人権の尊重

Glicoグループ人権方針の策定・プロセス

Glicoグループでは、事業を展開する上で、役職員のみならず、全てのステークホルダーの人権を尊重することが重要であると考えています。
この考えの下、Glicoグループはこれまでも「Glicoグループ行動規範」に基づき人権を守る活動を行ってきましたが、この度、その考えをさらに進めて、グローバルスタンダードである2011年の国連人権理事会で承認された「ビジネスと人権に関する指導原則」に則した「Glicoグループ人権方針」を策定し、これに準拠した人権尊重を進めることにしました。
「Glicoグループ人権方針」は、2019年8月にグループ内に横断的なプロジェクトチームを発足させ、各担当部門がグローバル企業に求められる広範な人権課題への理解を深め検討を行う一方で、グループ外の専門家からもアドバイスをいただきながら、グローバル企業としての責任を果たすべき指針として策定されました。
本方針に基づき、役職員のみならず、全てのステークホルダーの人権を尊重するために、Glicoグループでは、サプライヤー等のビジネスパートナーを含むバリューチェーンの皆さまにも「Glicoグループ人権方針」への理解と支持を求めていきます。

Glicoグループ人権方針

Glicoグループはグローバルに事業を展開するうえで、役職員(※)のみならず、全てのステークホルダーの人権を尊重することが重要であると考えています。こうした考えに基づき、この「Glicoグループ人権方針」において基本的人権の尊重に関する Glicoグループの取り組み方針を定め、役職員によって遵守してまいります。併せて、「Glicoグループ行動規範」の中でも、役職員一人ひとりが基本的人権を尊重することを宣言しています。

さらに、Glicoグループとして、サプライヤー等のビジネスパートナーを含むバリューチェーンの皆様にも本方針への理解と支持を求めていくものです。

これをもって、持続可能な社会を実現するための模範となるよう、取り組みます。

※本方針において「役職員」とは、Glicoグループの取締役、監査役、執行役員および従業員(契約社員、派遣社員、パート・アルバイト社員を含む)を意味します。

1. 人権の尊重

1) Glicoグループは、「国際人権章典(世界人権宣言と国際人権規約)」「労働における基本原則及び権利に関するILO宣言」といった人権に関する国際規範や「ビジネスと人権に関する指導原則」を支持します。また、Glicoグループの親会社である江崎グリコ株式会社は、国連グローバル・コンパクトに署名をしており、Glicoグループ全体でその10原則を支持しています。

2) Glicoグループは、事業活動を行う全ての国・地域において、自らの活動に関連する法令・ルールを理解し、これらを遵守します。万が一、同国または同地域の法規制が国際的な人権規範と一致しない場合、相反する場合、或いは同国または同地域において人権に関する法規制が存在しない場合は、国際的な人権の原則を尊重するための方法を追求します。

2. 事業活動に関わる重要領域

1) Glicoグループは、自身による研究開発・調達・商品やサービスの提供をはじめとする全ての事業活動が、潜在的にまたは実際に人権へ影響を及ぼす可能性のあることを認識しています。

2) Glicoグループは、事業活動に関連する以下の取り組みが、人権尊重の重要な要素であると認識し、同取り組みを推進し実行していきます。なお、これらの取り組みは、Glicoグループの事業活動が大きな影響力を持つ領域から推進します。

(a) 労働における基本原則および権利に反する「強制労働」および「児童労働」を容認せず、これらを利用しません。

(b) 年齢、性別、性的指向、性自認、性表現、障がいの有無、信条、人種、国籍、民族、宗教および社会的身分その他の状況を理由とする差別を行いません。

(c) 各国・各地域で働く一人ひとりが多様な個性や能力を発揮し成長することができるよう、適正な労働環境の確保に努めます。

(d) 各国・地域の法規制等に基づく結社の自由と団体交渉権等について労働者の権利を尊重します。

3. 人権デューデリジェンスの実施

1) Glicoグループは、自らによって、またはサプライヤー等のビジネスパートナーを含むバリューチェーンにおいて、人権侵害を起こさず、また人権侵害を助長しないように努めます。加えて、国連が定める「ビジネスと人権に関する指導原則」に従って、その事業活動に関係する人権への負の影響を特定し予防または軽減を目的とした検証を継続的に行います。

2) Glicoグループまたはバリューチェーンにおいて人権侵害を引き起こした場合、または、それを助長したことが明らかになった場合に、適切かつ効果的な救済措置を講じ、どのように対処したかを伝えるプロセスの構築に取り組みます。

3) Glicoグループは、自身の事業活動が実際にまたは潜在的に及ぼす人権への負の影響について、関連するステークホルダーを認識し、人権への影響に適切に対応していくために、ステークホルダーからの視点が必要であることを考えています。Glicoグループは、ステークホルダーの皆様の意見に誠意をもって耳を傾け、適切なタイミングで事業活動に関連する人権課題を共有していきます。

