コーヒーの新しい市場を切り開く! オフィスグリコの次なるチャレンジ

今、コーヒー市場が活況だ。サードウェーブと呼ばれる原産地や豆、サービス形態などで差別化を図るコーヒーショップの増加や、コンビニで淹れたてのコーヒーを購入するという新しい習慣をもたらしたコンビニカウンターコーヒーの躍進。日本のコーヒー文化にいくつもの潮流が生まれ、市場を湧かせている。レギュラーコーヒー市場は、2013年から3年連続の成長を記録。コーヒーの嗜好性は多様化し、その楽しみ方もさまざまな広がりを見せている。
また、オフィス向け置き菓子サービスのオフィスグリコも急激な勢いで発展している。リフレッシュボックスもお菓子だけでなくアイスや飲料なども入ったタイプなど様々なものが誕生し、2015年度には53億円を売り上げた。
そんな中、オフィスグリコに淹れたてのドリップコーヒーを味わえるコーヒーシステムが登場した。その狙いと可能性について、オフィスグリコ推進部の永島さん(メイン写真左)とUCC一杯抽出事業本部の植田さん(メイン写真右)にお話を伺った。
オフィスグリコだからこそ、開拓できる市場がある
実は、オフィスグリコとUCCのつながりは10年を超える。オフィスグリコに冷蔵庫が設置されるようになった初期の頃から、Glicoのジュースと並んでUCCのコーヒー飲料が販売され、2社の間で定期的に打ち合わせの場も設けられてきた。
「冷たいコーヒー飲料はお客様にご提供できていたのですが、やはり淹れたての温かいコーヒーも楽しんでいただきたい。そんな話がたびたび出てきて、方法を探っていました」(永島)
しかし、課題のひとつとなったのがコーヒーマシンのサイズ。オフィスグリコは、就業者数10〜15名ほどのスモールオフィスをメインターゲットとして、置き場所を選ばないコンパクトなボックスを展開することで、全国10万事業所へと販路を拡げてきた。一般的な大型のコーヒーマシンでは、お客様のオフィスに馴染まないのだ。
そんな中、UCCがA4サイズの面積に収まる省スペース設計のコーヒーシステムを開発する。
「今回、デザインに入る前から機器は最小サイズを狙いたいという考えがありました。オフィスでは、さまざまなものが横に置かれる可能性があるため、特に正面から見たときの幅が一番小さくなるように設計していきました」(植田)
「これまで、オフィス用のコーヒーシステムは大型機が主流だったため、メーカー各社さんは採算をとるために大規模なオフィスだけをターゲットにしてきました。オフィスグリコの隣にコーヒーシステムが導入されることで、これまでなかなか他社の手が届かなかったスモールオフィスのお客様にコーヒーを楽しんでいただけるようになったのです。これから、新しい市場を切り拓いていけると期待しています」(永島)
コーヒー会社が考える最高のおいしさを、そのまま届ける
コーヒー文化の成熟が進み、ユーザーの嗜好性も高まっている。ドリップコーヒーの味わいについても、UCCならではの並々ならぬこだわりが詰まっていた。
「コーヒータイムを最高の一杯で心地良く過ごしていただきたい。そんな想いのもと商品の開発を進めていきました。味の特徴としては、日本人の繊細な味覚にこたえられるようクリアで雑味のない、澄んだ味わいを追求しています」(植田)
開発にあたり、原料の調達から焙煎、ブレンド、マシンの抽出技術まで、UCC全社で培ってきたノウハウが随所に生かされた。それぞれの分野の専門家たちが力を発揮し、コーヒーの総合企業としてのシステムをトータルで機能させることで、一杯の味わいが研ぎ澄まされていった。
「さらに、国内工場で挽いたコーヒーを、香りを逃さないように一杯ずつ密封し、開けるたびに新鮮な香りが広がるようにしています。コーヒー会社が考える最高のおいしさをそのままお届けできるコーヒーシステムに仕上がったと考えています」(植田)
「もともとオフィスグリコを始めたきっかけとして、オフィスというストレスの多い空間の中で、お菓子を食べることで少しリフレッシュしていただいて、またお仕事を頑張っていただきたいという想いがありました。そこに新鮮なコーヒーの香りが加わることで、さらに気分をリフレッシュしていただけるようになるのではないかと考えています」と、永島さんも本格的な香りと味わいに期待を寄せる。
ビジネスも、コミュニケーションの輪も拡げていく
コーヒー市場のおよそ1/4がオフィス需要だと言われている中、オフィスの中でもおいしいコーヒーを飲みたいという意識は高まっている。それをシンプルに、かつ、喜びとともに提供することが、これからの大切な価値になっていくだろう。
「お菓子の組み合わせも、オフィスグリコならではの楽しみ方のひとつですね。コーヒーを単体で飲むのとお菓子と一緒に飲むのとでは、驚くほど味が変わるのです。マイルドとダーク、2種類の味をご用意していますので、相性なども楽しみながら上手に気分転換していただければと考えています」(植田)
「もうひとつ、お菓子をふだん食べない方も、オフィスグリコのまわりに集まっていただきたいという願いがあります。そこから、いつもはゆっくり顔を合わせることのない人たちとのコミュニケーションが生まれていけば嬉しい。また、まわりの方に少しお菓子をお裾分けしてもらって興味を持っていただいたり、そこで食べたお菓子の話を家に帰ってお子さんとしていただいたり、食を通してもっとコミュニケーションが広がっていけば、これほど嬉しいことはありません」(永島)
オフィスでいつでも手軽にお菓子を楽しめるオフィスグリコ。そこにコーヒーが加わることによる相乗効果は、単にビジネスの広がりを生むだけでなく、有形無形の価値を生み出していくはずだ。
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土佐育ちのお酒好きコピーライター
久岡 崇裕