2018年西日本豪雨の被災地 広島を再訪問 子どもたちとの約束を果たすために

西日本豪雨の被災地 広島を再訪問

2020年1月30日、広島県三原市にある本郷ひまわり保育所に訪れました。今回の訪問はある約束がきっかけでした。
2019年1月25日、2018年7月の西日本豪雨で被災された方に笑顔を届けるために、人気バンド「ゴールデンボンバー」のボーカル 鬼龍院翔さん、人気DJやまだひさしさん、広島FM大窪シゲキさんと共にグリコワゴンが広島県の本郷幼稚園を訪れたときのこと。

当時、本郷ひまわり保育所は、豪雨で近隣の沼田川が氾濫したことで、1階の天井近くまで浸水してしまい、施設内は泥で汚れ、使用できない状態に。そのため、「本郷ひまわり保育所に通っていた園児たちは5か所の近隣の保育所に分かれて過ごしており、この本郷幼稚園にも通っている子がいる」と、訪問先の職員の方から伺いました。そこで、「いつか本郷ひまわり保育所が再開できた時にはもう一度訪問するね」と子どもたちと約束。保育所が再開し、子どもたちと笑顔でもう一度会える日を切に願い、本郷幼稚園を後にしました。
被災した本郷ひまわり保育所には、多方面から多くの支援があり、被災から約1年2か月後の2019年9月24日に無事再開。今回、以前広島を訪れた日から約1年が経った2020年1月30日に訪問することができました。

グリコワゴン

グリコワゴンが園庭に登場

訪問当日、本郷ひまわり保育所の子どもたちは園庭に集まり、ワクワクする気持ちを抑えながら担任の先生の指示に従って整列して待機。そこへグリコワゴンが登場すると、興奮のあまりつい立ち上がってしまう子どもたちも。その後、グリコワゴンのリアゲートを開け、ポッキーがぎっしりと詰まっている様子に子どもたちは「すごい!」「たくさんある!」とはしゃいでいました。
今回、やまだひさしさん、広島FM大窪シゲキさん、音楽ユニット「大瀬戸千嶋」の大瀬戸嵩さん・千嶋里志さんが駆けつけくださり、それぞれ園児たちに手渡しでポッキーを渡しました。受け取った園児たちは、少し照れながらも笑顔で「ありがとう」と伝え、ポッキーを大事そうに抱えながらグリコワゴンを見つめていました。

ポッキーを配り終えると、子どもたちからお礼としてストローで作ったネックレスを、やまだひさしさんはじめ、スタッフ一人ひとりの首にかけてくれました。聞くと訪問前日に5歳児クラスの子どもたちが作って用意してくれていたとのこと。感謝の気持ちを形としてお返ししてくれた子どもたちの思いやりにスタッフ一同感動しました。

グリコワゴンが園庭に登場

保育所が再開するまでの道のり

本郷ひまわり保育所は、0~5歳児を対象とした公立保育所です。2018年7月の豪雨で近隣の沼田川が氾濫。広島県三原市本郷町は広範囲が水没しました。本郷ひまわり保育所もこの氾濫によって浸水し、施設内のほとんどが泥で汚れ、一時は再開のめどが立たないほど被害は深刻でした。

そのため、保育所に通う子どもたちは、近隣の保育所や保護者の協力の元、一時的に5か所の保育所に分かれて通うこととなりました。「子どもたちは柔軟性があり、すぐに新しい環境に馴染んでくれたものの、保護者の方は、自宅から距離のある保育所に毎日送り迎えをしなければならず、保護者の方の計り知れない苦労と協力があって今日までたどり着くことができた」と、本郷ひまわり保育所の先生は時折涙を浮かべながら振り返ってくださいました。
被災後、ボランティアによる清掃活動や物品提供など多くの支援があり、被災から1年2か月ほどが経った2019年9月24日、被災前から通っていた71名の子どもたちとともに無事保育所を再開。翌10月には0歳児の新規受け入れも実施し、現在では96名の子どもたちが在籍しています。

保育所が再開するまでの道のり

被災という経験を乗り越え成長する子どもたち

保育所再開後に子どもたちによる創作劇の発表会を開催することに。創作劇では「アラジン」を題材にし、ランプの精霊が叶える「3つの願い事」を5歳児クラスの子どもたちに考えてもらったそうです。その際、そのうちの1つの願いが「僕たち、私たちを支えてくれた人たちがみんな幸せでありますように」。これまで支援してくれた方に対する思いやりや感謝を込めた願いを、子どもたちから発案されたことに、職員一同驚きを隠せなかったそうです。職員の間では、「豪雨によって保育所が被災し、子どもたちにとっても困難なことや辛いことがあったものの、たくさんの方に支援をいただき、多くの思いやりや優しさ、心の温もりに触れることができた。もちろん、職員として感謝することの大切さは伝えてきたが、被災を経験した子どもたちは、自分の経験から思いやりや優しさを人一倍強く持つことができたのではないか」と話しているそうです。
今回、子どもたちと再会できたことで、被災という経験を乗り越え、健やかにたくましく成長している子どもたちの姿を垣間見ることができました。

グリコワゴンは、2011年の東日本大震災以降、今回の西日本豪雨や熊本地震、北海道胆振東部地震といった被災地への訪問活動を継続しています。これからもグリコワゴンは、子どもたちの健やかな成長に寄り添いながら、笑顔を届ける活動を続けてまいります。
ご協力いただいた皆様ありがとうございました。

被災という経験を乗り越え成長する子どもたち

本郷ひまわり保育所の施設長 妙見先生からのコメント

「今回、子どもたちと何気ない会話の中で約束したことを実現してくれたことがとても嬉しいです。改めて訪問してくれたことで、子どもたちは、自分たちが大切にされ愛されていることを感じることができたと思いますし、約束を守ることの大切さを知ることができたと思います。子どもたちが大人になったときに、自分たちが約束を守り、困った人を見つけたら手を差し伸べることができる思いやりのある温かい心を持った大人に育ってくれると期待しています」

広島県三原市 本郷ひまわり保育所

● 日程:2020年1月30日(木)
● 会場:広島県三原市 本郷ひまわり保育所