社長メッセージ

より良い社会の実現を目指し、実行力を高めていきます

江崎グリコ株式会社は2022年2月11日に創立100周年を迎えました。当社を支えてくださったお客さま、お取引先さま、地域社会をはじめとする全てのステークホルダーの皆さまのご支援の賜物と、心より感謝申し上げます。

数年前に出現した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、生活者が図らずも価値観や生活様式を見直す機会をもたらしました。特に、健康衛生や免疫への意識は急速に高まり、健康的な生活を送るために、栄養や運動の大切さについても再認識されたと感じています。

現在Glicoグループは、菓子や飲料といった加工食品事業を、アジア地域を中心としてグローバルに展開しています。特に、乳幼児の成長や消費者の健康を維持・向上する製品開発、機能性素材の研究開発にも力を入れており、お客さまの生活になくてはならない商品の拡充に努めています。これらの活動の原点は、Glicoグループ創業の精神にあります。

創業者・江崎利一は、今から100年以上も前、人々がまだ栄養不良・不足の状態であった時代に、牡蠣の煮汁に含まれる栄養素「グリコーゲン」と出会いました。そして、その栄養を摂取することで病気の予防に役立ててもらいたいと考え、創意工夫による試行錯誤を重ね、栄養菓子『グリコ』を創製しました。かねて事業を通じて社会に貢献したいと考えていた創業者は、その想いを当時の社是となった「食品による国民の体位向上に貢献する」という言葉で表現しました。その後、創立70周年にあたる1992年には、企業理念を「おいしさと健康」へと改訂しています。

この度、不変の創業の精神を引き継ぎ、新たに存在意義(パーパス)として「すこやかな毎日、ゆたかな人生」、ありたい会社の姿(ビジョン)を「Glicoグループは人々の良質なくらしのため、高品質な素材を創意工夫することにより、『おいしさと健康』を価値として提供し続けます」と定めました。このパーパスを実現するためには、変わりゆく人々の期待に応え続けていくことが必要であり、より良い社会の実現を目指し行動を起こしていくことがGlicoグループの目指すCSR活動だと考えています。

世界には気候変動や人権侵害といった重大な社会問題が存在します。当社が地球市民として事業を展開し、持続的な成長を目指すために、バリューチェーンやエコシステムにおける課題解決に向け、さまざまな組織や活動とも連携を深めながら、次世代のために積極的に取り組んでまいります。そして、これからも新たな価値を創出し、中長期的視点で「事業を通じて社会に貢献する」経営に注力する所存です。今後ともより一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

2022年5月
江崎グリコ株式会社
代表取締役社長
江崎 悦朗