気候変動への取り組み
企業活動で使用する電気、ガス等の使用量を管理し、CO₂の排出量削減に取り組んでいます。また、電気事業者から購入する電力を計画的に再生エネルギー由来に切り替え、工場等で新しい設備を導入する際には、省エネタイプへの切り替えを進めています。
製造工場における取り組み
製造工場では、電気やガスだけでなくさまざまなエネルギーを使用していますが、業務の効率化を図り、省エネを推進しています。また、エネルギーを使用する設備は、計画的に省エネタイプに更新しています。CO₂の排出量が多い重油を使用する設備は、効率を考慮しながら計画的にガス化する等、エネルギー転換を行います。
水の使用に関しては、一部の工場で工業用水を浄化し、トイレ等の用水として使用しているほか、一部の生産ラインでは、冷却排水を冷凍設備の冷却に再利用しています。
2022年度のCO₂排出量は、前年度よりさらに減少しました。従来からの省エネ活動に加えて、工場で使用する電力を再生エネルギー(非化石証書付)電力に計画的に切り替えていることが大きな削減につながっています。その結果、CO₂排出量原単位についても大きく減少しました。
製造工場におけるCO₂排出量の推移
※各年度の電気事業者別の調整後排出係数を使用。
※原単位は、t-CO₂/生産高(億円)。
※2019年1月~12月の年間実績に換算
<事例>国内製造工場における再生可能エネルギー化に向けた取り組み
茨城工場では、2022年4月より、購入電力の再生可能エネルギー電力比率を従来の10%から100%に切り替えています。 これにより、年間約3,500tのCO₂削減につながる見込みです。 2023年4月には、他の東日本5工場においても同様に再生可能エネルギー電力の購入比率を100%に切り替えることで、国内工場の電力使用量の約50%が再生エネルギー由来の電力となります。
<事例>国内製造工場におけるCO₂削減に向けた取り組み
神戸工場では、2020年2月に、コージェネレーションシステムを更新しました。更新前に比べ、年間約960tのCO₂削減(神戸工場の総排出量の約4%)に貢献しています。 那須工場と茨城工場では、2021年2月より、従来のA重油から液化天然ガスに燃料転換したボイラーに更新しました。年間約1,370tのCO₂削減につながっています。
<事例>上海江崎グリコ南奉食品有限公司の取り組み
上海江崎グリコ南奉食品有限公司
上海江崎グリコ南奉食品有限公司では、2021年12月より、太陽光パネルによる発電(第1期)を開始し、年間約46万kWhの発電が実現しました。2022年、第2期パネル設置工事をスタートし、2023年2月から発電を開始しました。第1期・第2期合わせて年間約70万kWhの発電、294tのCO₂排出を削減できる見込みです。
<事例>Glico Manufacturing Indonesiaの取り組み
Glico Manufacturing Indonesia
『Pocky』の最新鋭技術が詰まった新工場、Glico Manufacturing Indonesia が2022年3月末に完成しました。 敷地面積は約6万㎡、建物の延床面積は約5万7,000㎡で、 『Pocky』の自社工場として過去最大規模です。 太陽光パネルを屋根に設置し、年間約124万kWhの発電、年間約1,100tのCO₂排出を削減できる見込みです。
物流における取り組み
Glicoグループでは、商品の輸送時のエネルギー使用量や積載効率等にも配慮して、CO₂の削減を進めています。
- 物流全体の効率を踏まえた物流拠点の展開・見直し
- 同業他社との共同配送の拡充による配送効率の向上
- 増トン車・トレーラー活用による積載量の向上
- 鉄道輸送・船舶輸送へのモーダルシフトの推進
オフィスでの取り組み
オフィスで最もエネルギーを使用するのは空調設備です。電気の使用量を削減するために、クールビズ・ウォームビズを推奨し、来社されるお客様にも趣旨をご理解いただけるよう案内を行っています。施設面においては、オフィスの照明や電子機器を省エネ型に切り替え、不要時の電源オフ徹底を呼び掛けています。また、オフィスで使用するコピー用紙、名刺については全て森林認証紙を使用しています。
セールスにおける取り組み
セールス部門では、業務の効率化や省エネ、エコドライブを推進しています。CO₂の排出が少ないハイブリッド車への入れ替えを進めるとともに効率的な運用にも取り組んでいます。また、グリコチャネルクリエイトでは、走行時のCO₂排出が少ない電気自動車を導入しています。
業務の効率化や見直しによる企業活動の質的向上
業務の効率化や見直しによる企業活動の質的向上が環境負荷低減につながるという考えのもと、事業活動の生産性向上やロス削減等に取り組んでいます。
表彰・認定等
Glicoグループでは、複数の事業所所在の行政機関から環境に関する表彰や認定をいただいています。
<事例>江崎グリコが、エコレールマーク取り組み企業として認定
<エコレールマーク認定商品>
<事例>「令和2年度グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」において、「経済産業大臣表彰」を受賞
2019年10月より、物流における社会課題への取り組みとして、食品製造に必要な原料をサプライヤー各社と共同で一括管理する新たな物流体制「VMI(Vendor Managed Inventory/ベンダーによる在庫管理)」を構築しています。これにより、トラック台数の削減等による環境負荷削減や納品時における荷下ろしの作業負荷低減に貢献しています。
<事例>「令和3年度グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」において、「国土交通大臣表彰」を受賞
