第6回ウェルネスキャンパス「もしもに備える防災セミナー ~防災食と、命を守る防災セット~」開催!

第6回ウェルネスキャンパス

健康に重要な3つの要素「運動」「栄養」「休息」について楽しく学べる場をお届けするオンラインセミナー、with Glico ウェルネスキャンパス。2021年8月30日に実施された第6回目のテーマは「もしもに備える防災セミナー ~防災食と、命を守る防災セット~」でした。

今回、第1部セミナーで講演してくださったのは、管理栄養士であり、災害食専門員でもある今泉マユ子先生です。今泉先生は「缶詰の達人」「レトルトの女王」とも呼ばれており、防災食に関する書籍も多数ご出版されています。防災に関する基本知識をはじめ、ローリングストックを実践するためのアドバイスをたくさん教えてくださいました。

また、本イベントはパートごとに中継先をわけて実施するなど、感染症対策を徹底した上で開催いたしました。

【1】第1部 いざというときの「防災食」にこそ、おいしさを。
【2】「ローリングストックって何?」を詳しく解説!
【3】ローリングストックのポイント1「家族が好きなものを備蓄すること」
【4】ローリングストックのポイント2「3つの見える化でスムーズに管理」
【5】ローリングストックのポイント3「電気・ガス・水道が止まった場合を想定する」
【6】生活に欠かせない「日用品」も、ローリングストック!
【7】いちばん大切なのは、防災を「日常」にすること。
【8】今泉先生推薦!ローリングストックにオススメなGlico商品。
【9】防災を「知っている」から「できる」にするために。
【10】第2部 「Idea Camp」活動レポート!
【11】防災をもっと身近に、いざというときに安心して過ごせるように。

【1】第1部 いざというときの「防災食」にこそ、おいしさを。

防災食アドバイザー 今泉マユ子先生

「みなさまこんにちは!今日は『防災』についてたくさんの情報をお伝えできればと思います」と、気さくな雰囲気で話しはじめてくださった今泉先生。自己紹介を終え、早速「防災食」に関するお話をスタートしてくださいました。

災害時に備える食事を「非常食」と呼んでいる方も多いのではないでしょうか。今泉先生によると、非常食という呼び方は「非常時にしか食べない、普段はしまっておくもの」と捉えてしまう方が多いらしく、最近は「防災食」という呼び方が普及しているそうです。

「災害時の食事で大切なのは『日常に近い食事が摂れるかどうか』です。例えば、防災食と聞いて乾パンをイメージする方は多いですが、実際は乾パンの味が苦手……という方も結構いらっしゃいます。普段から苦手だと感じる食べ物は、災害時に食べるともっと苦手に感じます。普段からおいしいと感じる食べ物こそ、災害時に『あって良かった』と思えるものなのです」

さらに今泉先生は、「防災食を備える際には栄養バランスを重視して欲しい」と言います。

「災害時の食事は、エネルギーを摂ることを基盤にしつつ、たんぱく質の摂取も大切にしてください。災害時、おかゆは水分補給にもなるのでオススメです。しかし、おかゆだけの生活が続くと、白米を食べているときよりも低栄養状態が進んでしまいます。ツナやサバなどの缶詰商品をはじめ、さきいかやサラミといった乾物商品はたんぱく質が豊富。また、『ビスコ』や『おからだから』のようなお菓子もたんぱく質が含まれています。これらを備えておけば、災害時でもたんぱく質が摂りやすいですね」

「また、災害時はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な生野菜や果物が手に入りづらくなります。野菜不足が続くと便秘になり、そこから口内炎や肌荒れに悩んでしまう人が大勢います。そうなると、食欲や気力まで低下してしまいがち。ぜひ、日頃から野菜や果物の備蓄も意識してください」

また、災害時は電気・ガス・水道の供給が止まってしまう場合も多く、その状態でも食べられるかどうかを考えて備蓄することが大切だそうです。生野菜や果物の代わりに、野菜ジュースやフルーツジュース、惣菜缶や素材缶などを備えておくのもオススメだと、今泉先生は教えてくださいました。

【2】「ローリングストックって何?」を詳しく解説!

