第7回ウェルネスキャンパス「毎日カンタン習慣で整える睡眠」セミナー

第7回ウェルネスキャンパス バナー画像

健康に重要な3つの要素「運動」「栄養」「休息」について楽しく学べる場を
お届けするオンラインセミナー、with Glico ウェルネスキャンパス。第7回は、3月18日の「春の睡眠の日」にちなんで「毎日カンタン習慣で整える睡
眠」セミナーをオンラインにて開催しました。(実施日2022年3月17日)

【1】ゆらぎ世代の女性の悩みと、睡眠の関係についてディスカッション。
【2】眠りの質と肌の感覚は関連している!?睡眠不足が招く美容の悩み。
【3】みなさまから届いた「睡眠に関する質問」への回答。
【4】「GABAに関する研究結果」を報告。
【5】GABAが持つさまざまな機能性をご紹介。
【6】GABA含有のチョコレートはリラックスやより良い睡眠へのヒント。
【7】できること、気になることから、ぜひはじめてみてください!

スタンフォード大学医学部精神科教授の西野 精治先生画像

第1部ではスタンフォード大学医学部精神科教授の西野 精治先生による睡眠に関するセミナーを実施。第2部では“世界一忙しい日本のゆらぎ世代が、効率よく「眠り上手」になる方法について”のディスカッションです。西野先生をはじめ、モデレーターとして日経BP総合研究所の上席研究員である黒住 紗織さん、with Glico会員代表としてイベントコーディネーターやセミナー講師を務める中山 利加さんにもご参加いただきました。

第1部の西野先生のお話は、第5回ウェルネスキャンパスでより詳しいご講演をいただきましたので、こちらのレポートにてご確認ください。

第5回レポートはコチラ

【1】ゆらぎ世代の女性の悩みと、睡眠の関係についてディスカッション。

ここからは、第2部“世界一忙しい日本のゆらぎ世代が、効率よく「眠り上手」になる方法”の様子を対談形式でレポートします。

黒住さん、西野先生、中山さんの話し合い画像

黒住さん:西野先生、中山さん、よろしくお願いします。本日は、40、50代のゆらぎ世代代表として、いい眠りを得るコツについてたくさんお話が聞ければと思います。

西野先生&中山さん:よろしくお願いします。

男女の睡眠時間の説明画像

黒住さん:西野先生は第1部で「日本人の女性は睡眠時間が世界一短く、睡眠の質も悪い」と仰っていました。私は「日本人女性の中でも特に40、50代は睡眠時間が短い」と聞いたことがありますが、これは本当でしょうか。

西野先生:そう言っても間違いではないと思います。人間は、加齢によって睡眠時間が短くなったり、寝付きが悪くなったり、夜中に目が覚めたりという変化が起こってきます。特に女性の場合、そうした変化に加えて更年期障害という症状も出てくるので、睡眠について悩んでいる40、50代の女性は多いでしょうね。

黒住さん:40、50代のゆらぎ世代は女性ホルモンが減少傾向にあると思いますが、そういったことも眠りの質が悪くなる、寝付きが悪くなることにつながってくるのでしょうか。

西野先生:そうですね。女性ホルモンが睡眠に影響を与えることは研究でもわかっています。

中山さん画像

中山さん:私は、40代半ばに入ってからより一層、寝付きが悪い、眠りが浅いと感じる回数が増えたように感じます。そうなると、朝、眠りから覚めても午前中はずっと頭が重い感覚があります。それから、集中力の低下や、身体の動きも若干悪いように感じます。

黒住さん:眠りの質が悪くなることでさまざまな自覚症状が出てきたわけですね。西野先生、女性の更年期は自律神経の乱れ、肥満、ウツ、糖尿病など、さまざまな症状を引き起こすとされていますが、これらの症状は睡眠の不足によっても悪化するのでしょうか?