NEXT Logistics Japanほか15社との取り組みとして「『ドライバー不足によりモノが運べなくなる』という社会課題解決に向けた高効率輸送スキームの構築」を実現しました。同取り組みでは、異業種・業態の複数の企業が個社で便を立てて行っていた輸送を、NEXT Logistics Japanのクロスドックセンターに荷を集め、25mダブル連結トラックで束ねて輸送することで、輸送効率を向上させ、省人化や労働環境の改善を図りました。
<事例>「令和4年度グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」において、「物流DX・標準化表彰」を受賞
チルド販売物流でのAI配車を活用した適正化モデルが「令和4年度 物流DX・標準化表彰」を受賞しました。 配送車両の効率化による積載率UP、CO₂削減、労働時間の短縮を目指し、ライナロジクス社・ゼンリンデータコム社とAI配車を導入しました。物量・配送リードタイム・納品時間などの配送条件を基にAIが高積載・効率的な配送ルートを設計、納品時間の微調整を経て大幅なCO₂削減、車両台数の削減、労働時間の短縮を実現しました。
<事例>「ホワイト物流」推進運動への参加
江崎グリコは、国土交通省・経済産業省・農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、「ホワイト物流」推進運動事務局に自主行動宣言を提出しています。 「ホワイト物流」推進運動とは、深刻化する運転手不足に対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に寄与することを目的とし、①トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化②女性や60代の運転者等も働きやすい「ホワイト」な労働環境の実現に取り組むものです。 今後も、物流事業者の皆さまとの相互理解の下に連携して、物流の効率化や生産性向上に向けた取り組みを進めていきます。
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取組項目 | 取組内容 |
物流の改善提案と協力 | 長時間待機の削減や附帯作業の是正等の物流改善について、物流事業者から要請があった場合には、真摯に協議に応じるとともに、着荷主(取引先)への働きかけを積極的に行います。 |
予約受付システムの導入 | トラックの予約受付システムを導入し、荷待ち時間を短縮します。 |
パレット等の活用 | パレット、カゴ台車、折りたたみコンテナ、通い箱等を活用し、荷役時間を削減します。 |
発荷主からの入出荷情報等の事前提供 | 発荷主として貨物を発送する場合に、物流事業者や着荷主の準備時間を確保するため、入荷情報等を早めに提供します。 |
リードタイムの延長 | 配車業務の安定化を図るため、着荷主(取引先)と協力し、受注から納品までのリードタイムの延長に取り組みます。 |
船舶や鉄道へのモーダルシフト | 長距離輸送について、トラックからフェリー、RORO船や鉄道の利用への転換を行います。この際に、運送内容や費用負担についても必要な見直しを行います。 |
運送契約の書面化の推進 | 運送契約の書面化を推進します。 |
異常気象時等の運行の中止・中断等 | 台風、豪雨、豪雪等の異常気象が発生した際やその発生が見込まれる際には、無理な運送依頼を行いません。また、運転者の安全を確保するため、運行の中止・中断等が必要と物流事業者が判断した場合は、その判断を尊重します。 |
トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化 | ・パレットへの積付け改善や増パレット車等のトラックの大型化により輸送の生産性を高めます。 ・物流部門だけではなく、調達、生産、セールス部門と連携し、End to Endの物流の効率化を図ります |
共同配送の推進 | 共同配送の展開を進め、積載率の向上、配送先の集約、配送頻度の削減等、配送の効率化に取り組みます。 |
<事例>地球温暖化対策の推進に優れた「トップレベル事業所」として認定
北本工場は、埼玉県より地球温暖化対策の推進に優れた「トップレベル事業所」として認定されました。(2018年4月) 2019年6月7日に世界銀行が主催する気候変動対策をテーマとする国際会議「Innovate 4 Climate」(シンガポール)で、各国におけるキャップアンドトレードに対しての課題や取り組み状況説明が行われました。北本工場は「トップレベル事業所」の認定を受けていることから、埼玉県から推薦を受けて1名がパネラーとして参加し「設備投資だけでなく運用改善でも大きなCO₂排出削減が可能である」ことをアピールしました。
世界銀行主催による国際会議(I4C)でCO₂排出削減取り組み状況を説明
<事例>公益社団法人 国土緑化推進機構の「緑の募金」に寄付
エコパウチを使用したガム「POs-Ca(ポスカ)」
江崎グリコでは、エコパウチを使用したガムの販売代金の一部から公益社団法人 国土緑化推進機構の「緑の募金」に寄付をしています。 この実績が評価され、農林水産大臣感謝状をいただきました。(2018年7月) また、東京都の2050年CO₂排出実質ゼロを目指す「ゼロエミッション東京」の取り組みに賛同し、CO₂削減クレジット10,836tを東京都に寄付しました。(2020年1月)
<事例>製造会社におけるVC活動
VC活動の報告会の様子
製造ラインを安定させることで高品質・低コストな生産体制や安全性の高い職場環境を実現するため、VC(Value Creation)活動を行っています。 Glicoグループの製造会社等が集まり、VC活動の報告会を実施し、年1回優秀事例を表彰しています。
<事例>時間外労働の削減
業務の生産性を上げることで、時間外労働の削減に努めています。この取り組みにより、時間外のエネルギー使用を削減することができます。
<事例>ペーパーレス化に向けた取り組み
Glicoグループでは、2018年1月より、業務効率化と生産性向上、資源の有効活用を目的とし、ペーパーレス化に取り組んでいます。