【神戸市×江崎グリコ】幻想的な夜の水族園で「働く人のためのストレス対策セミナー」開催

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 江崎グリコ株式会社は神戸市精神保健福祉センターと協働し、夜の神戸市立須磨海浜水族園にて、「働く人のためのストレス対策セミナー」を2022年11月22日(火)に開催しました。
 長引くコロナ禍で生活状況が様変わりしていることに加え、日々膨大な情報処理に追われ、多くの人の心身にストレスがかかっています。11月23日が「勤労感謝の日」であることから今回は「働く人」に焦点を当て、仕事の後に夜の水族園で癒やされながら学んでいただくセミナーとしました。
 ストレスと上手に向き合うヒントが多く語られた、当日の様子をレポートします。

今この瞬間に、ありのままに気付くために心を寄せていく「マインドフルネス」

関西学院大学 人間福祉学部 社会福祉学科の池埜聡(いけの さとし)教授

 会場となったのは、神戸市立須磨海浜水族園1階の「波の大水槽」前。魚や亀が優雅に泳ぎ、青く光る天井はまるで夜空のよう。事前募集に当選された参加者が幻想的な空間に集まり、セミナーは静かに幕を開けました。

 セミナーは「マインドフルネス体験とストレス対策講演」からスタート。講師は、関西学院大学 人間福祉学部 社会福祉学科の池埜聡(いけの さとし)教授です。まず体験したのが「食べるマインドフルネス」。参加者は配布された「メンタルバランスⓇチョコレートGABA(ギャバ)」を一粒取り出して手のひらに乗せると、池埜教授のガイドに従い、このようなイメージを膨らませました。
<未知の惑星に降り立ち、食べ物を探していると、この物体に出会った>
 形、色を見て、重さを感じながら、つぶさに確認し、ゆっくりと口に入れます。溶けて形が変わる様子や口の中に広がる甘さ、かんだときの感覚や飲み込む音にまで意識を向けるように促される参加者たち。感じ方は人それぞれで、正解はありません。

ストレスに気付き、対策を。おすすめの対処法は?

 ただ一粒のチョコレートを慈しむように食べる光景は珍しいもののように感じられましたが、それもそのはずです。私たちは普段、意識が散漫になりながら食事をすることが常態化しています。情報化社会の今、常に何かを考え、何かにとらわれてしまっている「することモード(Doingモード)」にある人が多いと池埜教授は指摘。「心が『することモード(Doingモード)』の状態のままだと心身共に疲れ果ててしまう」といいます。ただ、情報化社会の進展は止められるものではありません。だからこそ、情報の荒波を上手に乗りこなすことが大切だと呼びかけました。その手段の一つが「マインドフルネス」です。

 次に体験したのは「音のマインドフルネス」です。池埜教授がチャイム(鉄琴)をたたくと、甲高い音色が鳴り響きます。「次は目を閉じて、鳴り終わりを意識して」。そう言われて音を追いかけるようにじっと耳を澄ますと、遠くの方まで長く聴こえた気がしました。聴こえ方が変わったのです。

 「マインドフルネスとは、今この瞬間に、ありのままに気付くために積極的に心を寄せていくこと」と池埜教授は話します。常に何かを考えながら行動する「することモード(Doingモード)」から、外の情報にとらわれずに今に心を寄せる「あることモード(Beingモード)」に時々切り替えることで、なにかにとらわれていた自分に気付くことができ、冷静になれたり落ち着けたり、楽観的になれるそうです。「マインドフルネスの効果については研究が進み、脳科学的にもストレス軽減の効果が実証され、アメリカでは学校教育にも採用されている」と池埜教授は付け加えました。

 最後の体験は「呼吸のマインドフルネス」です。床に付いた両足裏から、椅子に座った背中、呼吸へと意識を移していきます。「呼吸に意識を向けている間、他のことを考えてしまっても問題ない」と池埜教授は優しく声をかけました。意識がそれたことに気付く、そしてゆっくり、しなやかに、優しく呼吸に注意を戻していく。この営みから、自分を見つめるもう一人の自分を育てることができ、情報の荒波に溺れずに自分を保つことができるとのことです。そして「マインドフルネスを日常に取り入れてほしい」と締めくくりました。

