育児に悩むパパ・ママ必見!?子育てのプロから教わる子育てアドバイス

育児に悩むパパ・ママ必見!?子育てのプロから教わる子育てアドバイス

「夜なかなか寝付いてくれない」「しつけ方がわからない」「コミュニケーションがうまく取れない」これは、小さなお子様をお持ちの新米パパやママからよく聞く悩みです。

今回は、そんな0~2歳のお子様をお持ちのパパ・ママに向けた育児についてのアドバイスを、こどもコンサルタントの原坂一郎先生と、今回の会場となった神戸市の「はっとこども園」の原康大(やすひろ)先生のお二人にお聞きしました。

はっとこども園

まず最初にお二人のプロフィールをご紹介します。

原坂一郎先生(写真・左)は、23年にわたる6か所の保育園勤務を経て、2004年にこどもコンサルタントとなり、KANSAIこども研究所の所長として独立。現在は子どもおよび子育てに関するさまざまな研究・執筆・講演を全国で展開されています。

>>こどもコンサルタント原坂一郎先生のHPはこちら

原康大先生(写真・右)は、12年の保育士経験をもち、現在は「はっとこども園」で主幹保育教諭として勤務されている頼りがいのある先生です。

原坂一郎先生と原康大先生

子どもとは出来るだけスキンシップを

―先生、よろしくお願いいたします。今回は0歳から2歳の子どもを中心とした悩みを相談させていただきます。

原坂先生・原先生「こちらこそよろしくお願いします。」

―まず最初に、お聞きしたいのはコミュニケーションのことです。手遊びやお歌、おもちゃなど子どもに向けた遊びは多いですが、オススメなどはあるのでしょうか?

原坂先生「この遊びが良い・悪いというのは特にないのですが、オススメはスキンシップをとれる遊びです。例えばパパが寝そべっていても子どもはまとわりついてきますよね。私は『パパの体はジャングルジム』と皆さんに伝えていますが、パパの体に乗ってくるだけでOKなんですね。それで十分スキンシップが取れるうえ、本人もとても楽しいわけです。もちろんパパだけでなく、ママも同じようにスキンシップして頂いて大丈夫です。」

原先生「あと会話も重要ですよね。たくさん言葉をかけてあげてください。」

―でも0歳や1歳だとほとんど話せないですよね?

原坂先生「それがちゃんと話しているのですよ。例えば0歳児だと『あ~』とか『おう~』などといった言葉を発しますよね。それは喃語(なんご)といってちゃんと何かを伝えているのです。それが何と言っているのかわからなくても『そうだね~』とか『すごいね~』って話しかけてあげてください。それが会話となりますから。」

―確かに喃語はよく聞きますよね。

原坂先生「1歳くらいからよく指を差して『あ~』などという時がありますよね。それも興味のサインなのです。『ほんとだ、大きいね』とか『光っているね』などしっかりと会話して答えてあげることが大切です。」

インタビューの様子

―コミュニケーションの方法としては絵本の読み聞かせなどがあると思うのですが、どんな本が良いなどあるのでしょうか?

原先生「もちろん0歳、1歳、2歳という対象年齢で違ってくるのですが、子どもにとって良い本というより、親(自分)が好きな本、読んであげたい本を選ぶことが大切だと思います。何十回も読んであげる本ですからね。親(自分)が親しみやすい本を選んだほうが読みやすいでしょ。」

―たしかに、何度も何度も音読するのは親ですものね。また先生がされている読み方の工夫はありますか?

原先生「その時の状況や子どもの表情によっても読み方を変えています。本にはないアドリブなどを加えても全く問題ないと思いますよ。特に0歳や1歳には擬音を使いますね。そもそも擬音の本が多いでしょ?ぽよん!とかプルプル!とか、ガシャン!とかね。」

原坂先生「子どもにとっては親が読んでくれるならどんな絵本でも嬉しいと思います。その絵本が何であれ、親が子どもに絵本を読んであげている時間は、そのまま親子のふれあいタイムになっていると私は考えています。」

子供と絵本

いろいろ試す?寝かしつけのアドバイス

―またよく聞く悩みの中に寝かしつけがあると思うのですが、なかなか寝付いてくれなかったり、抱っこで寝かしてもベッドに置いた瞬間泣いたり…。特に0歳~1歳では、抱っこして寝かしつけても、布団に寝かそうとした途端に起きてしまうことを、「背中スイッチ」などと表現しますよね?上手に寝かしつけができるアドバイスってあるのでしょうか?

