たべもの事典 色素(しきそ)について学ぼう!!たべもの事典 色素(しきそ)について学ぼう!!

たべもの事典 でんぷんについて学ぼう!!

二つのラーメンどっちが
おいしそう?

同じラーメンでも、色があるとおいしそうに見えるね。人間は目(視覚・しかく)、耳(聴覚・ちょうかく)、鼻(嗅覚・きゅうかく)、舌(味覚・みかく)、肌(触覚・しょっかく)の五つの感覚(五感)を持っていて、その五感の半分以上は視覚に頼っているんだって。だから、材料を変えなくても色を変えるだけで、かんたんに印象(いんしょう)やイメージを変えることができるんだ。この感覚を利用して、食品に「彩(いろど)り」を与えることで、おいしく楽しく食べてもらえる役割を持っているのが「着色料」なんだ。また、工場でつくられる食品の色合いを整えることで、色ムラなどで廃棄(はいき)される食品を少なくする役割もあるよ。

  • 二つのラーメンどっちがおいしそう?
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着色料の種類

日本では、「食品衛生法(しょくひんえいせいほう)」という法律(ほうりつ)のもとで、さまざまな試験によって安全性が確認され、許可されたものだけが使われているよ。また、伝統的な醗酵(はっこう)食品や植物など、昔から私たちが口にしてきたものの中で、着色料として使うことができるようになったものもあるよ。中国や日本などでは、古くから利用されてきたものが多く、自然な色合いになるんだ。これらの規格基準(きかくきじゅん)は、「食品衛生法」による「食品添加物公定書(しょくひんてんかぶつこうていしょ)」や、日本食品添加物協会(にほんしょくひんてんかぶつきょうかい)の「既存添加物自主規格(きぞんてんかぶつじしゅきかく)」に書かれているよ。

着色料の種類着色料の種類
赤色系

ベニコウジ色素

  • ベニコウジ色素ベニコウジ色素
    ベニコウジ色素
  • カニ風味かまぼこ
    カニ風味かまぼこ魚のすり身で作ったかまぼこに、ベニコウジ色素
    などを使って、カニ足に見立てているんだ。

ベニコウジ色素とはかんたんに言うと、ベニコウジ菌が作る色素だよ。 ベニコウジは別名「モナスカス」とも呼ばれていて、日本の代表的な食品である味噌(みそ)やしょうゆを作ってくれる麹菌(こうじきん)の黄麹(きこうじ)と同じ仲間なんだ。

ベニコウジ菌は中国、台湾で紅酒(アンチュ)、紅豆腐(ホンフールー)などの発酵食品(はっこうしょくひん)や、漢方薬(かんぽうやく)、紹興酒(しょうこうしゅ)を作るときの原料など、昔から一般的な材料として使われていたんだ。日本の沖縄でも、豆腐(とうふ)よう紅ムーチ(ちまき)といった伝統食品(でんとうしょくひん)にベニコウジが使われてきたんだ。

ベニコウジ色素を作る方法としては、米、パン粉などで育てる固体培養法(こたいばいようほう)以外にも、大きなタンクの中の培養液(ばいようえき)で育てる液体培養法(えきたいばいようほう)があるんだ。 色調は深みのある赤色で、カニ風味かまぼこやジャムなどの食品に利用されているよ。

赤色系

ラック色素

  • ラック色素ラック色素
    ラック色素
  • アイスクリーム
    アイスクリームラック色素は、とってもきれいなピンク色になるよ。
    アイスクリームに使用されていることが多いよ。

ラック色素はインド、タイなどに生息するラックカイガラムシのメスが出す樹脂状物質(じゅしじょうぶっしつ)からとれる色素のことだよ。この樹脂状物質(スチックラック)が色素成分(ラック色素)と樹脂成分(セラック)に分けられて、利用されているんだよ。

スチックラックは古くから漢方薬(かんぽうやく)として利用されていて、日本の正倉院(しょうそういん)にも「紫梗(しこう)」と呼ばれるスチックラックが保存されているんだ。色素としても古くから利用されていて、古代中国やインドでは染料(せんりょう)として使われていたんだ。色調はあざやかな赤色で、熱や光に強いという特徴(とくちょう)から、アイスクリームやキャンディ、ジュースなどの着色料に使われているよ。