西野先生:相互関係にあるのは間違いないでしょう。睡眠が改善されれば更年期の症状は良くなるでしょうし、更年期の症状が改善されれば睡眠の質も良くなるというのは十分あり得ると思います。

黒住さん:更年期の症状が辛いと感じる人が症状改善につながる工夫をすれば、自然と眠りの質も良くなるということですね。

西野先生画像

西野先生:実は長年、睡眠は身体の休息のために取るものだと考えられてきました。しかし、1950年代にレム睡眠(※1)が発見されて以降、睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠(※2)を繰り返しながら行われていること、私達の記憶を整理して定着させたり、嫌な記憶を排除したりしていることなど、さまざまなことがわかってきました。子どもに限らず、成人後でも睡眠中に成長ホルモンが分泌されていることも解明されています。また、睡眠時は交感神経が抑えられ、血圧が低くなり、心拍数も少なくなって、自律神経を整えるという効果もあります。感染症やガンの発生を抑える免疫力アップや、脳に蓄積された老廃物の除去などにもつながっています。2012年の研究では、睡眠が神経疾患や認知症などにも関連している可能性があるという報告もされています。

黒住さん:睡眠は、私達の健康と直結しているということですね。お話を聞いていると、本当に「眠り」を疎かにせず、大切にしなくちゃいけないと感じます。

※1)レム睡眠……浅い眠り。脳は活動し、身体は休息している状態。
※2)ノンレム睡眠……深い眠り。脳も身体も休息している状態。

【2】眠りの質と肌の感覚は関連している!?睡眠不足が招く美容の悩み。

黒住さん、西野先生、中山さんの話し合い画像②

中山さん:西野先生、ぜひ睡眠と美容やメンタル面の関係についても聞かせてください。

睡眠不足と美容に関してのアンケート結果画像

西野先生:睡眠は美容やメンタル面の問題と関連が深いと思います。睡眠不足によって、集中力の低下や目の下のくま、肌荒れやむくみなどを感じるというデータもあります。メンタルに関する身体の症状が出てくると睡眠の質も悪くなります。それだけ、睡眠は身体のいろいろなものと関連性が深いということです。言い換えれば、ちょっとした変化を起こせば睡眠の質を改善できるとも言えます。入浴の方法を変えてみる、寝室や寝具をより快適なものに変えてみるなどの行動は今晩からでもできますよね。美容やメンタルに関することをすぐに変えるのは難しいかもしれませんが、睡眠はそうした取り組みがしやすいと思います。

黒住さん画像

黒住さん:つまり、よく眠ることでアンチエイジングにも期待してよさそうだと考えてよろしいでしょうか。

西野先生:そういうことでしょうね。また、ダイエットしている女性は多いと思いますが、睡眠時間が短い人ほど太っているという研究データもありますので、ダイエット効果を高めるためにも質の良い睡眠を取るのがいいと思います。

黒住さん:西野先生は、睡眠時に分泌される成長ホルモンは、皮膚をキレイに保つターンオーバーに欠かせない物質だと仰っていました。そういうお話を聞くと、睡眠の質を高めたいと感じる女性は多いと思います。では、どうすればより質の高い睡眠が取れるのか。第1部で紹介してくださった「睡眠12か条」をベースに聞かせていただけますか。

睡眠12箇条の説明画像

西野先生:やはりバランスの良い食事を取ることです。特に朝ご飯が大事です。人間の体内リズムは24時間ではありません。油断しているとリズムは少しずつ後ろにズレてしまいます。毎朝、自分の身体に朝だと知らせるために朝ご飯を食べたり、太陽の光を浴びたりするのがいいですね。朝ご飯を抜くと太りやすくなりますし、そういう意味でも朝ご飯はしっかりバランス良く食べてもらいたいですね。

黒住さん:ところで、40、50代の仕事をしている人達は、晩ご飯を食べる時間が遅くなってしまう人も多いと思うのですが……。

西野先生:夕食は就寝時の2〜3時間前にとるのがいいですが、忙しいとなかなかその通り実践するのは難しいと思います。寝る直前にご飯を食べる場合はできるだけ油っこいものを避け、アッサリしたものを食べるなどの工夫をしてみるといいでしょう。

【3】みなさまから届いた「睡眠に関する質問」への回答。

黒住さん、西野先生、中山さんの話し合い画像③

黒住さん:ここからは、with Glico会員のみなさまより事前に届いた質問にお答えいただきたいと思います。お一人目の質問は「夜中に目が覚めてしまったとき、もう一度気持ちよく眠るためにはどうするのがいいでしょうか。(ニコールさん 50代女性)」です。