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 続いて行われたトークショーでは、神戸市精神保健福祉センター所長の精神科医・北村登(きたむら のぼる)氏にもご登壇いただき、江崎グリコ株式会社チョコレートビスケットマーケティング部の山上優子(やまがみ ゆうこ)を交え、ストレスの捉え方や対処法などについて話し合われました。

―そもそもストレスとは?
池埜教授:ストレスは悪いものではありません。ストレスを乗り越えたり克服したりできれば、人は強くなれるし成長できます。ストレスが全くないと、退屈な人生になってしまうことでしょう。ただ、乗り越えられないほどのストレスだったり、それが長期的に続いていたりしていると問題です。

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―どういう人がストレスを受けやすい?
北村所長:ストレスを受けやすかったり蓄積しやすかったりする人は、自分の感情に意識が向かず、突っ走ってしまう傾向にあります。身体は正直なので、寝つきが悪くなったり、動悸がしたり汗が出たり、味覚に変化があったりしたらストレスが影響しているかもしれません。ストレスは目に見えず気付きにくいものですが、見える化することが大切です。神戸市が運営するwebサイト「ストレスマウンテン」では、該当項目を選択するだけでストレスレベルを簡単にチェックできます。また、心の悩みや何らかの不安を抱えている場合は、「神戸市こころといのちの電話相談」や「くらしとこころの総合相談会」をご利用いただきたいと思います。

―みなさんのストレス対処法は?
池埜教授:私は先ほどご紹介したマインドフルネスを実践しています。北村所長もおっしゃっていますが、自分で気付くことは大切です。気付くことができれば、対策を取れるようになりますから。あと、客観的に気付くことで楽観的にもなれたりします。もう一つはヨガです。ヨガは、自分に気付くという意味でマインドフルネスと似た効果があるのですが、今ではオンラインプログラムが充実しているので、始めやすいのではないでしょうか。

北村所長:私は、ウォーキングです。実は、歩き回ったり足をゆすったりする普段の何げない動作もストレス発散につながっています。身体をリズミカルに動かすことでセロトニンが分泌され、不安や緊張を和らげてくれます。ウォーキングは、精神面はもちろん、身体の健康にも良いので、おすすめです。歩くときは景色を見ながら、近いところから遠くまで目を動かすと、つらいことも忘れられます。

山上:私はストレスがかかるまえにぐっすり眠ることを心がけていて、そのために習慣にしているのが「ナイトチョコレート」です。ナイトチョコレートは欧米に古くからある文化で、夜寝る前にチョコレートを食べるとほっと一息つけるといわれています。

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―本日配布した「メンタルバランス🄬チョコレートGABA」に含まれるGABA成分とは?
山上:GABA(ギャバ)成分はアミノ酸の一種「γ₋アミノ酪酸」で、幅広い研究結果からリラックス効果が報告されています。野菜や穀物、カカオなどにも入っている身近な成分ですので、日頃の生活に取り入れやすいものを選んで試していただきたいです。

池埜教授:ウォーキングは「歩くマインドフルネス」ですし、景色に意識を向けるのは「見るマインドフルネス」といえます。そして、ナイトチョコレートは「食べるマインドフルネス」です。マインドフルネスを通じてストレスから解放された毎日を送っていただきたいと思います。

ほんの少しでも身体の感覚に意識を向け、自分をいたわってあげて

 大盛況でセミナーが幕を閉じると、参加者は夜の水族園の自由観覧へ。閉館後のひっそりとした館内を散策し、水槽を眺めたり、写真を撮ったりしながら、泳ぐ魚たちと一緒に思い思いに「今この瞬間」を楽しんでいました。

 ストレス対処の第一歩は、気付くこと。忙しい毎日ですが、ほんの少しでも身体の感覚に意識を向ける時間をつくり、自分をいたわってあげてください。

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