4.食品廃棄物の削減

Glicoグループ環境ビジョン2050中長期環境定量目標

環境ビジョン2050進捗(グローバル)

2024年度、食品廃棄物総廃棄物の削減率は+379%と大幅に増加する結果となりました。これは2024年4月からの基幹システム更新、稼働時のトラブルに伴いチルド製品が販売休止となった際に、使用できなかった原料や製品の廃棄量が大幅に増加し、適切に食品リサイクルできなかったためです。今回の結果を教訓として、今後も引き続き2030年の95%削減に向けて、食品廃棄物の削減や発生抑制に努めていきます。サプライチェーンの効率化や需給予測精度の向上、トラブルの防止等、廃棄が発生しない取り組みに注力するほか、商品の微細な欠け等、品質に問題がない商品をふぞろい品としてアウトレット販売や、飼料や肥料へのリサイクル、メタンガス発酵によるバイオマス発電など循環再資源化の取り組みを行うことにより、2050年までに食品廃棄物を95%削減することを目指します。

考え方

フードロスとフードウェイスト

Glicoでは食品廃棄物を、工場などの生産設備から生じる「フードロス」と、製品の売れ残りや食べ残しから出る「フードウェイスト」の2つに分けて、それぞれ削減に向けた取り組みをしています。
フードロス削減策として、例えば新商品の量産に向けて生産設備を立ち上げる際のロスを減らすなど、まずは廃棄を減らすことに優先的に取り組んでいます。また、全工場をあげてリサイクルレベルの質的向上に取り組んでおり、これまで熱源としてリサイクル(サーマルリサイクル=廃棄物を焼却する際の熱エネルギーを利用するリサイクル)していたものを食品リサイクルとして炭化処理やメタンガス発酵により再利用するほか、肥料や家畜の飼料として再利用しています。
一方、フードウェイスト削減については、製品の売れ残りが出ないように需給業務の精度向上に努めているほか、製法や包材を工夫して賞味期限の延長を実現することによって、廃棄される商品を減らす取り組みを行っています。さらに、家庭から出る食品廃棄物(生ごみ)を社員が自らコンポストを活用して堆肥化するプログラムを実施するなど、循環社会の実現に向けて取り組んでいます。

フードロス削減取り組み

ふぞろい品の販売

ふぞろい品の商品画像

Glicoグループでは、工場での製造過程で、出荷良品基準を満たさなかった部分については、飼料や堆肥にリサイクルしたり、溶かして製品原料として再利用したりするなどして、フードロス削減に取り組んでいます。さらに、風味などの基本的な品質は満たしているものの、形状に欠けや割れ、折れがあるなどの規格外商品を「ふぞろい品」としてアウトレット販売しています。
※販売場所・時期については不定です。

製造工場における取り組み

工場ラインのイメージ写真

Glicoグループでは従来から、工場における「ゼロエミッション(生産活動から出る廃棄物のうち最終埋め立て処分にする量をゼロにすること)」を目標に取り組んでいます。 日本の食品リサイクル法で食品製造業のリサイクル率目標は現在95%と定められていますが、Glicoグループの国内工場の平均リサイクル率は、2013年以降95%達成を継続しています。工場はロスの発生抑制が最優先ですが、発生した食品廃棄物についてはその性質を考慮しながら適切なリサイクル方法を検討し、飼料・堆肥等の原材料としての利用や、メタン発酵によるガスや発電エネルギーの利用等、さまざまな形で循環資源として活用されています。

神戸工場 食品リサイクル・ループ

神戸工場では、工場から出る廃棄物を活かして新たな資源や食品を生み出し、それを再びGlicoが活用する「食品リサイクル・ループ」取り組みを定期的に行い、従業員の廃棄物対策への意識向上につなげています。
神戸工場で廃棄となったビスコを工場内で粉砕し、豚のエサとして飼料会社に提供しています。その飼料を食べて育った豚の一部を私たちが買い付け、神戸工場の従業員向け食堂や隣接する保育園「こどもぴあ」の給食メニューとして出しています。また、廃棄物として発生したカカオの皮を肥料化し、「こどもぴあ」園内で子どもたちが育てている家庭菜園で使用し、採れた野菜を保育園の昼食で提供しています。こうした取り組みが評価され、2020年には第14回キッズデザイン賞を受賞しました。
≫「神戸工場 食品リサイクル・ループ」についてはこちら
≫「第14回キッズデザイン賞」についてはこちら

飼料化した廃棄ビスコを食べて育った豚肉のメニュー(左)・隣接保育園「こどもぴあ」で採れた野菜(右)

飼料化した廃棄ビスコを食べて育った豚肉のメニュー(左)・隣接保育園「こどもぴあ」で採れた野菜(右)