セミナーの途中、今泉先生は「ローリングストックって聞いたことがありますか?」という質問を参加者のみなさまに投げかけました。結果は、「聞いたことはあるけどよく知らない」「聞いたことがない」という方が合計で3割程度。そこを踏まえて、「ローリングストック」についても詳しく解説してくださいました。

「ローリングストックとは、普段から購入している食材や日用品を少し多めに買い置きし、消費するたびに買い足すことで災害時に備えるという方法です。賞味期限を切らさない、好きな食べ物が備蓄できるなど、たくさんのメリットがありますが、習慣化できている方はまだまだ少ないのが現状。そこで今日は、ローリングストックを習慣化するためのポイントをお伝えさせていただきます」

【3】ローリングストックのポイント1「家族が好きなものを備蓄すること」

「ローリングストックを習慣化するためのポイントは全部で3つ。ひとつめは、『賞味期限が長いから』『備蓄リストに載っていたから』といった条件を重視するのではなく、自分や家族が普段から好きなもの、食べ慣れたものかどうかを重視すること。災害時に最もストレスを感じるのは、日常と違う生活が続くことです。でも、災害時にいつもと同じものが食べられれば、少しでもホッとできると思いませんか」

「私は、常温保存できるノニジュースやプルーンをたくさん備蓄しています。何故なら、私がこれらを毎朝食べる習慣があるからです。また、私の子どもたちは毎朝お味噌汁を飲むので、お味噌汁も多めに備蓄しています」と、今泉先生。

ここで大切なのは、すべての人にとってノニジュースやお味噌汁がローリングストックに向いているわけではないということです。お味噌汁が好きな方がいれば、風味が苦手という方もいらっしゃいます。長期&常温保存できることは重要ですが、いちばんは「自分が好きかどうか」なのですね。

こちらの画像は、ローリングストックに向いている商品の一例です。今泉先生によると、スーパーの冷凍・冷蔵コーナー以外で販売されている常温商品はほとんどがローリングストックできるそう。ローリングストックをはじめてみようと考えていらっしゃる方は、画像を参考に探してみるのもいいかもしれません。

【4】ローリングストックのポイント2「3つの見える化でスムーズに管理」

「ローリングストックふたつめのポイントは、『3つの見える化』。これ、とっても大切です。まずは『家族に見える化』。どんな防災アイテムを、家のどこに収納しているのかを家族全員が把握していなければ、防災の意味がありません。地震が発生した際、ご両親は職場にいて、お子さまたちが家にいる状態になったとします。お子さまたちが家のどこに食べ物があるかを知らなければ、お腹を空かせて待ち続けることになりますよね」

「次は『食べ方の見える化』です。アルファ化米をたくさん備蓄しても、実際に食べるとき、どの程度お水を使うかを把握していなければ、『お水が足りない!食べられない!』という事態になりかねません。一度でも食べておけば、どうやって作るのか、お水がどのぐらい必要なのか、どんな味がするのかがすべてわかります」

「最後は『賞味期限の見える化』です。缶詰などに記載されている賞味期限はとても小さく、うっかり見逃してしまう方も多いです。太字のマジックで目立つように賞味期限を書いておけば、忘れず消費できますね」

この3つの「見える化」を実践するためにオススメなのが、家族全員で定期的に「賞味期限パトロール」を行うことだそうです。

「家中をパトロールして、賞味期限が近い食材を集めてください。パトロールするのは普段料理をしていない人、食べ物の管理をしていない人の方がいいですね。パトロールによって、家のどこにどんな食材があるのかが把握できます。集めた食べ物をみんなで食べてみましょう。食べ方がわかるし、賞味期限切れを防ぐことができます」

【5】ローリングストックのポイント3「電気・ガス・水道が止まった場合を想定する」

「ローリングストック3つめのポイントは、電気やガス、水道が止まった場合を想定して備えておくこと。水はもちろん、カセットコンロやガスボンベも必ず備蓄してください。災害時は地盤が緩んで井戸などの水が濁って使えなくなることも多いので、確実に飲める水を備蓄することが大切です。また、プロパンガスを利用しているご家庭ならガスボンベの備蓄は不要だと考える方もいらっしゃいますが、災害時はプロパンガスの供給も止まってしまう可能性が高く、どのご家庭でもカセットコンロとガスボンベが必需品になると考えてください」

