第3回ウェルネスキャンパス「健康寿命と美容寿命 ~サビないためのインナーケア」セミナー

健康寿命と美容寿命

with Glico ウェルネスキャンパスは、「運動」「栄養」「休息」という、健康に重要な3つの要素について楽しく学べる場をお届けするオンラインセミナー形式のイベントです。

2020年11月25日に実施された第3回目のテーマは「健康寿命と美容寿命 ~サビないためのインナーケア」。

イベント会場では、関係者は検温、消毒を徹底。パーテーションを設けて人と人との距離を適切に保つなどの感染症対策をしっかり取った上で開催されました。

第1部: 活性酸素や糖分と私たち人間の関係性

第1部の登壇者は、大阪市立大学医学部の名誉教授である井上正康先生です。

井上先生は、ガンや生活習慣病を生命史的視野で研究している国際的研究者であると同時に、健康科学研究所・現代適塾の塾長、腸内フローラ移植臨床研究会の評議員、株式会社キリン堂ホールディングスの取締役を務めるなど、さまざまな分野で活躍されています。

「みなさん、こんにちは。今日は活性酸素や糖分についてお話したいと思います」と、穏やかな笑顔で話しはじめられた井上先生。

「活性酸素は、体内で増えすぎると正常な細胞や遺伝子を酸化させてしまう性質を持っています。また、糖分は過剰に摂取すると高血糖を引き起こしたり、糖尿病を発症したりといった問題が生じてしまいますね。しかし、活性酸素も糖分も私たちが生きるために必要な存在。大切なのは、過剰になりすぎず、適切なバランスを保つことです」

「活性酸素には、体内に入ってきたバクテリアを排除する能力があります。肉や野菜、米など、私たちが日々食べているものにはたくさんの病原体が含まれていますが、活性酸素の力によって安全に食べられているわけですね」

井上先生のお話からは、活性酸素の役割や重要性がとてもよく伝わってきます。この他にも、活性酸素や糖分が人間の寿命や繁殖機能にも影響していることなどについて教えてくださいました。

酸化・糖化によって生じる体内の変化

「糖分は、私たちにとって最も重要な抗酸化物質。遺伝子を合成して生命体を生み出すためにも、日々自分の体を動かすためにも必要なものです。みなさん、疲れると甘いものが食べたくなりますよね。あれは、体内でエンジンを回し続けるために脳が糖分を欲しているサインなのです」

「ただ、糖分は甘くて美味しいため、つい過剰に摂取してしまいがち。糖分を摂り過ぎてしまうと、体内でAGEs(Advanced Glycation End Products)という糖化現象が起きてしまいます」

AGEsとは、血液中にあるタンパク質と余分な糖分が結びついてできる老化促進物質のひとつ。体内のさまざまな組織に作用し、病気を引き起こす原因になると言われています。

「ご飯を食べると血糖値は上がり、一定の時間が経つと下がっていきます。これが正常な範囲内なら問題ないですが、人によって、或いは食べ方や調理の仕方によっては血糖値が急激に上昇してしまいます」

「血糖値がいつも高い状態だと、血管の壁に含まれているタンパク質が余分な糖分とどんどん結合し、AGEsをたくさん出してしまいます。私たちの体内では1分間に約5リットルもの血液が流れていますが、AGEsが増えると血管は徐々に硬くなり、エネルギーや栄養分を体内の隅々まで運ぶことができなくなってしまいます。この現象が糖尿病で最も顕著に起こり、怖がられているわけです」

また、血管が硬くなることで、高血圧や動脈硬化、心筋梗塞や脳の病気を引き起こすと考えられているそうです。

シワの原因は、糖と血糖値にあり!?

