
パフォーマンスに関わる栄養・休息のススメ

女子サッカー最高峰・WEリーグで優勝を果たしたINAC神戸レオネッサ。
トップ選手たちは輝かしい勝利の裏で、どのようなコンディショニングやリカバリー、栄養管理を実践しているのだろうか。
今回取材したのは、INAC神戸レオネッサの久保田真生選手、太田美月選手、そしてトレーナーの立石さん、広報の座間さん。
毎朝の「握手」から生まれるコミュニケーション、女子アスリートならではのコンディション管理、90分を走り切るための補給戦略とスポーツ栄養…
スポットライトの陰でコツコツ積み上げられている日常にこそ、勝利の土台がある。
今回は、そんな「見えない勝因」にGlicoのパワープロダクション担当者が直接迫っていく。

目次
優勝チームの朝と聞くと、どのような光景を想像するだろうか。戦略会議か。それとも、徹底的な走り込み?
「監督が持ってきた取組みなんですけど、うちは毎朝絶対これをするんです。」
おもむろに選手2人がにこりと目を合わせ、そして、パチン!

朝会ったら、先輩後輩関係なく、パチンと握手をするのが、INAC神戸流・朝の習慣。
「握手をするので毎朝絶対にあいさつするんですけど、それで顔を合わせたときに、あ!髪切った?とか本当にちょっとしたことでもコミュニケーションが生まれるんです。ふざけたりとかもして(笑)」
そんな選手たちは日常でも仲が良い。ボケ・ツッコミの応酬で、遠征先の食卓でも年齢関係なく和気あいあい。
小さな触れ合いが、コミュニケーションや関係性を生む。日常で会話がかみ合うことで、プレーもかみ合っていく。
ここぞのときに力を発揮する優勝チームの土台となっていたのは、こんなにも温かい毎朝の積み重ねだった。
「うちのチームは、個性の塊」
「そう!個性の塊」
久保田選手と太田選手は笑い合う。
「クセが強いよね。自分に自我がある。なんかインパクトある。でもさ、チームワークはめっちゃいいよね!」
みんなが意見を言い合い、オンでもオフでも、ひとりひとりの個性が際立っている。それでいて、チームとして繋がっている。
その秘密は会話にあった。
監督は就任以来、選手一人ひとりと話す時間を設けているという。試合の振り返り、練習で気になったこと、悩みなど、何でも話しやすい関係。監督が目指しているサッカーと、選手がどう動けばいいか、そんなすり合わせを会話の中で頻繁にする。監督がそんな風に大枠を示すからこそ、その枠の中で個性を発揮できる。
また、その文化はスタッフ間にも広がっている。なんと、スタッフ同士の雰囲気も驚くほど良いそうだ。いい組織は、上の人たちの関係性がいい。それが端から見てもわかる―そう語る選手たちに、トレーナーの立石さんも深くうなずいた。
プレーをする者だけがチームではない。監督、選手、スタッフ、全員で1つのチーム。対話によって組織全体がまとまることで、組織としての強さがぐっと増しているのだ。
ここでひとつ、選手と監督の関係を象徴するエピソード「勝利の儀式」を紹介する。
場所は試合に勝ったロッカールーム。監督が姿を見せるといよいよ、来るぞ来るぞ・・・と息を凝らす選手たち。そして監督が口を開く「…………最高ですっ!!!」
その言葉を皮切りにわあーーーーっ!と選手たちが叫ぶ。ロッカールームが熱気と勝利の喜びに包まれる瞬間である。
プロの女性アスリートのコンディショニングは、どんなものなのか。
その方針は、「トレーニング後、同じくらいのリカバリーをする」だ。狙いは、次の日も10割でしっかりトレーニングをすること。やはりリカバリーをしなければ、日々トレーニングの強度が下がってくる。トレーニングは日々続けてこそである。翌日、翌々日の練習を見据えて、リカバリーを徹底するプロの姿勢、これこそ見えない勝因だ。
具体的なもので言うと、例えばアイスバス。練習終わり、キンキンに冷えた水に入って下半身を冷やし、熱を持った筋肉の温度を下げる。そんなリカバリー方法に、選手たちは「脚が軽くなる」「気持ちもすっきりする」とその効果を実感しており、遠征先でも実践するほど定着しているそうだ。
また、メドマーも活用している。メドマーとは、空気圧で足や腕をマッサージして血液とリンパの流れを良くする、管理医療機器のエアマッサージ器のことだ。遠征先でも行っており、選手たちも「締め付けられることで血流が良くなった。気持ち軽くなっている気がする」と答えた。
女子アスリートにとって、月経周期の把握も重要なコンディション管理の一つだ。トレーナーの立石さんは男性だが、選手たちと気兼ねなく月経の話をしているそう。「月経が来てないとか、何日遅れているとか、来てどういう体調の変化があるとか、そういうのは常に教えてくれるんで。それならこうしようとかっていう提案が常々できていると思いますね」。もちろん選手たち同士も月経をはじめ身体の話や悩みを日常的に話題に出すという。
また、選手自身も月経周期による身体の変化を体感している。自身のコンディションを理解し、その状態に合わせて怪我の予防や身体のケアを行っているそうだ。
良いプレーをする自分になるためには、まずは自分を把握することから。INAC神戸は選手・トレーナー一体となって、徹底したコンディショニングに取り組んでいる。