4. お問い合わせ窓口

1) Glicoグループでは、其々の国や地域の法令・ルールまたはGlicoグループ人権方針をはじめとするグループ内規程に違反する可能性を認識した役職員やそれを疑う役職員が、不利益を被る危険を恐れることなく会社に真摯な懸念を伝えることのできる内部通報窓口の重要性を認識しております。その一環として、Glicoコンプライアンスホットラインのグローバルでの設置を進めており、人権に関係する報告や内部通報を行った役職員に対して如何なる不利益な取扱いも行いません。

2) Glicoグループでは、お客様をはじめとする外部のステークホルダーの方々からのご指摘や助言に対し、人権の問題に関するお問い合わせ窓口を設置し、それらを真摯に受けとめ、人権問題への取り組みをはじめとする事業活動の向上に生かします。

5. 啓発活動

Glicoグループは、人権に関する各項目につき、役職員の意識を向上させるための啓発を行います。また、ビジネスパートナーにも同様の啓発を期待します。

6. モニタリングと報告

Glicoグループは、このGlicoグループ人権方針の遵守状況を継続的にモニタリングし、必要に応じて、遵守状況の改善に努めます。Glicoグループは、モニタリングにより特定された問題やそれへの対応等、必要な情報は、WEBサイトやCSR報告書等を通じて、定期的に開示をしていきます。

7. 責任者

このGlicoグループ人権方針におけるコミットメントの実現およびそれに向けた取り組みに関するGlicoグループでの監督責任は、江崎グリコ株式会社の代表取締役社長が担います。


制定 2020年7月
改訂 2023年9月


>> Glicoグループ人権方針

①プロジェクト発足
2019年8月にグループ内に、グローバルで横断的なプロジェクトチームのメンバーによる人権方針策定プロジェクトを発足しました。

②ベンチマーク分析
専門家のアドバイスを得ながら、国内外の先行企業の人権への取り組み状況を確認し、取り組むべき事例等の理解を深めました。

③人権リスクの洗い出し
専門家のアドバイスを得ながら、製造業に関連し、かつGlicoグループが事業や調達を行う地域で想定される人権上のリスクの洗い出しました。

④人権方針ドラフト作成
「指導原則」他に準拠し、各事業に照らし対処すべき人権課題や長期的な取り組みへのコミット等を盛り込んだ人権方針のドラフトを作成しました。

⑤ステークホルダーダイアログ
人権課題への取り組みに関わる有識者とプロジェクトメンバーでダイアログを行い、人権方針についてアドバイスをいただき、本方針に取り入れました。フィードバックは以下の通りです。有識者とは継続的に対話を通じた関係を構築予定です。

<ご意見をいただいたステークホルダー>

項目 主なフィードバック
0.前文 ・過去をなぞるだけでなく未来を見据えて、新たなチャレンジがあると良い。
・事業活動に限らず、人権侵害のない持続可能な社会構築に貢献する旨を宣言することを推奨する。
3.人権デューデリジェンスの実施 人権デューデリジェンスの目的は、人権方針策定から、モニタリング、救済、ステークホルダー・エンゲージメント、開示までを含めた一連の継続的な取り組みである。表現を工夫すべきである。
4.お問い合わせ窓口 社内外のステークホルダーから人権侵害を通報できる仕組みを構築するのみならず、情報開示まで行うことが重要である。
5.啓発活動 啓発活動においては、役職員一人一人が人権課題の危険性を理解し、自ら行動を起こせるようになるのが重要である。

2020年4月人権課題への取り組みに関わる有識者とプロジェクトメンバーとのテレビ会議を通じたダイアログを実施

⑥取締役会での議論を経て策定
「指導原則」に準拠し、取締役会での議論を経て、策定しました。

従業員の人権を守るための取り組み

Glicoグループの役員・従業員一人一人による法令違反や社内規程への違反行為の未然防止と早期発見を目的として、「Glicoコンプライアンスホットライン」を設けています。違反またはその疑いを発見した者は、自身が不利益を被る危険を懸念することなく会社に通報することができます。通報に対しては、経営陣から独立した調査機関が調査・対応します。実名通報、匿名通報、半匿名通報の3つのパターンがあり、Glicoグループにおけるパート・アルバイト等を含む全ての役員・従業員が利用可能です。

人権に関する社内啓発

Glicoグループ全従業員を対象に、「人権」に関するグローバルスタンダードや基礎知識を習得し、「Glicoグループ人権方針」への理解をより深め、実践に移していただくことを目的とした人権eラーニングを実施しています。