オフィスのランチにもっと適正糖質を。ランチ宅配サービス「SUNAOデリバリー」の開発STORY

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「食べることを素直に楽しみながら、心も体も健康でありたい」そんなおいしさの新基準を届け続けるSUNAOブランド。2017年に誕生して以来、アイスやビスケットなどのお菓子をはじめ、リゾットやパスタといった食事など、「適正糖質※1」に注目したさまざまな商品を販売してきました。
※1:「食・楽・健康協会」は、1食で摂取する糖質量を20~40g、間食は10g以下にする「適正糖質」を提唱しています。

そんなSUNAOが、2022年8月より企業向けにランチデリバリーサービスをスタート!主食、主菜、サラダを組み合わせた1食の糖質40g以下のランチメニューを、アプリでのオーダーを通じて社員のみなさまのもとへ配達いたします。

>SUNAOデリバリーの詳しいご紹介はこちらから!

つくりたてのおいしいランチをお届けするデリバリー事業は、Glicoとしても新しい取り組み。従来にないサービスがどのようにして生まれたのか。そこにはどんな想いが込められているのか。開発チームのリーダーである為則(ためのり)さんをはじめ、同じくチームメンバーの島田さん、川本さんの3名にお話を聞いてみました。

【プロフィール】
為則 勇人:商品技術開発研究所
SUNAOデリバリー 開発チームリーダー

島田 快:商品技術開発研究所
SUNAOデリバリー メニュー開発担当

川本 佳希:経営企画部デジタル化推進チーム
SUNAOデリバリー デジタル推進担当

「お客さまの困りごとを解決する」から生まれた、 デリバリーランチという新しい挑戦。

Q.まずは、SUNAOについて、ブランド全体の想いについて教えてください。

【為則】
SUNAOが掲げている適正糖質とは「1食で摂取する質量は20~40g、デザートは10g以下、1日70~130g」に抑える食事のこと。既に販売しているSUNAOのアイスやビスケット、パスタなどは、すべてこの適正糖質を守った商品になっています。

SUNAOランチ①メニュー画像

SUNAOブランドが誕生したのは2017年ですが、実は2003年には、その前身となるアイスクリームのブランドも登場しているんです。「食べることを素直に楽しみながら、心も体も健康でありたい」。そんな気持ちに応えられる商品をずっと模索し続けてきました。

Glicoは2022年から「すこやかな毎日、ゆたかな人生」という存在意義(パーパス)を発信していますが、以前からずっと、その想いを商品開発にも込めていたんですね。このパーパスは、SUNAOデリバリーの開発を進める際にもとても意識していました。

Q.SUNAOデリバリーの開発チーム発足当時のエピソードを教えてください。

【為則】
SUNAOの新規サービス開発が決まったのは2021年のこと。当時、各部署からメンバーが集められて専門の開発チームが結成されましたよね。

【島田】
比較的、少人数でのスタートだったと思います。でも私は初回の会議に出たとき、とにかくメンバー全員がやる気に満ちあふれているのを感じました。自己紹介では誰もが「ワクワクしています!」「チームのメンバーに選ばれて光栄です!」と話していて、心強かったです。

【川本】
確かに、最初からみなさんの本気はすごく感じましたね。私は普段からデジタル推進担当としてさまざまな業務をこなしていたので、商品開発はもちろん、そうしたDXに関わる技術もサービスとしてうまく導入できればいいなと考えていたのを覚えています。

【為則】
当時、私たちが会社から提示されていた開発テーマは「お客さまの困りごとを見つけて、それを解決すること」。チーム発足時は、具体的にどんなサービスを開発するかはまだ決まっていませんでした。

そうした状況だったからか、チーム内でそれぞれ役割を分担するよりも、最初は全員で意見を出し合うディスカッションを繰り返していました。とにかくみんなで案を出し合い、それを定期的に上司に提出して意見やヒントをもらい、またみんなで考え直して……と、スクラップ&ビルドを高速で回し続けたことが、サービスを実現できた大きな要因になっていると思います。

写真 左:開発チームリーダーの為則  右:デジタル推進担当の川本

写真 左:開発チームリーダーの為則 右:デジタル推進担当の川本

【島田】
全員、かなりの量の意見を出しましたよね。デリバリーとはまったく違う方向性の意見も多くて。とにかく新しいアイデアがたくさん出てきて、大変でしたけど、楽しかったのを覚えています。

【川本】
何度もみんなで集まってアイデアを出しましたよね。誰かが意見を出したら、それに対してまたみんなで議論をして……。

【為則】
それはもう、かなりの数のアイデアが集まったと思います。当時、私たちが大切にしていたのは「Glicoがこれまでやってこなかったこと、やってこられなかったことは何か」という視点。出てきたアイデア一つひとつに対して「これで本当にお客さまの困りごとを解決できるのか」「それは本当にGlicoがやるべきことなのか」を議論して、さらには「本当に実現できるのか?」という可能性を踏まえながらまた新しく考えて……を繰り返していきました。

【島田】
その中で少しずつ、オフィスにランチを届けるSUNAOデリバリーのアイデアに近づいていったんですよね。

写真 メニュー開発担当の島田

写真 メニュー開発担当の島田

「“糖質オフだけど”おいしい」じゃない、「“いつもより”おいしい」を目指して。

Q.「ランチデリバリー」という、今までのGlicoになかった分野に注目したのはどうしてですか?

