なぜ神戸ストークスは強いのか?管理栄養士が語る食事管理とチーム文化

パフォーマンスに関わる栄養・休息のススメ

スポーツをしている者なら誰もが憧れる、輝かしい“勝利”の瞬間。そこで語られるのは、高い技術、華麗な戦術、そしてスター選手たちの活躍…

そんなスポットライトの陰でコツコツ積み上げられている日常を、実は我々はあまり知らない。
食事、コンディショニング、チームの文化、仲間との関わり
その日常にこそ勝利の土台がある。
今回は、そんな「見えない勝因」にGlicoのパワープロダクション担当者が直接迫っていく。

今回取材したのは、2026年5月にB2優勝を果たしたプロバスケットボールチーム・神戸ストークスの金田龍弥選手と、管理栄養士の佐藤さん。
1食に3合も食べるエネルギー補給やプロならではの食事管理、さらに「優勝しか見えていなかった」チームの姿勢など、食事管理や栄養戦略の裏側を紹介する。

神戸ストークスの金田龍弥選手と、管理栄養士の佐藤さん

1. 糖質への“執念” 激しいプレーを支えるエネルギー補給戦略

走る・跳ぶ・ぶつかる。バスケットボールは激しい運動の中でも、特に消費量が著しい競技である。
神戸ストークスの金田選手も「試合中動いたらすぐに痩せてしまう。だから、普段から食べる量を増やす意識をしていました」と振り返る。

実際、1日3,000〜5,000kcal、白米を1食3合摂取するという。一般の感覚では驚いてしまう量だが、それだけのエネルギー補給が必要なのがプロバスケットボール選手の身体である。

そんな神戸ストークスがシーズンを通してエネルギー補給のために重視していたのが、「糖質」の摂取だ。

管理栄養士・佐藤さんが取り入れているのは「グリコーゲンローディング」。グリコーゲンローディングとは、持久系競技や長時間の試合に出る選手に活用されている、試合前のエネルギー確保のために糖質の摂取量を調整することで、体内のグリコーゲン(糖質)を十分に蓄えることを目的とした栄養戦略の一つである。
詳しくはこちら「カーボローディングとは。食事の摂り方や実践方法について

さらに佐藤さんは、昨シーズンの練習中、エネルギー不足が疑われて動けなくなってしまった選手の存在を明かした。その経験からも、改めて糖質の大事さを痛感したという。

痩せてしまうほど過酷な運動量の中で、相手に負けないフィジカルを作るーそんな無茶に応えるカギは「糖質を、きちんと摂る」というシンプルさ。「プロは驚くほど基本を徹底する」ということが、栄養戦略から見てもうかがえる。

2. 栄養は管理するものではない 管理栄養士の哲学とは

管理栄養士が作るごはんだけが栄養ではない。自宅で食べる食事も含めて「体づくり」なのだ。
食事全般に責任を持つ佐藤さんは、家で食べたごはんを対象に「食事調査」を行っているそう。

「体が変わるのは3か月に1回のペースだと言われています。選手に1日に何を食べたか、写真を送ってもらって、摂取カロリーや栄養を計算して個別にフィードバックをしています。」という徹底っぷりだ。

さらにInBody(体に微弱な電気を流して、筋肉量、体脂肪量、水分量などの体成分を詳しく調べる高精度の測定機器)を取り入れたり、栄養に関する選手向けセミナーを月ごとにテーマを変えて行ったりしている。これを聞くと、厳格な「管理」をイメージしてしまうかもしれないが、実は少し違う。

佐藤さんの取り組みの根底に共通するのは選手への「意識づけ」だ。自分で自分を理解すること。自分に必要なものをきちんと知ること。

神戸ストークスが作ろうとしているのは、栄養管理された選手ではない。自ら身体を管理できる選手なのである。

3. 「優勝しか見えていなかった」神戸ストークスを支えたチーム文化

金田選手

「自分たちが目指したのは、もう優勝の一つだけだった」
そう語る金田選手の、強気なまなざしが印象的だった。

神戸ストークはずばり「明るいチーム」。金田選手はそう答える。
「やっぱりいい日、悪い日は誰にでもあると思います。そういうのを全員で引っ張って、前に、ポジティブに、上に。誰かがミスした時にもマイナスな言葉や気持ちにならずに、それぞれが引っ張る。」