ちなみに表面がつやつやしたチョコレートや粒ガムがあるよね。あれは表面をセラックでコーティングしているんだよ。

赤色系

コチニール色素

  • コチニール色素コチニール色素
    コチニール色素
  • 紅白かまぼこ
    紅白かまぼこ日本では古くからお祝い事の時に赤(紅)と白の
    対称となる色を用いてきたんだ。

コチニール色素は、中南米砂漠地帯(さばくちたい)に生息するウチワサボテンにくっついているカイガラムシ科エンジムシから取れる色素だよ。主成分は「カルミン酸(さん)」でコチニール色素は別名「カルミン酸色素」ともいうんだ。

古くは赤色の着色料として南米インカ帝国の時代から衣服や装飾(そうしょく)の色づけに使われていたことがわかっているんだ。また、アメリカでお酒の一種カンパリが開発され、そこに使用されたことでとても有名になったんだよ。

カルミン酸は酸性(さんせい)でオレンジ色、中性で赤色、アルカリ性でむらさき色になるんだ。また、この色素は安全性に関してのデータが世界的に確立された色素のひとつなんだよ。

今ではその赤色の美しさや高い安定性から、お酒だけではなく、世界中で赤色やピンク色に表現したい食品に使われているよ。日本でも、「桜色」のような季節を彩(いろど)る 食品や「紅白」といったおめでたい食品など日本独自の場面で使用されているんだ。

赤やピンクのいろんな食材に使われてるんだね
赤色系

ビートレッド

  • ビートレッドビートレッド
    ビートレッド
  • ビートの根とその断面
    ビートの根とその断面

ビートレッドは北アメリカ、ロシア、ヨーロッパ、中東、南米、中国などに分布するサトウダイコンの一種であるビートの根から取れる色素だよ。

ビートの根の皮は赤くて、中は紅、白、灰色などで断面には紅色または黄色の模様(もよう)があるんだ。古代には薬として使われていたんだよ。また、ヨーロッパではいろんな料理にも利用されているんだ。代表的なものとしては東ヨーロッパの伝統的な料理ボルシチがあるよ。
ボルシチはビート、タマネギ、ニンジン、キャベツ、場合によっては牛肉などを炒めてから、スープでじっくり煮(に)込んで作るんだ。この料理の特徴(とくちょう)である赤色のスープはビートレッドによるものなんだよ。

あざやかな赤色である特徴を利用して、アイスクリームなどの冷菓(れいか)、生クリーム、チョコレートなどのいろんな食品に利用されているよ。みんなの身近なところだと、イチゴ味のチョコレートやアイスクリームなどに使われていることが多いんだよ。

野菜からできた着色料でおかしに色をつけるんだね!
赤色系

アナトー色素

  • アナトー色素アナトー色素
    アナトー色素

中南米がふるさとのベニノキ(紅の木)。ベニノキはペルー、ブラジル、チリ、ケニアなどで栽培(さいばい)されていて、メキシコではタコス、シチュー、ソースなどに使われている、とてもなじみのあるものなんだ。ベニノキの種はコショウに似た辛味があって、熱帯地方(ねったいちほう)では香辛料(こうしんりょう)として使われているんだよ。

また、そのベニノキの種からとれるのがアナトー色素。写真のような濃い赤色は加熱することによって赤色~黄色に変化するんだ。赤色~黄色のそれぞれの色の特徴(とくちょう) をいかして、赤色としてはみそやタレに、黄色としてはパン粉やスナック菓子(がし)などに使われているよ。

赤色系

パプリカ(トウガラシ)色素

  • 赤トウガラシ
    赤トウガラシ
  • パプリカの果実
    パプリカの果実
  • パプリカ色素を使ったおかし
    パプリカ色素を使ったおかし辛い食品や辛いおかしにパプリカ色素が
    使われることがあるよ。

野菜には赤、緑、黄など、その言葉どおり「いろんな」種類があって、みんなの食卓(しょくたく)に彩(いろど)りを与えてくれるよね。 でも、元をたどっていくと実は同じ仲間だった!なんてこともあるんだ。

例えば、中華(ちゅうか)料理などにはかかせないトウガラシ、みんなも知っているピーマンとそれを完熟(かんじゅく)させたパプリカ、これらはみんな「ナス科トウガラシ属(ぞく)」という同じ仲間なんだよ。

この中でトウガラシは辛味成分「カプサイシン」が多く含まれるので「辛味種(からみしゅ)」に、ピーマンやパプリカは「甘味種(かんみしゅ)」に分かれているんだ。だから赤いパプリカは生で食べても甘みがあるように「赤い=辛い」ではないんだよ。