【為則】
SUNAOで既に販売しているアイスやビスケット、パスタなどは、主に家庭で食べることを前提としたもの。もちろんそれも、「すこやかな毎日、ゆたかな人生」のためにはとても大切ですが、改めて適正糖質が守りづらい食事シーンはどこかを議論していくと「勤務中のランチタイム」が浮上したんですよね。

【川本】
調査を進めると「ランチ代が高くついて困っている」という声や「オフィス街でもランチできる場所が案外限られてしまう」「お店はいつも並んでいてまともに休憩ができない」など、糖質のコントロールがしづらいという点以外でも、勤務中のランチに対して悩みがある・困っている人が多いとわかったんです。

SUNAOランチ➁メニュー画像

【為則】
朝や夜などの食事は自宅で食べることが多いですよね。自宅での食事は比較的糖質量をコントロールしやすく、外出先で食べるランチは自分の工夫だけでは難しい傾向にあります。そうした背景を踏まえて、ランチに焦点をあてた商品開発を進めていきました。

Q.パスタやドライカレー、チャーハンにチキンステーキなど、豊富なメニューラインナップはどのように決まったのでしょうか?

【島田】
プロジェクト発足後、まずは主食のパスタの開発に取り組みましたが、そのときは以前所属していたプリッツの製造に関する知識がとても役に立ちました。

と言うのも、プリッツをつくる工程と麺をつくる工程はかなり似ているんです。その技術を応用すれば、適正糖質を守りながらも「いつも食べている普通のパスタよりおいしい!」とみなさまに感じていただけるパスタ麺ができるのではないかと思い、サンプルをつくって会議に持っていたんですよね。そうしたら、チームのみんなにとても喜んでもらえたんです。そこからさらに改良を繰り返していきました。

SUNAOランチ③メニュー画像

【川本】
さまざまな商品を販売してきたGlicoですが、お弁当をつくるという知識は当時の私たちにはなかったので、本当に、一つひとつ手探りで進めていったという感じでしたね。

【島田】
メニューを開発する際にこだわったのは「糖質オフのランチにしてはおいしい」ではなく、「いつも食べている普通のランチよりもおいしい」と思っていただけること。

これはパスタだけでなく、すべてのメニューや商品に対して言えることですけどね。だから、SUNAOデリバリーで提供しているパスタはすべて生麺。適正糖質とおいしさの両立を追求するために特殊な配合をしているので、製造工場を見つけるのにとても苦労をしました。他にも、課題は山のようにありました。でも、関連部門のメンバーにも協力してもらいながら、全員が一丸となってひとつずつ着実に解決し、開発を進めていきました。

【為則】
既にある社内のリソースを有効的に活用するという点は、SUNAOデリバリーの開発に欠かせない視点となっています。

おいしさも、糖質量も、スピード感も、利便性も。 新しい挑戦の裏側に込めた「お客さまのために」の想い。

Q.おいしさへのこだわり、とてもよく伝わってきました!
SUNAOデリバリーは「配達する当日に調理したお弁当を届ける」ことも大きな特徴かと思いますが、スピーディな調理・配送はどのように実現していったのでしょうか?


【川本】
「つくりたてのおいしさをお客さまに届ける」という点は、味や満足感を追求するためにも相当こだわったところですね。

SUNAOデリバリーはオーダーを受けてから調理したお弁当をそのままお客さまへお届けしています。おいしさにこだわりたいからこそ、調理から配送までの流れも妥協せず試行錯誤しました。

【島田】
その日の朝につくられたお弁当を、その日のランチに食べられるというのは、やっぱり嬉しいですよね。つくりたてで、おいしくて、満足感があるのに、糖質は1食40g以下。これは私たちとしても、ぜひたくさんの方に注目してもらいたいポイントです。

【為則】
他の競合のデリバリーサービスの中でも大きな強みだと感じています。また、既にご利用いただいているお客さまからは、ご好評の声をいただいていますよ。サラダなどの野菜については、「ボリュームがあっていい」「生野菜がたっぷり食べられて嬉しい」「シャキシャキ感があって新鮮」などの声が私たちの元にも届いています。

SUNAOランチ④メニュー画像

【島田】
チキンや豚などお肉のメニューも「満足感があっておいしい」「素材の旨みがしっかりと味わえる」といったご意見をいただいていますね。

【為則】
ランチメニューは、すべて1食の糖質量が40g以下になるよう構成されています。野菜やお肉から食物繊維やたんぱく質などの栄養もしっかり摂れますし、どれも実際に私たちが試食して「おいしい」と思えるものをメニューとしてご提供しているので、ぜひもっとたくさんの人に食べていただきたいですね。