また、水は「1人1日あたり3リットル」を目安に、1週間分を備蓄するのがベストだそう。飲料としてはもちろん、傷口を洗ったり、口をすすいだりもする水の備蓄はとても重要だと、今泉先生は教えてくださいました。

さらに、政府の発表によると、災害時に必要とされるカセットボンベの数は約15〜20本だそう。しかし、カセットボンベには7年という使用期限があり、使用期限が近づくたびに一気に買い直すのは大変です。今泉先生によると、ガスボンベも、毎月使う機会をつくり、使うたびに買い足すローリングストックで備えるのがオススメだそうです。

【6】生活に欠かせない「日用品」も、ローリングストック!

「みなさま、ウエットティッシュやトイレットペーパーといった日用品もぜひローリングストックしてください。2020年は一時的にマスクやトイレットペーパーといった衛生品が店頭から消えてしまい、困った方も多いと思います。いざというときも安心して過ごせるよう、日用品も『自分の家では何がなくなったら困るか』をリスト化し、普段から多めに買ってもらいたいのです」

他にも、今泉先生はオーラルケア用品やゴミ箱などに関する備えについても教えてくださいました。また、備蓄する場所はまとめた方がいいのか、分散した方がいいのかといった収納場所に関することや、トイレ対策についても詳しく話してくださいました。

こうした日用品に関する備えも、基本的には「まずは自分たちで試すこと」「使い方を把握した上で、自分たちのライフスタイルに最も合った方法を取り入れること」が大事だと、今泉先生は言います。

【7】いちばん大切なのは、防災を「日常」にすること。

イベント後半で、今泉先生は「防災をイベントにするのではなく、当たり前にしてほしい」とも話してくださいました。

「よく、お子さまに『赤信号は止まれだよ』と教えるでしょう。防災も、それと同じぐらい当たり前に守るべきものだと考えています。防災を非日常に感じる人は、今日の話をきっかけに防災をもっと日常に取り入れてみてください。その第一歩としてオススメなのが、『防災ごっこ』です!」

職場や学校で防災訓練をするように、自宅でも「防災ごっこ」と称した防災訓練を日常に取り入れるのがいいと、今泉先生は言います。

「ひとつめのオススメは、『断水ごっこ』です。断水は災害時に限らず、水道管の劣化などでも起こります。急な断水時もパニックにならないよう、ぜひお子さまと一緒に断水ごっこをやってみましょう。まずは家の中で水が必要なシーンを書き出してみてください。きっと『水ってこんなに使うんだ』という驚きがあると思います。飲料水をはじめ、歯みがき、料理、洗濯などの生活用水として必要なお水を供えるためにどうすればいいかを家族みんなで考えてみてください。水の代替品を用意したり、給水容器を検討してみたりするのもいいですね」

「続いて、『停電ごっこ』もオススメです。みなさま、夜に家の電気を消して、真っ暗闇の中で過ごしてみてください。そして、懐中電灯を探してスイッチを入れてみてください。暗闇で過ごすこと、その中でものを探すことがどれだけ難しいかがよくわかると思います。懐中電灯を探している途中で壁や家具にぶつかってしまうかもしれませんし、地震時であれば割れた食器などを踏んでしまうかもしれません。非常に危険ですね。一度でもその苦労を体験しておけば、気づくこと、備えられることがたくさんあると思います」

今泉先生のご自宅では、洗面所などを含めすべての部屋に懐中電灯を備えているそうです。「懐中電灯のスイッチ部分や各部屋のドアノブに蓄光テープを貼っておくと、場所がわかりやすくいのでオススメです」とも教えてくださいました。

【8】今泉先生推薦!ローリングストックにオススメなGlico商品。

今回、今泉先生には「ローリングストック」にオススメなGlico商品をいくつかピックアップしていただいており、イベントにご参加いただいたみなさまへ「ローリングストックに向いているGlico商品」としてお送りしていました。イベントの最後に、選んでいただいた理由についても尋ねてみました。