赤い成分は主に「カプサンチン」という物質(ぶっしつ)で、これを色素に使ったのがパプリカ(トウガラシ)色素なんだ。また、この「カプサンチン」は油溶性(ゆようせい)で、水にとけない物質なんだよ。なので、みんなが知っているマヨネーズにも使われている「乳化(にゅうか)」という技術を用いて、水と油が良く混ざるようにした色素がよく使われているよ。

パプリカとトウガラシのどちらも色素成分が同じという理由で、日本の法律(ほうりつ)では原材料名にパプリカ色素・トウガラシ色素のどちらを書いてもよい、ということになっているんだ。 これらは、橙色(だいだいいろ)~赤橙色をしていて、トウガラシそのものを用いるキムチやタレだけでなくオレンジ色をしたいろんな食品に使われているんだ。

トウガラシもパプリカも色の成分は同じなんだね
赤色系

アントシアニン系色素

  • アントシアニン色素アントシアニン色素
    アントシアニン色素強い酸性(左)から弱い酸性(右)に
    したときの色の変化だよ。
  • しば漬け
    しば漬けあざやかなむらさき色の漬け物で、
    ナスやキュウリ、シソなどを塩に漬(つ)けて
    発酵(はっこう)させたものだよ。

アントシアニン系色素は多くの植物が持っている色素で、植物の花や実などの色に関係している色素だよ。ブドウやブルーベリー、赤キャベツや赤ジソなどに多く含(ふく)まれていて、酸性(さんせい)~アルカリ性で色が変化するんだ。

みんなが食べている梅干しは赤い色をしているよね。これは梅を漬(つ)ける時に赤ジソを入れて、その赤ジソからでるアントシアニン系色素で赤い色になっているんだよ。実は江戸時代よりも前までは梅干しは赤くなかったんだ。江戸時代の中ごろに、梅干しを彩り(いろど)りよく、おいしそうに見せるために赤ジソを入れるように工夫されたんだ。アントシアニン系色素は今ではゼリーやジャム、おかしや 漬け物など、さまざまな食べ物に利用されているんだよ。

秋にカエデやナンテンなどの葉が赤く色づくのも、アントシアニンの働きによるものなんだ。秋になって植物が葉を落とすための準備をはじめると、葉のつけねの部分にかべができるんだ。すると、葉で作られた栄養は葉の中にとどまることになり、これらを利用してアントシアニンが作られて葉が赤くなるんだよ。イチョウやポプラなどアントシアニンが作られない植物もあって、これらの植物の葉は赤くならずに黄色くなるんだ。

黄色系

クチナシ黄色素

  • クチナシ黄色素クチナシ黄色素
    クチナシ黄色素
  • クチナシの果実
    クチナシの果実
  • サフランの花
    サフランの花
  • スペインの米料理「パエリア」
    スペインの米料理「パエリア」サフランは赤色なのに、お米と一緒に炊(た)くと、
    黄色くなるのは、「クロシン」によるものなんだ。

初夏に香る花木として有名なクチナシ(梔子)。その果実から取り出したカロテノイド系色素だよ。中国では古くから、漢方薬(かんぽうやく)として使われていたようなんだ。日本でも、栗の甘露煮(かんろに)や酢(す)の物、漬け物等に色づけとして使用されているんだ。主な成分はクロシンまたはクロセチンだよ。アルカリ性では明るくあざやかな黄色になるので「かんすい」を使うラーメンによく使われているんだ。

クチナシ黄色素が含まれる食品例

  • ラーメンや惣菜(そうざい)
  • キャンディなどのおかし
  • アイスクリームなどの
    冷菓(れいか) など

「カロテノイド」とは…?

動物・植物がもつ黄・赤色色素をまとめてカロテノイドと呼ぶよ。 天然のカロテノイドには、β-カロテン・リコピン・アスタキサンチンなど、有名なものも含めて700種類以上あるんだ。 クロシンとクロセチンもこれらカロテノイドの一つだよ。これらは、抗酸化作用(こうさんかさよう:活性酸素(かっせいさんそ)を取りのぞいて、細胞(さいぼう)の老化(ろうか)を防いだりする作用)があるんだ。 動物は、体内で作ることができないから、野菜や果物から摂取(せっしゅ:食べてとりこむこと)しないといけないんだ。また、脂溶性(しようせい:油にとけやすく、水にとけにくいこと)のものがほとんどだから、脂肪(しぼう)といっしょに食べると効果的だよ。

「クロシン・クロセチン」とは…?

