酵母入りビスケット「ビスコ」の名前の由来は?

「酵母入りビスケット」って知ってた?

キャラメル菓子「グリコ」は、栄養素“グリコーゲン”の頭3文字で、グリコ。
それなら「ビスコ」にも、深い意味がありそう。パッケージには「おいしくてつよくなる」って。「ビスコ」はどうして「ビスコ」っていうのか知っていますか。

お腹の調子を整える“酵母”が生きています!

栄養菓子グリコに引き続き、“栄養菓子”として、江崎利一が取り組んだのが、ビスケット。酵母に、胃腸の機能を良くし、消化吸収作用を盛んにする効果があると知るや、ビスケットに入れることを考えました。でも酵母は生き物。ビスケットを高温で焼く段階で死んでしまいます。「クリームビスケットにして、クリームに酵母を入れてはどうだろう?」それでも、クリームを作る際に、砂糖を溶かし水分を除くために長時間加熱することで、酵母やビタミンは半減してしまいます。そこで砂糖の量を減らし、ヤシ油(今、話題のココナッツオイル!)を加える新しい方法を考案。加熱時間を短くし、生きた酵母をクリームに含ませることに成功。

利一は、酵母が入った体にいい“栄養菓子”、と分かる商品名を思案しました。酵母が入ったビスケットだから「酵母ビスケット」、略して「コービス」、前後入れ替えて「ビスコ」!こうして、ビスコというは誕生しました。
※現在のビスコは、「酵母」ではなく「乳酸菌」が入っています。

誕生から80年以上。ビスコ坊やも世代交代、一段とおいしく、栄養面も強化

ビスコの誕生から80年以上たちました。パッケージにはおなじみの「ビスコ坊や」。おなじみ、と言っても、今のビスコ坊やは5代目。20代~40代のママ&パパが子どもの頃は、3代目と4代目。時代の移り変わりに合わせてビスコ坊やも世代交代してきました。でも、ぷっくり膨らんだ頬っぺ、かわいいえくぼ、こっちをまっすぐ見る瞳、おいしいね、うれしいな、愛らしい表情は変わっていません。

2005年には、製法もリニューアル。ビスケットの配合を変えて、口どけがよくなりました。また、クリーム量を増やし、ビスケットを薄くして、クリーム感もアップ。乳酸菌の量も増やして、栄養面も強化されました。ビスコは一段とおいしく進化しているのです!

ビスコは、発売後80年目の2011年度に、過去最高の売上を記録したそうです。新しいお菓子が次々発売されているのに!“酵母が入った栄養菓子”と、知らないで食べている人も多いのでは?体にいいから、ではなく、おいしいから、食べています。それで全く構わないけれど、利一さんの想いを知った以上、今度、ビスコを食べる時は、「酵母が入っているから“ビスコ”って言うんだよ」、って、子どもやお友達に教えてあげようと思っています。