アスリートが摂る栄養と想像すると、たんぱく質、脂質・・・
しかし選手たちの話の中で印象的だったのは、キウイとわかめといった食材の名前だった。
「栄養指導をされる先生がいて、キウイを摂りなさいって!」
「あとわかめも。海藻系だよね。もずくとか」
キウイにはビタミンCや食物繊維、わかめなどの海藻類にはミネラルが含まれている。たんぱく質や炭水化物だけでなく、こうした栄養素も意識して摂るよう心がけるのがINAC流である。
「たんぱく質とか、脂質摂っとけばなんとかなるでしょって思ってたんですけど、そこに+αで栄養を摂らないといけないらしくて。お昼と一緒にキウイ持ってくるとか、実践してます。」
さらに、久保田選手が昨シーズンに実践したのは試合前のグルテンフリー。いつもならうどんを食べるところを、お餅に置き換えて臨んだ。アスリートの栄養戦略は個人の体質や体調によって異なり、久保田選手も自身に合う方法を模索する中で取り入れていたという。
象徴的な栄養源だけでなく、ビタミンやミネラルなどバランスよく食べるスポーツ栄養の意識を選手が持ち、実際に行動に移している。アスリートにとって資本の身体は、栄養からも大きく支えられていた。
さらに、普段寮生活を送る選手たちは、寮のごはんの他に近隣ホテルのビュッフェも活用しているそう。季節ごとに変わる多数のメニューが楽しめるらしく、選手も「自炊で、色んな野菜を取りそろえたサラダを食べるのは難しいので、ありがたいです」と語る。
サッカーは、シーズンを通してずっと走り続けないといけない過酷なスポーツである。
そんなサッカー選手たちは、どのように試合の90分を乗り越えているのか。
『パワープロダクションのサプリ、「オキシアップ」飲んでます!もう超愛用!ヘビーユーザーですっ!』
そう語る久保田選手は、エキストラオキシアップを毎日、練習前の補給習慣として継続している。
また、太田選手は『結構汗かくタイプで、(水分が)抜けてっちゃうんで、パワープロダクションの粉末ドリンク「CCD」はよく飲んでいましたね。』と、水分とエネルギーを同時に速やかに摂取できるドリンクを飲む習慣を明かした。

立石さんは、数字でもきちんと選手たちを見ているようで、体重の増減や、GPSを用いた運動強度・走行距離などを常に把握し、コンディションチェックに活かしている。直接選手に「練習中に常に水分を飲むこと、特に体重の2%の量を下回らないように!」と、サッカー選手にとって重要な水分補給について、本人曰く「口うるさく(笑)」伝えている。また、コミュニケーションとデータ両方で選手の疲労感を確認する。
試合の日だけでなく、普段の練習からもこうした補給や管理を心がけている。会話ひとつ、補給ひとつが試合時に発揮されるエネルギーの、大きな土台を作っているのだ。
INAC神戸の強さを支えているのは、特別な魔法ではない。
毎朝のあいさつ、監督やスタッフとの対話、日々の食事や補給、そしてリカバリーへの意識…
一つひとつは些細に見える習慣だが、その積み重ねが大きな差を生む。
パワープロダクションもまた、その日々の積み重ねを支える選択肢の一つとして、これからもアスリートの挑戦に寄り添っていきたい。
写真提供:INAC神戸レオネッサ
廣田 咲
江崎グリコ株式会社 健康イノベーション事業本部 食品事業マーケティング部 運動能力マーケティンググループ所属。スポーツやコンディショニングに関する情報発信を担当。