「私たちの皮膚には、バイ菌やウイルスをはじき飛ばすバリア機能があります。世界で最も小さい分子である水さえも、肌の内側には入りませんよね。これも、バリア機能による効果です」

しかし、肌のバリア機能が壊れると寄生虫や病原体が体内に入ってしまい、アレルギー反応を起こしたり、水分が失われてしまったりするそう。肌の糖化がバリア機能にも影響を及ぼすことがあると、井上先生はおっしゃいます。

「皮膚にはさまざまなタンパク質が含まれていますが、その屋台骨となるのがコラーゲンです。コラーゲンは、アミノ酸の一種である『グリシン』『アミノ酸X』『アミノ酸Y』が3重に巻き付いた構造をしています。これが、いわゆる鉄筋コンクリートの鉄筋のような役割を果たしているわけです。ここに、高血糖による影響で糖が結合してしまうと、いわゆる糖化……つまり、AGEsができたということになります。コラーゲンはフレキシブルに動く構造をしていますが、糖化が進むと、AGEsによってコラーゲン同士が結びついてしまい、ガシッと硬くなってしまうのです。そうして、やがてくびれてシワになってしまうわけです」

正しい知識と適切な食事・運動で、インナーケアを

シワの発生をはじめ、病気の発祥などの影響までもたらす糖化現象。一体どうすれば、ケアできるのでしょうか。

「日々の食生活を改善し、運動することですね。定期的にマッサージをするだけでも効果的ですよ」と、井上先生が紹介してくださったのは、手軽にできるマッサージ方法です。

「自分の指で、皮膚の内側にある骨を押しつけるようにマッサージしてみてください。静脈・動脈・リンパ管がすべて刺激され、一酸化窒素という活性酸素が発生して血流が盛んになり、新陳代謝が加速していきます。みなさんの中には、特に目の周りと口の周りのシワが気になるという方も多いのではないでしょうか。ぜひ、このマッサージを活用して、インナーケアへと結び付けてください」

以前、TV番組で高血圧の方約20名に1日15分、2週間このマッサージを続けてもらったところ、薬を飲むことなく血圧の数値を約20下げることができたという結果も出たそうです!

「体をしっかり動かし、適切な食生活を送ること。それが、インナーケアにつながるわけです」

「最初にお伝えした通り、活性酸素も糖も生きていくために不可欠な存在です。しかし、過剰になると酸化や糖化といった反応が起こり、老化につながってしまいます。大切なのは適切なバランスを保つこと。正しい知識を身につけ、自分に適したケアを取り入れてください」

また、井上先生は最後に「美とは、生きる能力、体の中の健康状態の可視化である」ということも教えてくださいました。

活性酸素の役割や糖化のメカニズムが深く理解できた第1部。井上先生は、セミナー終了後も参加者の方々から集まった質問に答えてくださっていました。

美容寿命に期待できる、赤パプリカの力

続いて、イベントは第2部へ。江崎グリコのエイジングケアブランド「gg(ジージー)」を担当する岸本による、「Glicoの考える健康寿命・美容寿命延伸のためのインナーケア」をテーマにしたセミナーです。

Glicoでは、いつまでも自信を持ってキレイでいたい、おしゃれをしたいといった、美容や健康に対して前向きな気持ちでいられる状態を「美容寿命」と呼んでいます。美容寿命を保つために大切なのはエイジングケアですが、一体どんなケアが効果的なのでしょうか。

「肌のエイジングの原因には、乾燥や日焼けによる外的要因と、成長ホルモンの分泌量や性周期・ストレスなどによる内的要因があります。外的要因は日焼け止めや保湿液といった外側からのケアでも対応できますが、内的要因に関しては体の内側からのケアが必要になってきます」

「特に気にしたいのが肌の糖化・酸化ケアです。日本人の平均寿命は昭和20年代頃の50歳前後に比べると著しく伸びていますが、私たちが持つ抗酸化・抗糖化力は昔と変わっていません。長い人生を送る中でいつまでも若々しく、自信を持って生きていくためには、糖化・酸化ケアがとても重要なのです」

「糖化によって体内の活性酸素が増加すると、酸化ダメージが進行します。そして、酸化ダメージが蓄積されると老化を促してしまうという、負のスパイラルが発生します」と、岸本は糖化・酸化リスクを示したチェックリストを元に話を進めます。

