事業構造と企業風土の
変革に邁進

1991年前半に陰りを見せたバブル景気は瞬く間に泡と消え、日本経済は先の見えない長い不況に陥りました。
翌1992年2月に創立70周年を迎えた当社は、企業理念「おいしさと健康」やグリコスピリット「創る・楽しむ・わくわくさせる」を策定し、同年4月には企業風土の変革に重点を置いた中期5カ年計画を発表。新たな飛躍を目指して歩み始めるものの、1995年の阪神・淡路大震災や1997年の消費税率引き上げなどもあって景気は一段と落ち込み、業績の伸長は見られませんでした。

当社は企業理念で掲げた「健康」を具現化する商品開発に取り組み、特に消費者の健康志向が高まった2000年前後には事業体制を強化して数々の新商品を発売しました。

同じころ、インターネットの急速な普及でIT革命という言葉が流行語になります。当社は1996年3月にホームページを開設してお客様への情報発信を開始し、ネットショップも立ち上げました。またその後、「オフィスグリコ」や、ショップ事業「ぐりこ・や」など従来の販売チャネルにとらわれない脱既存流通の取り組みも広がっていきます。

しかし業績は1990年代後半も低迷し、2002年2月からの戦後最長といわれる景気拡大期も成長率は低く、経営環境の厳しさは変わりませんでした。
こうしたなか、1997年以降はグループ全体の企業価値を高めるためグリコ協同乳業、グリコ栄養食品と情報・技術交換による相互の企業力強化や、業務の共通化・共有化による効率向上などを進めていきます。
一方で、成長著しい大手組織小売業への対応力を強化するため、2008年6月に従来の3事業本部を改組して事業統括本部を発足。商品別の部門構成から営業・開発・研究の機能別部門構成に移行し、協業化が進む2社とともにグリコグループ一体となって低迷からの脱却を図りました。