石狩鍋とは、鮭（さけ）を主材料とした北海道の郷土料理（きょうどりょうり）なんだ。みそベースの鍋なので、塩鮭ではなく生鮭を使うよ。
石狩鍋の始まりは、北海道の石狩川で鮭漁（さけりょう）が行われており、きびしい寒さの中仕事をした漁師（りょうし）達へのごほうびとして、ふるまわれた鍋なんだ。
今では、北海道で食べられる鍋として、全国的に有名になったんだよ。
石狩川でとれた鮭を使っている事から、石狩鍋とよばれるようになったんだ。ちなみに、十勝川（とかちがわ）で取れた鮭を使った鍋は十勝鍋とよばれているよ。

その昔、炭焼きや伐採（ばっさい）のために山ごもりした人達が、山小屋で残りご飯に練りみそをぬって炉端（ろばた）で焼いたり鶏鍋（とりなべ）に入れて食べたのが始まりといわれているよ。
また、杉の棒につぶしたご飯を竹輪（ちくわ）のように巻きつけて焼き、棒から外して食べやすく切った物の事をきりたんぽ（切蒲英）というんだ。
切る前の段階のきりたんぽの事をたんぽというよ。

せんべい汁は、青森県八戸市（はちのへし） 周辺の郷土料理（きょうどりょうり）で、南部煎餅（なんぶせんべい）をしょうゆ味でにたてた汁物または鍋物なんだ。
せんべい汁は、江戸時代に冷害の影響（えいきょう）を強く受けた際の飢餓（きが）食として生まれたとされているよ。

『ひっつみ』とは、岩手県の方言で『ちぎる』という意味があるんだよ。
『ひっつみ』は、小麦粉を水で練った物を寝かしてから、ちぎって茹（ゆ）でて、鶏肉や野菜とにこんだ鍋料理なんだ。
昔、ひっつみ鍋は、米を節約するために主食として食べたり、農作業の合間に食べたりしていたんだよ。

江戸時代から食べられている鍋で、約200年の歴史を持っているんだ。
ドジョウを「どぜう」と書いているのは、4文字ではえんぎが悪く、3枚ののれんに書けないという理由から、発音の近い「どぜう」の3文字にしたといわれているよ。
生きたドジョウを酒に入れた後、甘辛い割下（わりした）をそそいで、炭火でにこむんだ。ネギをたくさんのせて、さんしょうや七味唐辛子をかけて食べるんだよ。
背開（せびら）きにして骨と頭を取りのぞいて、ゴボウといっしょに卵とじにしたものは柳川（やながわ）鍋として人気があるよ。

幕末頃、それまで食べられることの少なかった牛肉が横浜、東京を中心に牛鍋として流行（りゅうこう）したのが始まりだよ。
うす切りにした牛肉を使って、ねぎ、しゅんぎく、シイタケ、豆腐などの具材をそえて、しょうゆと砂糖で味付けするのが基本だよ。地方によって作り方、材料にちがいがあるんだ。

もともと漁師達が船上（せんじょう）で食べていた「どぶ汁」が元になっているといわれているよ。
あんこうの七つ道具と野菜をしょうゆまたはみそで調味するのが基本だよ。コラーゲン、ビタミン類が多くて美容や健康にも良いといわれているよ。

ズワイガニは日本海がほこる冬の味覚。
特に福井県の越前（えちぜん）海岸沖でとれるオスのズワイガニは越前ガニとよばれているよ。 その越前ガニを入れた越前ガニ鍋は冬のごちそうなんだ。
鍋の最後にご飯を入れてカニ雑炊（ぞうすい）にすると、カニから出た"うまみ"が味わえてとってもおいしいよ。

愛知県は昔から養鶏（ようけい）が盛んな土地で、名古屋コーチンなどのとり肉を使った鍋料理が有名なんだ。
そのひとつに「かしわのひきずり」とよばれるとり肉を使ったすき焼きがあるよ。
とり肉にはしっかりとした歯ごたえがあるから、牛肉を使ったすき焼きとはまた少しちがった味が楽しめるよ。
（地方によってはとり肉のことを「かしわ」とよぶんだ。）