西野先生:年齢を重ねることで、若い頃と同じように眠れないという現象はどうしても起きてしまいます。夜中に目が覚めてしまう中途覚醒もそのひとつですね。昔はこうじゃなかったのに……と若い頃の自分と比べるのではなく、「このぐらいの年齢になると、そういうものだ」と割り切ってしまうことも大事だと思います。同年代の人と話してみると、意外とみんな似たような悩みを持っていることもあるでしょう。あとは、夜中に強い光を浴びないこと、中途覚醒をしたときに家族と話すなど目が覚めるような行為を避けるなどですね。次の眠りに入るまで、ゆっくりと過ごせばいいと思います。例え夜中に起きた後に寝付きが悪くても、あまり気にしないのがいちばんですね。

【4】「GABA(γ-アミノ酪酸)に関する研究結果」を報告。

イベントの第3部では、商品技術開発研究所 チョコレートビスケットグループに所属する古谷 正樹より「GABAに関する研究」についてご紹介させていただきました。その内容についてもレポートします。

商品技術開発研究所 チョコレートビスケットグループに所属する古谷 正樹の画像

GABAの正式名称は「Gamma Amino Butyric Acid」。アミノ酸の一種で、それぞれの頭文字を取った略称が世間で知られています。

「スーパーでお買い物をしているときにGABAという文字を見かけたことがある人は多いと思います。GABAはトマトやカカオなど、天然の素材にも多く含まれている成分。摂取すると自律神経に作用し、リラックス状態になると言われています」

自律神経とは、心臓を動かしたり汗をかいたりと、私達の意志とは関係なく働いている神経のこと。交感神経と副交感神経の2種類あり、交感神経は緊張しているときに働くもの、副交感神経はリラックスしているときに働くものだそうです。

【5】GABA(γ-アミノ酪酸)が持つさまざまな機能性をご紹介。

GABAの機能説明画像

GABAは、疲労感の軽減・血圧を低下する効果・ストレスの緩和・肌弾力の改善・睡眠の質の改善など、さまざまな機能性を持つ成分です。このGABAを使った実験や検証データについても、みなさまへご紹介させていただきました。

GABAの機能の違い説明画像

「GABAと書かれた商品を手に取ってみて、『商品によって期待できる効果が違う』と思ったことはありませんか?それはGABA成分の量によって得られる機能性が違うためです。GABAを28mg摂取したときにはストレスの緩和、寝る前にGABAを100㎎摂取したときには睡眠の質を改善する機能が研究で証明されています」

GABAに関する先行研究 リラックス効果検証画像

「数々の研究によって、GABAを摂取することでリラックス状態になっているときと同じ脳波が増加したり、ストレスホルモンが減少したりすることがわかっています。また、GABAを摂取すると睡眠の質が改善したという実験データもあり、これは自律神経を整えたことによる効果だと考えられています。このことから、GABAはリラックスや睡眠の質を高める効果をもたらしてくれることがわかります」

【6】GABA(γ-アミノ酪酸)含有食品は、リラックスやより良い睡眠へのヒント。

最後は、古谷よりGlicoが独自に行った研究についてみなさまへご紹介させていただきました。

「GABA含有食品(今回はチョコレートで実施)を使った実験についてご紹介したいと思います。私達は、睡眠に悩みを抱えている方を対象に『就寝1時間前にGABA含有食品を食べたグループ』と『何も食べずに就寝したグループ』とで起床時の体感やストレスホルモンの値を比較しました」

ストレスホルモンの結果画像

「その結果、何も食べずに就寝したグループに比べて、GABA含有食品を食べたグループは、起床時のスッキリ感も高いことがわかりました。また、GABA含有食品を食べたグループの方が先行研究と同様に、ストレスホルモンの減少傾向が見られました」

GABA試験結果まとめ画像

GABA含有食品を食べると、「起床時のスッキリ感」や「就寝前のストレスホルモンが減少」が期待できることがとてもよく伝わってきました。質の高い睡眠やリラックスした生活を求める人にとって、GABA含有食品は今後もぜひ注目したい食べ物だということがわかりますね。

【7】できること、気になることから、ぜひはじめてみてください!

全3部構成でお届けした第7回ウェルネスキャンパス。みなさまの日々の生活にプラスになりそうな情報はありましたか?with Glicoは、これからもみなさまの生活をより健康に、よりハッピーになるようなコンテンツやイベントを発信し続けていきます。ぜひ、今後の運営にもご期待ください!