勝ち始めた時期のチームの雰囲気は、まさに「不変」。一喜一憂しない。勝ち続けても、すぐに試合のことを考える。

そんな選手たちは練習以外でも時間を共にするそう。年齢関係なく仲が良く、一緒に温泉に行ってリラックスすることも。

また、食事も日々の楽しみの一つ。選手同士はもちろんスタッフも交じって、みんなで食卓を囲み、バスケの話をする。メニューは、とり天うどん、おにぎり、タコライス、いなりずし…。

翌日がオフの日に、リフレッシュを目的とした特別メニューを用意したこともあるらしく、「バナナチョコサンドイッチみたいなものも一回作りましたね。ホイップクリームかけて、チョコソースもかけて。甘党の選手が、何これ!!と (笑) 明日オフだし、ちょっとリフレッシュも兼ねて。」と佐藤さんは笑う。

神戸ストークスの強さは、厳しさだけではない。
練習場には、緊張感はありつつも活気と熱気に満ち、互いに声を掛け合う選手たちの姿があった。
「優勝しか見えていなかった」集団を支えていたのは、そんな居心地の良さでもあった。

ちなみに選手に人気のおにぎりの具は、ツナマヨだ。

4. 正解は、一つじゃない 体質も性格も違うから、オーダーメイドの栄養を

「糖質を入れると、動きづらくなる選手もいるんです」
糖質の大事さを語った管理栄養士・佐藤さんはそう言った。

糖質が合うのか、脂質が合うのか。選手の体感や考えをもとに一人ひとりと対話を重ね、個別に栄養戦略を考えていくのが神戸ストークス流だ。

考えるのは体質だけにとどまらない。例えば、佐藤さんが「朝はこれを食べよう」と示す選手もいる。それは、決めてくれた方が楽だという「習慣化派」選手の性格に合わせて提案しているのだ。

また、今年の神戸ストークスと言えば特に、外国籍の選手にも注目が集まる。
ビーガンや宗教上の理由、そして日本食との相性。必要なカロリーも体の大きさも違う選手に個人として真正面から向き合っている。

栄養摂取の手段でありながら、同時に日々の楽しみでもある食。だからこそ「共通の正解」を決めない。神戸ストークスの栄養戦略に共通するのは、「誰かに合った方法が、自分にも合うとは限らない」という考え方だ。

5. 神戸ストークス流・サプリメントの活用方法

プロはサプリメントをどう使うのか。
佐藤さんは意外にも「私もどちらかというと否定派の人間ではあるんですよ」と笑う。
栄養は基本食事から摂ってほしい。その考えは今でも変わらない。

それでも佐藤さんがサプリを使う理由は、「食事かサプリか、ではなく、足りないものをどう補うか」という考え方からだ。

ここで佐藤さんから伺った活用法を紹介する。

  • 特定の食品にアレルギーを持つ人が, 足りない栄養成分を補う
  • 海外遠征時など、なかなか食事から栄養が摂り切れない環境にいるときに使用する

食事を軸に考えながらも、不足するエネルギーや栄養素を補う手段として、パワープロダクションの粉末ドリンク「CCD」やプロテインなども取り入れている。

運動時の糖質補給に「CCD推し」だと語る佐藤さん。「飲み物で、しっかり糖分を摂れる点が良くて…!」
また、「あと、プロテインもずっと使っているんですよ」という。実際、金田選手は体づくりのため、毎日プロテインを飲んでいる。

プロテインを飲む金田選手

サプリメントは魔法ではない。食事が基本。不足するものを補うのがサプリ。
その順番が揺らぐことはない。
だからこそ神戸ストークスの補給戦略には説得力がある。
食事を大切にする管理栄養士だからこそ、必要な場面ではサプリメントも活用する。

まとめ:神戸ストークスの見えない勝因、それは栄養戦略とチーム文化だった

1食で3合の白米を食べる。食事を写真で提出する。勝っても次の試合のことを考える。
神戸ストークスの見えない勝因は、特別な裏技ではなかった。

驚くほど基本的なことを、驚くほど真剣に続けること。
一つひとつは些細に見える習慣だが、その積み重ねが大きな差を生む。

パワープロダクションもまた、その積み重ねを支える選択肢の一つとして、これからもアスリートの挑戦に寄り添っていきたい。

神戸ストークス 選手使用商品

写真提供:神戸ストークス

廣田 咲
江崎グリコ株式会社 健康イノベーション事業本部 食品事業マーケティング部 運動能力マーケティンググループ所属。スポーツやコンディショニングに関する情報発信を担当。

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