寒い冬を乗り切ろう♪ココアの豆知識

甘くて、温かくて、飲むとほっこりした気持ちになる「ココア」。冬になると飲みたくなる、定番ドリンクのひとつですよね。今回は、意外と知らなかったココアの豆知識をご紹介します。

ココアを知ろう!

《ココアのもと》
ココアの原料は、アオイ科の常緑樹である“カカオ”の種子です。チョコレートも同じ原料から作られています。

《ココアの歴史》
ココアの原料であるカカオが栽培され始めたのは、なんと紀元前1000年頃の古代文明の時代からと言われています。当時の遺跡や壁画からも実証されているのだとか。
カカオは、先住民のインディオたちに「神様の食べ物」として珍重されており、王や貴族の贅沢な飲み物でした。一般庶民が飲めるようになったのは、16世紀に入ってから。現在のメキシコであるアステカをスペインが征服し、支配体制が崩れてからのようです。19世紀に貨幣が登場するまでは、カカオが貨幣として使われていたほど価値の高いものでした。

《ココアとチョコレートの違い》
ココアとチョコレート、製法も途中までは一緒。このふたつの違いは、「ココアバターを加える」か「取り除く」かです。
取り除くと、ココアに。加えるとチョコレートに。ココアバターには凝固作用があるため、チョコレートは固形になります。そのため、シンプルに粉末=ココア、固形=チョコレートと分類する方法もあるようです。
ちなみに、「ホットココア」と「ホットチョコレート」では味や成分などで大きな違いはありません。しいて分類するならば、チョコレートを溶かして作ったものが「ホットチョコレート」となります。

《ココアの革命的なできごと》
18世紀までのヨーロッパでは、焙煎したカカオ豆からペースト状のココアマスを作り、それをそのままお湯に混ぜて飲んでいました。
しかしカカオ豆に含まれる脂肪分の含有量が多いため、水や湯に溶かすと表面に油が浮いて飲みづらい上に、くどくて胃にもたれるなど欠点がありました。
19世紀初め、これらの難題を解決し、今の美味しいココアパウダーの製造法を発明したのが、オランダ人の「バンホーテン」。ココアで有名な、バンホーテン社の創始者です。

《バンホーテンが発明した製造法「ダッチ プロセス」》
バンホーテンは、まず焙煎したカカオ豆を絞ってココアバター(脂肪分)を取り除き、ココアケーキを作りました。そして、このケーキを細かく粉砕することで、ココアパウダーの製造に成功。水とのマッチングを飛躍的に高めました。さらに、酸性が強いカカオ豆にアルカリを加えることにより、パウダーを中性に近づけ、極めてまろやかで飲み心地のよいココアパウダーの製造も可能にしたのです。このアルカリゼーション工程は「ダッチ プロセス」と呼ばれ、現在も世界のスタンダードとして広く採用されています。