サラダ味って何?シンプルな味をクセになる味に変える秘密とは。_プリッツ

プレッツェルをヒントにおつまみ市場を目指した初代プリッツから、子どもも楽しめるおやつへ。

プリッツは、1950年台後半、新たな市場としておつまみ分野を開拓すべく、ドイツ菓子プレッツェルにヒントを得て開発されたお菓子です。わずかな資料を手掛かりに試行錯誤を繰り返し、第1号商品「プリッツ<ソーダスティック>」の誕生までには4年もの時間ががかかりました。当時の販売価格は30円。広島、神戸、新潟で試験販売をしたものの、TVCMや菓子小売店という販売ルートがおつまみのターゲット層に合わず、売上は伸び悩みました。
そこで、子どもも楽しめる甘いプリッツへと柔軟に路線変更。1963年に「バタープリッツ」を発表すると一気に品切れ続出の人気商品となりました。さらに1969年には塩味の「サラダプリッツ」を、1973年には焙煎した米を練り込んだ「ローストプリッツ」を発表。他にはない棒状の形とリズム感のある軽い食感でファンを増やしてきました。

お客様に喜んで頂くための飽くなきおいしさの強化。イースト発酵がプリッツ独自の香味や食感の秘密。

定番の小箱商品を中心に、お客様の嗜好の変化や食べられ方の変化に対応しておいしさの強化を行っています。例えば「プリッツ〈サラダ〉」は、プリッツの中で最もナチュラルでシンプルな味。プリッツ担当者は、まずサラダ味を焼けるようになることから始まるというほど、味の基本となる商品です。そのサラダ味をいかにおいしくするか。“何を変え、何を変えないのか” の見極めが課題となります。実は「プリッツ〈サラダ〉」のおいしさの秘密は発酵の香り。生地自体のイースト発酵や、原料の性質の違う香気の相乗効果で、シンプルな味わいに深みを増しているのです。意識してプリッツを味わうと、発酵による香りが鼻に抜けていくのがよくわかります。一方、発酵を“変える” 裏側には、発酵によって変わる食感を“変えない” ための技術も必要になります。お客様に期待される「プリッツ〈サラダ〉らしさ」を保ったまま、時代に合わせたおいしさを作り出しています。

アイデアの源泉は、たゆみなく続く応用開発の力。

2017年のリニューアルでは、「プリッツ〈サラダ〉」に発酵液を加え、吟醸酒のようにフルーティな香りと、長期熟成した深みのあるコクを加えました。アイデアの突破口となったのは、基礎的な研究の一環として進めていた発酵研究でした。イースト菌や食塩・糖などの条件を変えた短期発酵を試す中、伏線として長期発酵の研究も進めました。発酵感が命のサラダ味に深みを加えるため、最もサラダの風味に合う発酵素材を見つけ出しました。
プリッツのラインナップは定番商品からご当地プリッツまで多岐にわたります。そのひとつひとつが、風味だけでなく、素材や太さや食感まで最適化したレシピで作られています。多彩な商品の底に流れるのは不断の研究。基礎の確かさが、次へとつながる独創性を生んでいます。