Q.お弁当のオーダーには専用アプリを使用しますが、これも今までのGlicoにはない新しい挑戦ですよね。

【為則】
SUNAOデリバリーは、従業員さま一人ひとりがLINEアプリを通じて個別にランチメニューをオーダーしてもらう仕組みを採用しています。注文は当日の午前9時まで可能なのですが、ここにもやはり「お客さまの困りごとを解決する」という視点が大きく反映されています。

例えば、「お弁当を注文する場合は1週間前までにお願いします」などのルールだと、注文したことをうっかり忘れてしまう場合もきっとありますよね。当日の予定が急に変わり、お弁当が受け取れないというケースも十分考えられます。さらに、企業向けデリバリーサービスの場合は「担当者が社員の発注数や内容をまとめて管理して一括オーダーする」というパターンも少なくないと思いますが、それだと担当者の方の負担が増えてしまうという問題もあります。

SUNAOデリバリーアプリ注文画面画像

特にコロナ禍以降、社員の誰が出社しているのかいないのか、不明確な状況になっている企業も少なくありません。「どうすれば社員の方や担当者の方の困りごとを解決できるサービスになるか」を考え抜いた結果、「当日の午前9時まで注文可能」「個別でオーダー可能」に行き着いたんですよね。

【島田】
「当日の朝までオーダーできるようにする!」という点は、当初からチームの中でも意見が一致していましたよね。

【川本】
ちなみに、SUNAOデリバリーでは、多くの方が慣れ親しんでいるLINEをインターフェースに採用しています。この導入をきっかけに、Glicoのさまざまなサービスやコンテンツにも応用していき、お客さま起点のバリューチェーンの一歩にしていきたいと考えているんです。

【為則】
いいですね。SUNAOデリバリーはアプリ内からアンケートを直接お送りいただける機能もありますし、お客さまの声をリアルタイムで確認できるというのは、DX推進のポイントにもなりそうですよね。今回、アプリの導入が成功したのは、川本さんがデジタル領域に関する知識をチームみんなに当初から共有してくれたのがかなり大きいと感じていますよ。

【川本】
ありがとうございます!

【為則】
Glicoが展開している商品の多くは、スーパーなどの店頭で販売しているため、お客さまとの直接的なコミュニケーションが生まれにくいという課題がありました。SUNAOデリバリーを通じてGlicoとお客さまが直接つながる仕組みができたのをきっかけに、Glico全体のお客さまとのコミュニケーションがもっと深まればいいなと思います。

写真 左:開発チームリーダーの為則  右:デジタル推進担当の川本

Q.ランチの配送は誰が行っているのですか?

【島田】
ご注文いただいたお弁当を実際にお客さまの元へ届けてくれているのは、オフィスグリコのスタッフのみなさんです。

【川本】
先ほど、SUNAOデリバリーの開発では既にある社内のリソースを有効的に活用する機会にもなったという話が出ていましたが、そういう意味で、オフィスグリコの存在価値はかなり大きいと感じています。

【為則】
開発段階では、ランチの配送を外部に委託するという選択肢も考えてはいました。でも、私たちはあえてGlicoが培ってきたオフィスグリコのノウハウを最大限活用することを選んだんです。自社で配送スタッフを確保できたからこそ、スピーディな配送が実現できたと思います。このあたりについてはぜひ、実際に配送を担当しているオフィスグリコのメンバーにもいろいろ話を聞いてもらいたいですね。

「まだまだこれから」の想いが、 SUNAOデリバリーの新しい可能性になる。

SUNAOデリバリーロゴ画像

Q. SUNAOデリバリーに込められた想いや開発チームのみなさんの熱意がとてもよく伝わってきました。実際にサービスがスタートした現在の想いや、これからの展開についても教えてください。

【川本】
Glicoでは日々さまざまな商品開発が行われていますが、発売まで至らないプロジェクトも決して少なくありません。そんな中、新しいサービスとして実際に販売がスタートできたこと、私はとても嬉しく感じています。これからもしっかりお客さまに喜んでもらえるよう、引き続き開発を進めたいですね。

【島田】
私も、「何とかここまで辿り着けた!」という想いがあると同時に「いや、まだまだこれからだ!」という感覚もかなり大きいですね。

【為則】
SUNAOデリバリーは始まったばかりのサービス。実際にスタートできたからこそ見えてきた課題も、既にあります。今、最も早急に取り組みたいのはメニューバリエーションをもっと増やすことですね。飽きずに毎日食事を楽しんでもらいたいからこそ、「もっとお客さまが頼みたくなるメニューを考えたい」という想いが日に日に強くなっていきます。どんなメニューがいいのか、今まで以上にチームメンバーとスクラップ&ビルドを続けながら考えていきたいですね。

現在は大阪の一部エリアでのみの販売となっていますが、今後は販売エリアも拡大しながら、もっと多くの人に「すこやかな毎日、ゆたかな人生」を届けられればと思います。