とその組の順位が決まりました。予選では2番手スタートで、かなり抜くのに苦戦をしました。それでもなんとか抜くことができ1位でフィニッシュでき、決勝に進むことができました。
 決勝では2番手スタートで結果はそのままの順位、2番手でチェッカーを受け、アカデミーへの出場権をかけた最終レースに出場できることになりました。
最終レースでは6番手スタートでした。スタートで1人抜くことができ、更に前の子を抜き4番手でフィニッシュできました。トップ10に入れたのでアカデミーに行けることが決まったのでとても嬉しかったです。

カートを運転している小野原さん②

1か月後のアカデミー当日、最終レースで勝ち残った上位10名と走り、佐藤琢磨さんからの直接指導も受けられるということなのでさらに緊張をしていました。アカデミーで使うMicroMAXのというカートは、一度も走ったことがなく、どう走ったらいいかとても不安でした。
午前中はスラロームとホームストレートでのフルブレーキングの練習から始まり、次にプラクティスをしました。プラクティスでは車の曲がり方や速度に慣れることができました。特にホームストレートでのフルブレーキングを練習したおかげでブレーキはすぐに慣れることができました。午後はプラクティス、タイムトライアル、模擬レースがありました。午後のプラクティスではかなりマシンに慣れることができ、タイムも午前のプラクティスよりあげることができました。タイムトライアルでは自分の持っている力を全力を出し切り1位のタイムを出すことができました。決勝は一度2番手に下がってしまいましたが、その次の周の1コーナーのブレーキングで抜くことができました。そのまま1番手でチェッカーフラッグを受けることができました。その時はとても嬉しかったです。

佐藤琢磨さんと打合せをする小野原さん

それからHonda Racing School-Kart (HRS-K)の面接を受けました。佐藤琢磨さんと話すのでとても緊張をしていました。しばらくして1月に合格通知が届きました。うれしい反面、日本のトップレベルの人たちが集まるHRS-Kでどこまでついていけるか、とても気になっていきました。

スクールが始まる前に少しでもスクールで使用するカートに慣れたいと思いました。With you Japanの飯沢さんから、エイワ・レーシング・サービス(ERS)の山本さんを紹介していただいたとお父さんから知らされました。そして山本さんから直接アドバイスもしていただき、2月に瑞浪・3月に鈴鹿南サ-キットをJrMAXで練習することができました。今までのカ-トとは全然違い、マシンのスピ-ドなど慣れるのにも苦労しましたが、スクールの前に乗れたのはすごくいい経験になりました。

■HRS-K第1回スクール

スクールに行くとき、不安と緊張でいっぱいでした。ですが同時にワクワクもありました。入校式が終わり午後から走行がありました。エンジンの慣らし走行を終えてから、普通に走行をしました。初めて鈴鹿南コースを走ってみて、とても難しくテクニカルなコースだと思いました。
2日目は模擬レースをしました。タイムアタックでは最下位のタイムでした。レースでは順位を2つ上げることができ、15位で終わりました。レーシングカートでのバトルはとても難しく、苦戦をしました。
3日目も模擬レースがありました。タイムトライアルでは1番手のタイムを出すことができました。レースではスタート直後に行き場がなくなり、接触してしまったことで順位を大きく下げてしまいました。最終的に12位になりました。初回のスクールの3日間を終えて、バトルの弱さや集中力がなくタイムを安定して出せなかったこと、レース中のペースが遅く前に追いつくことができないことなど、いろいろな課題が見つかりました。ですが鈴鹿南コースやマシンに慣れることができました。

■HRS-K第2回スクール

1日目は午前中は練習で午後は模擬レースがありました。レースでは抜くどころか追いつくことができず、集中力も切れていたと思います。
2日目の模擬レースでは順位を2つ上げることができ14位でした。前の人と同じぺ-スで走れ、バトルや競り合いなどができたのでとてもいい経験になりました。
3日目は逆走でのレースといつものコースでのレースがありました。逆走ではタイムトライアルで11位のタイムでした。レースでは順位を1つ上げることができ、10位でフィニッシュしました。前にもついていくことができ、いい経験になったと思います。
いつものコースでもタイムトライアルの順位から1つ順位を上げることができ、11位でフィニッシュしました。前回のスクールで課題であった前に追いつくことができたのでいい経験となり、自分的には良かったと思います。
この3日間で段々とバトルや競り合いに慣れることができてとても良かったと思います。

カートと写真をとる小野原さん

【プロフィール】
名前:小野原 悠(おのはら ゆう)
年齢:13歳
出身地:大阪府
カートを始めた年齢:10歳(小学4年生)

2019年、10歳でカートを始める。TKKC2019 ファイナル25位。2020年 舞洲ジュニアカートシリーズ 全7戦2勝 初代チャンピオン。 インタープロトeシリーズ総合6位。
2021年TKKC2021アカデミー優勝。舞洲ジュニアカートシリーズ 全7戦5勝 2年連続チャンピオン。宝塚カートフィールドスパルコカデットカップ 全11戦8勝 年間チャンピオン。SWSジュニアカップ 年間ランキング全国4位(参考5)・世界39位 SODIジャパンカップフェスティバル2021ジュニア全国大会 3位。
JuniorDriveに参加し、岡山国際サーキットのライセンスを取得。現在、HRSの2022年度カートプログラムを受講し、その傍ら86やSuper-FJで4輪の練習中。