「『常温保存ができる』『小分けにして保存しやすい』などをベースに選ばせていただきました。『ビスコ』は食べきりサイズが個包装になっていて便利ですし、『ちょこっとプッチンプリン』は常温のまま保存できる優れ物。ひとくちサイズだからスプーンも必要ないですし、ツルンと手軽に食べられるのがいいですね」

「『ちょい食べカレー』を選んだ理由は、疲れているときでもカレーなら食べられるという声が多いからです。レトルトで温めずにそのまま使えますし、小容量だから使い切れるところもポイント。お子さまでも食べやすく、まさにローリングストック向けのアイテムと言えます。それから、常温保存ができる『アーモンド効果』は、水分も栄養も補給できてとてもいいですね」と、それぞれのオススメポイントを語ってくださいました。

また、オススメ商品としてお送りしたアイテムの他に、液体ミルク「アイクレオ赤ちゃんミルク」もローリングストックに向いていると、今泉先生は教えてくださいました。

「災害時などストレスを感じやすい環境下では、母乳が出づらくなるという方もいらっしゃいます。液体ミルク『アイクレオ赤ちゃんミルク』をローリングストックとして備えておけば、赤ちゃんもお母さんも安心。液体ミルクは普通の牛乳として大人も使用できるので消費しやすいという利点もあります」

これらの商品をまだ試したことがない・食べたことがないという方は、ぜひこの機会にご近所のスーパーなどで探してみてください。そして、「好き!」「おいしい!」と感じたものがあれば、ぜひご家庭のローリングストックの仲間に入れるかどうか検討してみてください。

【9】防災を「知っている」から「できる」にするために。

第1部の最後に、今泉先生はみなさまへこんなメッセージを発信してくださいました。

「防災の知識があるだけでは、災害を乗り越えることは難しいです。例えば、今日私が話した内容を『知っている』状態なのか『実践できる』状態なのかでも全然違ってきますよね。みなさま、ぜひ自分自身で、家族みんなで防災を体験してみてください。防災には正解がありません。だからこそ、今日をきっかけに防災について考え、『できる』の第一歩となれば嬉しいです」

セミナー終了後は、参加者のみなさまからいただいた防災に関する質問にもたっぷりとお答えいただき、今泉先生ご自身が実践されている防災活動についてのお話も聞くことができました。

【10】第2部 「Idea Camp」活動レポート!

続いて、イベントの第2部では、防災アイテム共創活動「Idea Camp」の活動内容についてご紹介させていただきました。

「Idea Camp」とは、熱い思いをもったGlicoファンのみなさまやGlico社員によって構成された限定メンバーが、ひとつのテーマに対してアイデアを出し合い、活動するプロジェクト型共創コミュニティです。第1期「Idea Camp」のテーマは「防災」。約半年間の活動期間を経て、完成したアイデアグッズがこちらです!

画像は、「Idea Camp」より生まれた防災グッズ「キャリー付きコンテナボックス」です。折りたたみ式のボックスでいざというときも移動がしやすく、オリジナルのデコレーションシールを使えば賞味期限を見える化もできる優れ物。

グッズが完成するまでのレポートはこちらの記事で詳しくご紹介しています。ご参加くださった会員のみなさまがどんな想いで参加し、どんな心境の変化があったかなども知ることができます。ぜひご覧ください。

>>リンク先はこちらです

【11】防災をもっと身近に、いざというときに安心して過ごせるように。

日頃の防災活動について、詳しく学べた第6回ウェルネスキャンパス。みなさまの防災に関する意識に変化はありましたでしょうか。
今泉先生のお話はとてもわかりやすく、一人暮らしの方から、小さなお子さまと一緒に暮らしている方まで、幅広い層の方に実践しやすい情報がたくさんありました。ぜひ、今回のセミナーで得た知識や情報を日々の生活に取り入れてみてください。

with Glicoでは、みなさまの生活をより健康に、よりハッピーになるようなコンテンツやイベントをこれからも発信していきます。ぜひ、今後の運営にもご期待ください。