フードバンクへの寄贈

食品メーカーとして、廃棄される食品を削減するため、製造工程で発生する廃棄物の削減に注力する等の取り組みの他、フードバンクへの商品寄贈を行っています。

2024年度は連携するフードバンクを増加しました。今後もさらに食品ロス削減に取り組んでいきます。

フードウェイスト削減取り組み

賞味期限の延長と年月表示化

賞味期限表示の変更を示した画像

  カレー商品の賞味期限表示

賞味期限とは、おいしく食べられる期限のことを表します。この期限を過ぎたらすぐに食べられなくなるというものではありません。Glicoグループでは製造管理、品質管理を徹底し、賞味期限を設定しています。
賞味期限が長い商品については、品質劣化のスピードが遅く、消費段階で日付管理をする意味が乏しいと考えられるため、日付で表示してきた賞味期限を年月表示に切り替えることに、Glicoグループは早くから取り組んできました。商品グループごとに賞味期限を設定し、菓子・食品カテゴリーのほぼすべての商品について、年月表示へ切り替えました。この取り組みは、食品ロス削減だけでなく、商品配送時・管理時の業務効率化にもつながっています。

Glicoの保存食「賞味期限お知らせシステム」

賞味期限お知らせシステムの対象商品写真

Glicoの保存食(ビスコ保存缶、カレー職人)の賞味期限が切れる前にメールでお知らせするサービスを提供しています。いざという時に必要な保存食を、賞味期限が切れる前に消費していただくよう促します。
≫「賞味期限お知らせシステム」はこちら
≫「江崎グリコの防災備蓄品」についてはこちら

セールスにおけるリサイクル促進

江崎グリコセールス部門で発生する廃棄商品については、2002年度から再資源化に取り組み、飼料や肥料へのリサイクルを進めています。

コンポストで生ごみから堆肥づくり 「食の循環」を社員が実践

食品廃棄物削減と「食の循環」を社員が自ら体感するプログラムを2023年より実施しています。

食の循環

コンポストを活用し自宅で食品廃棄物(生ごみ)から堆肥をつくる→その堆肥を地域の農家と連携し使用いただく→育てていただいた農作物を社員が収穫に行く→自宅で料理に使いまた生ごみをコンポストへ、といったプログラムに2023年からの2年間で100名の社員が参加しました。プログラムを通じて生ごみを約1,271kg削減するとともに、参加者の80%以上がライフスタイルへのポジティブな変化や健康への効果(保持・増進)を感じる結果となりました。

参加者からは「自分で作った堆肥を栄養に、野菜が育っているのを見て感動した」「五感をフルに使って自然と触れ合う経験が子どもたちの心のゆたかさに寄与していると感じた」「生ごみは、焼却される廃棄物ではなく、資源になりうるものであることに気づかされた」といった声が寄せられました。今後も社員が自ら体感することで、事業への理解深耕と行動につながるプログラムを目指していきます。

食品ロス削減啓発コミュニケーション

食品ロス削減をテーマにしたレシピ募集

レシピクラブサムネイル画像

「レシピクラブ」 は、「美味しく、健康に。毎日を彩るゆたかな食事」をコンセプトに、Glico商品を活用したレシピをWEB上で掲載している人気コンテンツです。「食品ロス対策」レシピも多数掲載しており、 継続して食品ロス削減を実践していただく機会を提供しています。
≫「With Glico レシピクラブ」はこちら

食品ロス削減を学ぶイベント「WITH GLICO もったいない広場」を開催

Glicoの会員制コミュニティサイト「with Glico(ウィズ グリコ)」において、「食品ロスの削減」についてより多くの方に興味を持っていただくため、2日間にわたり、おいしく、楽しく、食品ロス削減に関して学ぶことができるイベント「with Glico もったいない広場」を開催しました。イベントでは、味や安全性に問題がないものの、形が不揃いであったり小さな傷があったりするために一般流通しない「規格外野菜」を具材とした「ふぞろい野菜のカレー」を数量限定にてご提供したほか、食品ロスの現状やGlicoグループの食品廃棄物削減に関する取り組みをご紹介したパネル展示を行いました。 今後もGlicoグループでは消費者の方にも楽しく食品廃棄物削減に取り組んでいただけるような活動を目指していきます。

国連WFP協会「#ごちそうさまチャレンジ」協賛

国連WFP協会「#ごちそうさまチャレンジ」は、「食品ロス」と「飢餓」という2つの食料問題への関心を促し、さらに食品ロス削減の取り組みを通じて「寄付」ができるSNSキャンペーンです。ごちそうさまポーズや食品ロス削減の取り組みを指定ハッシュタグ「#ごちそうさまチャレンジで飢餓をなくそう」を付けてSNS(X、Instagram、Facebook)に投稿し拡散する取り組みで、2024年は155,404件の寄付対象アクションが集まり、21万人に学校給食を届けられることとなりました。(国連WFP協会)Glicoグループはこの取り組みに賛同し、協賛しています。