両方とも天然カロテノイドの一種だけど、特にクロシンが他のカロテノイドと違うのは、水溶性(すいようせい:水にとけやすいこと)の特徴(とくちょう)を持っていることなんだ。クロシンとクロセチンはクチナシ以外にも、サフランのめしべにもあって、これらは、古代ギリシアやローマ帝国(ていこく)で貴族(きぞく)のための染料(せんりょう)として使われてきたんだ。 また、パエリア(スペインの米料理)やブイヤベース(フランスのスープ料理)が黄色いのも、サフランの中にあるクロシンとクロセチンの自然な着色によるものなんだよ。

  • サフランの花
    サフランの花
  • スペインの米料理「パエリア」
    スペインの米料理「パエリア」サフランは赤色なのに、お米と一緒に炊(た)くと、
    黄色くなるのは、「クロシン」によるものなんだ。
黄色系

ベニバナ黄色素

  • ベニバナ黄色素ベニバナ黄色素
    ベニバナ黄色素
  • ベニバナ黄色素を使ったキャンディ
    ベニバナ黄色素を使ったキャンディ見た目が黄色いだけで、レモンのようなすっぱい
    キャンディに見えるね。

ベニバナの種から食用の油(ベニバナ油)がとられているのは知っているかな?このベニバナの花からは、ベニバナ黄色素が取り出されているんだよ。

ベニバナ黄色素の主成分は、サフラワーイエロー(サフロミン)類といって、花から取り出されるよ。ベニバナ黄色素は酸性(さんせい)に強いから、レモン飲料やキャンディなどに使われているんだよ。また、パエリアに使われるサフランとよく似た色をしていて、高価なサフランの代わりに使われることもあるよ。

これとは別にカーサミン(カルタミン)という水にとけない成分も含まれていて、赤色色素として、主に化粧品(けしょうひん)などに利用されているよ。

黄色系

β-カロテン

  • 水に分散したβ-カロテン水に分散したβ-カロテン
    水に分散したβ-カロテン
  • β-カロテンを配合したマーガリン
    β-カロテンを配合したマーガリンマーガリンを何度も使っていると、黄色く見えることが
    あるけど、これはβ-カロテンの色がこく見えるからなんだ。

β-カロテン(ベータカロテン)とはカロテノイド系の代表とも言われるほど、いろんな食品に含(ふく)まれている橙(だいだい)~黄色をした成分なんだ。特にニンジン、カボチャ、トマトなど、色のこい緑黄色野菜や果物に多く、ニンジンの橙色(だいだいいろ)のもとになっているんだ。「カロテン(carotene)」という名前はニンジン(carrot;キャロット)からきているんだよ。

このβ-カロテンは体の中に吸収(きゅうしゅう)されるとビタミンAに変わり、免疫力(めんえきりょく)を高めたりするなどいろんな効果を発揮(はっき)するんだ。植物は自分でこのβ-カロテンを作ることができるけど、人間や動物は作ることができないんだ。だから、緑黄色野菜を食べることが大事なんだね。

また、この色に着目して「色素」として利用するようにしたβ-カロテンもあるんだ。このβ-カロテンはもともと油にしかとけないのでマーガリンなどの油脂(ゆし)食品やクリームなどの着色にすぐれているよ。また、水に分散(ぶんさん)するようにして、より多くの食品に利用できるようにしたものもあるんだ。

青色系

クチナシ青色素

  • クチナシ青色素クチナシ青色素
    クチナシ青色素

クチナシ青色素はその名のとおり、青い色素の代表なんだ。 クチナシ黄色素の主成分は「クロシン・クロセチン」だったけど、クチナシ青色素は「ゲニポシド」という青くなる成分を利用したものだよ。

その昔、クチナシと同じアカネ科の仲間の植物があって、アメリカの中部や南アメリカではジャムなどの食用として用いただけでなく、皮膚に触れると青色になる「ゲニポシド」を利用してタトゥーにも伝統的に利用されていたんだ。また、この成分がアジアで使われていたクチナシにも含まれていたことがわかって青色素として開発されたんだよ。

クチナシ青色素はクチナシ黄色素と混ぜて緑色の色素を作ることもできるよ。

緑色系

クチナシ緑色素製剤

  • 黄色+青色は何色かな?黄色+青色は何色かな?
    黄色+青色は何色かな?
  • クチナシ緑色素製剤クチナシ緑色素製剤
    クチナシ緑色素製剤

クチナシの果実からは、黄色と青色の色素成分が取り出せることを紹介(しょうかい)したね。 (着色料の種類のクチナシ黄色素と、クチナシ青色素だよ。)

この2つの色素を混ぜると何色になるか、わかるかな?