たっぷり脂（あぶら）がのった冬のぶりは刺身（さしみ）で食べてもおいしいけれど、しゃぶしゃぶにしてもまた格別なんだ。
牛肉や豚肉のしゃぶしゃぶと同じように、うすく切ったぶりをさっとお湯にくぐらせて、身の色が変わったところでポン酢につけて食べるんだ。
余分な脂がほどよくおちて刺身とはちがったさっぱりとした味が楽しめるよ。

現在でも日常的な料理として食べられているよ。
小麦粉を練って作った平打（ひらう）ちの麺と、野菜を中心とした具をみそ仕立ての汁でにこむのが基本だよ。
ほうとうはビタミン類や繊維（せんい）質、でんぷん質やたんぱく質のバランスが良い料理なんだよ。

はりはり鍋はくじら肉と水菜を使った鍋で、西日本を中心に食べられているよ。水菜のシャキシャキとした食感が「はりはり」と表現されているんだ。かつて、くじらは安くて手に入りやすい食材だったんだ。だから「はりはり鍋」は庶民（しょみん）の味覚として親しまれていたんだよ。
今はくじら肉が手に入りにくくなって貴重（きちょう）な食材になり、かわりに豚肉や油揚げを使うことがあるよ。一般的には、こんぶでダシをとり、たっぷりの水菜とうす切りのくじら肉を入れてポン酢で食べるんだ。
「はりはり」とした歯ごたえをいかすためににすぎないようにするのがポイントだよ。

京都のまちには湯豆腐を出す店が多く、ほとんど1年中食べられるよ。
京都に豆腐屋が多い理由は、豆腐作りに適した水が豊富だったからと、京都には寺が多く、お坊さんの食事の貴重なたん白源（げん）として食べられているからといわれているよ。鍋にこんぶを敷（し）き、一口ぐらいに切った豆腐をあたためてつけダレで食べるんだ。豆腐をあまりぐらぐらとにたたせないのがポイントで、やわらかいのどごしを楽しむんだよ。
やっぱり寒い冬に食べると体がぽかぽかとあたたまっておいしいね。

イノシシ肉をうす切りにし、牡丹（ぼたん）の花のようにお皿に盛りつけることから「ぼたん鍋」といわれるんだ。
たっぷりの野菜といっしょににこんで食べることが多いよ。イノシシにはお肉の独特（どくとく）のくさみがあるからみそやしょうゆで濃（こ）いめに味つけして、食べることが多いんだ。
ぼたん鍋は全国で食べられているけど、近畿地方では兵庫県の篠山（ささやま）市などが有名だよ。

かきの土手鍋とは、鍋のまわりにぬったみそと、かき、豆腐、野菜を一緒ににながら食べる鍋のことだよ。
食べる直前にまわりのみそを溶かして好みの味にするんだ。かきや野菜から出るダシとみそがマッチしてとてもおいしいんだよ。
かきは広島県の名産品で、その生産量は日本一なんだ。

魚の切り身を使った鍋を意味する「ちり」をつけて「ふぐちり」と呼ばれることもあるよ。近畿地方では「テッチリ」とも呼ばれるよ。
こんぶダシでふぐの切り身と野菜を一緒ににこんで、ポン酢をつけて食べるのが一般的だよ。山口県の下関市はふぐの本場として全国的に有名だよ。

骨付きとり肉のぶつ切りを使って、とり肉や骨から出るうまみをいかした鍋だよ。
他の調味料を使わずに水からにたたせるのが本来の調理法なので「水炊き」とよばれているよ。本場の水炊きには、口に入れるとホロホロとくずれるほどやわらかくにこまれたとり肉が使われているよ。

もつとは牛や豚、とりの内臓（ないぞう）のことで、もつ鍋には一般的に牛の内臓が使われるよ。
もつ鍋は醤油（しょうゆ）やみそ、唐辛子やニンニクで味付けされたスープにもつと野菜を入れて食べるんだ。
もともとは福岡県福岡市の郷土料理（きょうどりょうり）だったんだけど、安くておいしい、お酒に合うという理由から全国的に人気が出たんだよ。