原先生「それぞれの子どもによりますからね。私が気を付けていることは居心地の良い場所を見つけてあげる事。子どもによっては、縦抱きが好きな子、ゆらゆらが好きな子、はたまた親のお腹でうつぶせになるのが好きな子、なんてこともありますからね。だから答えはいろんなことを試して子どもの居心地の良さを見つける、です。」

―なるほど、子どもにとっての良い体勢を探してあげることなんですね。

原先生「またベッドに寝かせたとたん起きてしまうのであれば、クッションを背中に当てた状態で抱っこして寝かしつけ、深い眠りについたころにベッドにおろしクッションを徐々に外す、なんてことも一つの方法だと思います。」

―それは面白いですね。ぜひやってみたいです。

原先生「とにかく10通りでも20通りでもいろんなことを試してください。そしてその子が心地よく寝られる方法を見つけてあげてください。」

対談の様子

嫌がる歯磨きや食べ物の好き嫌いへの対処法は?

―またよく迷うと言われるのが、歯磨きや食べ物の好き嫌いについてですね。2歳ごろになるとイヤイヤ期も始まり、頭を抱えるパパ・ママも多いかと。怒ってはいけないのはわかっていても…なんてこともよく耳にしますよね。なかでも歯磨きなどは泣き叫ぶ中やっているという方も少なくないと思うのですが。

原先生「確かに歯磨きは嫌がる子が多いですよね。まずじっとしているのが嫌な子が多いですし、気持ち悪いと感じる子も多いようですね。」

原坂先生「苦手な子には、例えばキュキュキュとかゴシゴシ、シャカシャカといった擬音、つまりオノマトペで歯磨きタイムをすることで、楽しいというイメージを付けてあげるといいかもしれません。手を引っ張って無理やりしていては、いつまでたっても歯磨き=嫌な時間ですから」

―やはり、できる限り楽しませることが大切なのですね。

嫌がる歯磨きや食べ物の好き嫌いへの対処法は?

―あとは食べ物の好き嫌いで困っている方も多いようですが、何か方法はありますか?

原坂先生「食べず嫌いの子も多いので、とにかく少しでも口に入れてもらうことを目指しています。例えば、嫌いな野菜が目の前にあったとしたら、その9割を目の前で取り除きます。そうすれば、これぐらいならと残りの1割だけ食べてくれる。もちろん食べたらほめてあげてください。そして次は8割取り除いて…といった具合に徐々に食べる量を増やすのです。それで全部食べられるようになった子どももいますからね。」

―そんな方法があったのですね。これはすぐにでも試せそうですね。

子どものしつけは北風式より太陽式で

子どものしつけは北風式より太陽式で

原先生「とにかく、小さな子どもは強要などをしても嫌がるだけで、あまり意味を持ちません。お出かけした際に、おもちゃやお菓子を欲しがったりして動かなくなった子に『もう知らないよ、バイバーイ』と言っちゃう親御さんも多いと思うのですが、それもあまりよくないと思っています。何度もやると『どうせ戻ってくる』、というのも学習しますからね。」

―確かに、よく見る光景です…。

原坂先生「お化けがくるよ、鬼さんがくるよ、といった言い方でしつける方も多いですが、あまりオススメ出来ないですね。」

―つい、簡単に言うことを聞いてくれるためやっちゃいますよね。

原坂先生「また、あれをしないとこれをあげないよ、といった条件付きもあまり関心できません。北風式と太陽式なら、時間がかかったとしても自ら動くようになる太陽式を選んでいただきたいですね。ただ子どもの育て方は100組の親子がいれば100通りあります。いろんなやり方をやってみて、その中でお子さんが笑顔になったやり方が、そのご家庭のベストなやり方なのだと思います。それが見つかった時は、どうぞ自信をもって子育てをしてほしいですね。」

子もを理解することが大切

―やはり長い目で見たしつけ方が大切なのですね。

原坂先生「はい。子どもは0~2歳の時でも、毎日たくさんのものごとを考えていると言われています。それを言わないだけ。それをいかに察してあげられるかが大切です。」

原先生「とにかく対処法は子どもによって違いますから、まずは子もを理解することが大切だと思います。子どもと接していく中でそれは自然に分かってくると思いますので、できるだけ多く関わってあげてくださいね。」

―今日はいろいろと本当に勉強になりました。ありがとうございました!

子育てアドバイスのポイント まとめ

・「コミュニケーション」
喃語(なんご)であっても、ちゃんと話しかけて会話をする。

・「寝かしつけ」
子どもが居心地の良い場所を見つける。そのためにも、様々な方法を試す。

・「絵本の読み聞かせ」
子どもに良い本を選ぶというより、親(自分)が好きな本や読んであげたい本、読みやすい本を選び、読み聞かせの時間を多く設ける。

・「歯磨き」
オノマトペでできる限り楽しい時間に。

・「食べ物の好き嫌い」
たとえば目の前から嫌いなものの9割取り除き、残りの1割を食べられるようにする。食べられたら褒めてあげて、次は8割を取り除き、徐々に食べられる量を増やすなどがオススメ。