黄色と青色を混ぜると、緑色になるんだよ。また、混ぜる量を変えることで、メロンのような明るい緑色や、よもぎ、ピーマンのような深みのある緑色を作ることができるんだ。

パン、菓子、麺(めん)、かまぼこ、わさび加工品などたくさんの食品に利用されているよ。

青色と黄色の絵の具を混ぜたときと同じだね!
茶色系

カカオ色素

  • カカオ色素カカオ色素
    カカオ色素
  • 原料となるカカオの外皮(カカオハスク)
    原料となるカカオの外皮(カカオハスク)

カカオ色素はその名のとおり、カカオの豆や外皮(カカオハスク)に含まれている色素だよ。

チョコレートやココアの原料としても知られているカカオの原産地は中南米、今のブラジルやベネズエラのあたりだと言われているんだ。カカオはもともと他の果物と同じように、果実が食べられていたんだけれど、ある時、熱を加えることでカカオ豆がすばらしい味と香りを出すことを発見したんだ。

その後、カカオ豆は焼いてすりつぶし、飲み物として利用されるようになっていったんだ。色素として利用するカカオの主成分は熱によって2つ以上くっついたアントシアニンだよ。茶色や褐色(かっしょく)に色づけできて、おかしやパンはもとよりハム・ソーセージのスモークカラーなどにも利用できるんだ。

黒色系

植物炭末(たんまつ)色素

  • 植物炭末色素の分散(ぶんさん)液植物炭末色素の分散(ぶんさん)液
    植物炭末色素の分散(ぶんさん)液
  • 植物炭末色素を使ったロールケーキ
    植物炭末色素を使ったロールケーキ卵の色が出る黄色いロールケーキに比べると
    印象が強いね。

植物炭末(たんまつ)色素とはいわゆる色素として利用できる「炭(すみ)」のことをさすんだ。 バーべキューの時に使ったり、おうちのにおいを取るために使われていたりしてみんなもよく知っている炭だけど、成分のほとんどが「炭素(たんそ)」なんだ。

炭には作る時の温度によって黒炭と白炭というのがあって600℃から800℃で焼いた炭を黒炭といい、例えばバーベキューなどで使う炭になるんだ。

一方、800℃から1200℃の超高温で焼いた白炭は「活性度(かっせいど)(炭がいろんなものを吸着(きゅうちゃく)する面積の大きさ)」が高く、備長炭(びんちょうたん)や活性炭(かっせいたん)としていろんなものに使われているよ。

この白炭の不純物(ふじゅんぶつ)をできるだけ取りのぞき、食品として使えるようにしたものが着色料として使われるんだ。食品に添加(てんか)すると黒く着色することができ、高級感(こうきゅうかん)や印象(いんしょう)の強さから、和菓子(わがし)、洋菓子(ようがし)などで新しいイメージを打ち出した食品に使われているよ。

黒色系

イカスミ

  • 水に分散したイカスミ水に分散したイカスミ
    水に分散したイカスミ
  • イカスミスパゲッティ
    イカスミスパゲッティイカスミは、黒いだけじゃなくてうまみ成分も
    たくさん入っているよ。

イカスミは、その名の通りモンゴウイカなどイカの墨袋(すみぶくろ)から取り出したものだよ。 独特(どくとく)の風味があって、地中海(ちちゅうかい)地方では調理によく使われているよ。イカスミを使ったスパゲッティは、知っている人も多いんじゃないかな?その他には、パエリアに混ぜこまれることもあるよ。

日本では、1990年代に多くの人に知られるようになって、今ではいろいろな料理に使われているよ。

また、イカスミを乾燥(かんそう)させて粉末状にしたものは黒色に着色するための色素としても利用されていて、ソフトクリームやガムなどいろいろな食品に使用されているよ。

スパゲッティのほか、おかしにも使われてるんだね