また、「どうして野菜や果物は鮮やかな色をしているのか」というクイズも出題。野菜や果物はカロテノイドという抗酸化成分を生みだして色づくことで、紫外線によって発生する活性酸素から遺伝子を守り、子孫を遺しているのだと教えてくれました。

「色の濃い野菜を緑黄色野菜と言いますが、あれは強い紫外線から野菜が自分を守るための色なんです。私たち動物は自分の力でカロテノイドを合成できないため、日々さまざまな色の野菜を食べることでカロテノイドを取り入れ、酸化対策をする必要があります」

「酸化対策には野菜を毎日摂ることが大切ですが、日本人の多くは1日の野菜摂取量が不足気味。そこでオススメしたいのが、サプリメントを使ったインナーケアです」

「Glicoは、抗酸化成分であるカロテノイドの中でも特に強い力を持つキサントフィルが含まれた『赤パプリカ』に着目。研究を続けた結果、赤パプリカのキサントフィルをギュッと凝縮した独自素材『PapriX®(パプリックス®)』の開発に成功しました」

「PapriX®(パプリックス®)」の抗酸化力はニンジンのβカロテンの約25倍。あの有名な美容成分アスタキサンチンをも超えるパワーが期待されています。

「赤パプリカの抗酸化力を示したデータがこちらの画像です。紫外線をどれだけ浴びると肌にダメージが出るかを検証した実験で、事前に赤パプリカの成分を摂取しておけば、紫外線をたくさん浴びても肌にダメージが出づらいことが判明しています」

まさに、飲む日焼け止め効果!さらに、赤パプリカの抗酸化成分は、摂取し続けることでより効果が得やすくなるそうです。

岸本はこの他にも、あるトラックの運転手が片側の窓から紫外線を浴び続けた結果、窓側の方にだけ深いシワが刻まれたことが伝わる写真なども紹介。「季節や屋内外などの場所に関係なく、毎日紫外線ケアを取り入れることが大切です」と教えてくれました。

マンゴスチンは、糖化ケアの心強い味方

続いて、話題は糖化ケアに関するテーマへ。

「糖化ケアにおいて、Glicoは『マンゴスチン』に着目しました」

糖化ケアで大切なのは、コラーゲンなどのタンパク質と余分な糖が反応してできてしまうAGEsという老化物質をつくらせないこと。そして、できてしまったAGEsを分解することです。マンゴスチンのエキスにはその両方にアプローチ可能な成分が含まれていることが知られています。

「AGEsは、肌の弾力の低下や黄ぐすみ、シワ、乾燥などの原因にもなります。こちらは、マンゴスチンのエキスを飲み続けることでAGEsの蓄積量が減ったことを示したデータ。マンゴスチンが肌のエイジングケアにつながるパワーを持っていることがわかります」

「同じスキンケアを使う2つのグループで、片方だけに『PapriX®(パプリックス®)』とマンゴスチンエキスの配合されたサプリメントを飲んでいただく試験を行った結果、サプリメントを飲んでいるグループの方が肌の水分量やシワの状態など、肌状態が良かったという結果も得られています」

どのお話も、参考にできそうなるものばかり。食生活全体を改善するのは難しいかもしれませんが、サプリメントなら手軽に始められそうです。

最後に岸本は「世の中にはたくさんのスキンケアやインナーケア用品が存在していますが、大切なのは自分にとって続けやすいもの・納得できるものを選ぶこと。ピッタリなケア方法を見つけて試してみてください」と私たちに伝えてくれました。

美や健康を考えながら、できること、続けられることを。

体の構造のことや食生活に関することなど、さまざまなお話を聞くことができた第3回with Glico ウェルネスキャンパス。今日から意識できること、はじめられることがそれぞれにあったのではないでしょうか。ぜひ、今回のお話を参考に試してみてください。